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IP電話と固定電話の違いとは?無料通話アプリの特徴も解説!

「IP電話とアナログ電話の違いは?」「無料通話アプリって何?」と疑問に思っている方も多いでしょう。そこで本記事では、そもそも固定電話にはどのような種類があるのかを明確にしたうえで、通話料金をはじめ通話品質や発信できる電話番号などの違いを比較してみました。
目次
「固定電話」は3種類に分けられる!
固定電話と聞くとNTTが提供している加入電話を連想する方も多いでしょうが、厳密には大きく分けて下記の3種類が存在しています。
▼固定電話の種類
- NTTの加入電話(アナログ電話):ダイヤル回線/プッシュ回線
- 直収電話(NTT以外のアナログ電話):ソフトバンクのおとくラインなど
- IP電話:市外局番が使える0ABJ型/050型
一口に固定電話といっても種類によってメリットとデメリットが異なるうえ、さらに細分化されているタイプもあるため、契約前に違いを把握しておきましょう。
ちなみに、NTTの加入電話はアナログ回線とISDN回線(デジタル回線)の2種類が相当します。しかし、ISDN回線は2024年1月をもってサービスの提供を終了するとNTTが公式に発表していますので、新たに電話回線を契約する場合は上記の3種類が選択肢と言って良いでしょう。
「アナログ回線の固定電話」の仕組みとは?
アナログ電話とは、アナログ回線を通して会話する固定電話です。銅線(メタルケーブル)で作られたアナログ回線を利用するため、「メタル回線」または「メタル電話」とも呼ばれています。インターネットのADSLを利用する際に使用する電話回線といった方がイメージしやすいかもしれません。
アナログ電話は、黒電話を対象とした「ダイヤル回線」と現在の主流となっている「プッシュ回線」の2種類に分けられ、電話番号を特定する方式に違いがあります。
▼アナログ回線の種類
- ダイヤル回線:電流の強さや長さといったパルス信号で電話番号を特定する方式
- プッシュ回線:音の周波数信号で電話番号を特定する方式
特筆すべきは、発信元と着信先との間に設置されている「交換局」の存在です。まず、発信元から最も近い交換局にある交換機へと電話信号が伝わり、リレー方式でいくつかの交換局を経て着信先へと辿り着きます。つまり、発信元から着信先までの距離が遠くなるほど経由する交換局が多くなり、その分だけ通話料金が割高になってしまうのです。なお、NTTの加入電話はアナログ電話の一種ですが、電話加入権を必要としないライトプランも提供されています。
「直収電話」の仕組みとは?
直収電話の最大の特徴は、NTT東西以外の通信事業者が提供しているサービスという点でしょう。具体的には、NTT東西から借り受けた通信設備を活用しているソフトバンクの「おとくライン」、NTTコミュニケーションズ の「プラチナライン&世界割」などが当てはまります。
NTTの加入電話に比べて基本料金が安く電話加入権が不要というメリットがある反面、ADSLと併用する場合はプロバイダの契約者も統一する必要があるうえ、0120から始まるフリーダイヤルも利用できません。
直収電話の大半はアナログ回線ですが、ごく一部ではあるものの光ファイバーでの提供も行われています。なお、広い意味では自社の通信設備を使用したJ:COM PHONEも直収電話の一種です。しかし、J:COM PHONEは2020年2月から順次サービスの提供が終了されると発表されています。
「IP電話」の仕組みとは?
IP電話とは、従来の電話回線ではなくインターネット回線を利用しているのが特徴です。そもそも、IPとは通信規約であるインターネットプロトコル(Internet Protocol)の略称で、音声信号をデジタル化するVoIPゲートウェイ(Voice over Internet Protocol)を介して通話する仕組みになっています。
▼IP電話の特徴
- 交換局を経由しないため、距離による通話料金の差がない
- 同一プロバイダ間の通話が無料
- 電話加入権が不要で、基本料金が安い
- 音声通話だけでなく、テレビ電話など動画の通信も可能
050から始める全ての電話番号、LINEやスカイプといった番号不要型もIP電話の一種です。
IP電話は3種類に分けられる!
IP電話を大きく分類すると、下記の3種類に分けられます。
▼IP電話の種類
- ひかり電話:光回線を使用したフレッツ光、ソフトバンク光、auひかり、NURO光など
- ひかり以外のIP電話:ADSLなど光ファイバー以外の回線を使用するIP電話
- IP電話アプリ:CITVPlus、03plus、050plusなど
そもそも、IP電話はADSLの普及に伴ってシェアを伸ばしてきましたが、知名度の高さでは光ファイバー回線を利用した「ひかり電話」が群を抜いているようです。現在では、スマホだけで固定電話の番号が取得できる「IP電話アプリ」が登場し、SOHOや個人事業主の方から注目されています。
スマホ対応の「IP電話アプリ」とは?
IP電話アプリとは、番号不要型または自宅やオフィスに電話回線がなくてもスマートフォン単体で固定電話番号が取得でき、スマホから取得した固定電話番号を使って発信できるサービスです。また、有線でのインターネット接続と家庭用の電話機があれば、固定電話として利用できるようになります。
▼IP電話アプリの特徴
- 複数の電話番号が取得できる
- 取得した電話番号を、複数人で共有できる
- スマホのネット環境を利用するため、電話回線の工事が不要
- 導入費用、基本料金、通話料金が割安
- 同じアプリ同士での通話が無料
- 転送料金が無料
ビジネス用として有益なのはもちろん、初めて一人暮らしを始める大学生や社会人にとっても経済負担が少なく利便性の高いサービスと言えるでしょう。
「0ABJ型」と「050型」の違いとは?
スマホ対応のIP電話で取得できる電話番号は、下記の2種類に分けられます。
▼取得できる電話番号の種類
- 0ABJ型:03や06など通常の市外局番から始まる電話番号
- 050型:050から始まる11桁の電話番号
光回線やアナログ回線を利用したIP電話の主流は050型で、「IP回線-事業者の識別番号-加入者番号」の11桁で構成されています。一昔前は、IP電話と言えば「050」から始まる電話番号しか取得できませんでした。しかし、端末の多様化が進むにつれてスマートフォンでも固定電話の番号が取得できる0ABJ型IP電話サービスの普及が進んでいます。
▼0ABJ型と050型の違い
- 通話品質:050型より厳しい基準をクリアしている0ABJ番号の方が優れている
- 乗り換えやすさ:業者の識別番号込みの050より、保持できる0ABJ番号の方が有利
ビジネスとして使う固定電話番号をスマホで取得するなら、社会的に信頼性の高い0ABJ型の方が有利なのは明白です。
IP電話アプリなら「クラスA」がおすすめ!
従来型の固定電話番号は0ABJ型の一種で、総務大臣に認可されなければ利用できないほど厳しく管理されていました。なぜなら、市外局番が含まれている電話番号は発信元が特定でき、「110番」や「119番」など緊急時でも不具合が起きないように高い通話品質が求められているからです。
ちなみに、総務省ではIP電話の品質を下記の3つにランク分けしており、0ABJ型IP電話がクラスAを求められているのに対し、050型IP電話はクラスCでも認可されています。
▼総務省の品質基準
- クラスA:固定電話並み
- クラスB:携帯電話並み
- クラスC:通話可能なレベル
回線の安定性やアナログ電話並みのクリアな通話を求めるなら、最も品質の高いクラスAの0ABJ型IP電話アプリを選ぶべきでしょう。
「無料通話アプリ」の料金と特徴を比較!
無料通話アプリとはスマホ対応IP電話の一種で、特定の条件を満たしている相手との通話料金が無料になるサービスです。
LINE Out | 050plus | 03plus | |
基本料 | 0円 | 300円 | 980円~ |
無料通話 | 友だち機能の登録者 | 同じアプリ同士 | 同じアプリ同士 |
固定への通話料 | 1~1.5円/30秒 | 1.44円/30秒 | 1.33円/30秒 |
取得できる番号 | × | 050番のみ | 市外局番 |
通話品質 | 通話可能なレベル | 通話可能なレベル | 固定電話並み |
基本的に同一アプリ間の通話料金が無料になるうえ、一般的な固定電話への通話料金も割安になっています。
料金から発信できる番号まで!8項目の違いを比較
下記の一覧表では、固定電話として使える4タイプについてメリットとデメリットが一目で分かるよう、8つの項目を比較してみました。
IP電話アプリ | ひかり電話 | 光以外のIP電話 | 加入電話 | |
通話品質 | 1位/クラスA | 2位 | 3位 | 1位 |
基本料金 | 0円~ | 300円~ | 0円~ | 1,450円~2,500円 |
固定への通話料 | 8円/3分 | 8円/3分 | 8円/3分 | 8.5~40円/3分 |
携帯への通話料 | 17.5円/1分 | 18円/1分 | 18円/1分 | 18円/1分 |
停電時 | スマホ以外× | 〇 | × | 〇 |
110番/119番 | × | 〇 | × | 〇 |
フリーダイヤル | × | 〇 | × | 〇 |
回線の種類 | モバイル回線 | 光回線 | ADSL回線 | アナログ回線 |
IP電話アプリの通話品質は総務省から固定電話並みと評価されている0ABJ型のクラスAを、携帯への通話料は同一アプリを使用していない場合を想定しています。なお、NTTのフレッツ光は停電対応機器を使用した場合のみ、一定時間は緊急通報を含む通話が可能となります。ただし、通信業者によって対応が異なるため事前の確認が必要です。
2024年以降は「光電話」か「IP電話アプリ」の2択!?
2024年1月に終了するISDN回線に続き、これまでADSL回線を提供してきた大手2社がサービスの提供を終了すると公式に発表しました。
▼終了が決定したADSLサービス
- NTT東西:フレッツADSL/サービス提供の終了日=2023年1月31日
- ソフトバンク:Yahoo! BB ADSL/サービス提供の終了日=2024年3月末
いわゆる「2024年問題」とも呼ばれており、すでに2020年6月時点で両社とも新規の申し込みは受け付けていません。したがって新規でIP電話を契約する場合、今後の選択肢は「光電話」もしくは「IP電話アプリ」の2択になると予想されます。ただし、NTTでは光回線が開通していない一部地域は除くと告知しています。
まとめ
固定電話の種類は意外と多く、特徴を比較しづらいのが実情です。とはいえ、コストを重視するなら最有力候補はIP電話と言って良いでしょう。ひかり電話またはIP電話アプリであれば、通話品質も高くビジネス用としても十分通用するはずです。