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固定電話の加入権とは?
一昔前は立派な資産価値が認められていた「電話加入権」。
しかし、現在では価値自体が低下して不要論まで持ち上がっています。
中には、「固定電話の加入権は売却できるのか?」「なぜ有料なのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電話加入権の基本的な仕組みや特徴・有料の理由・価格の相場・使わない時の対処法について詳しく解説します。
目次
固定電話の「電話加入権」とは?
電話加入権とは、NTT東日本・西日本が提供している従来型の固定電話である「加入電話」が利用できる権利を指しており、正式名称を「施設設置負担金」と言います。
つまり、NTT東西が全国に敷設している回線設備を利用するために36,000円の負担金を支払って購入する権利なのです。
言い換えれば、全ての固定電話回線に対し電話加入権が必要という訳ではありません。
▼加入権が必要なケース
- NTT東日本およびNTT西日本の「アナログ回線」
- NTT東日本およびNTT西日本の「ISDN回線」
▼加入権が不要なケース
- NTT東日本およびNTT西日本の「加入電話・ライトプラン(アナログライト)」
- NTT以外の通信キャリアが提供している「直収電話」
- 全キャリアの「光回線(IP電話)」
加入電話の利用者は減少傾向ではあるものの、高い安定性・通話品質といった大きな強みがあります。
ちなみに、ソフトバンクのおとくラインやKDDIのメタルプラスなどの直収電話もNTT東西の回線設備を利用していますが、既にインフラが整ってから提供が始まった後発のサービスですから加入権は必要ありません。
電話回線の種類や違いについては下記の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にして下さい。
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なぜ電話加入権は有料なのか?
前述した通り、今では「ひかり電話」や「直収電話」といった施設設置負担金を支払わなくても利用できる固定電話が、いくつも存在しています。
そのため、「そもそもナゼ加入権は有料なのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
その理由は、戦後の日本における電話回線のインフラ整備に資金が必要だったから!
施設設置負担金という正式名称からも分かる通り、利用者が加入権を購入するために支払った金額が初期の電話回線インフラ整備に充てられていたのです。
戦後復興という名の元、さまざまな公共事業が同時進行で行われていた当時、税金だけでは足りなかったのでしょう。
現在のように離島まで漏れなく電柱・電話線が全国に張り巡らされているのは、当時の利用者のお蔭とも言えるのです。
電話加入権の歴史と価格変動
まずは、電話回線に関するこれまでの経緯と加入権の価格変動について見てみましょう。
- 1890年:電話事業がスタートしたが、加入権が無くても無料で利用できた。
- 1897年:電話交換規則が制定され、15円の「加入登記料」が設定された。
- 1925年:特別開通制度が始まり、地域ごとに料金が異なる「設備負担金」と「工事負担金」が設定された。(東京:設備費負担金1,500円、工事負担金1,550円)
- 1948年:加入登記料から「装置料」へ改称し、一律1,000円になった。
- 1951年:装置料は4,000円に、設備費負担金は30,000円に改定された。
- 1952年:国営の日本電信電話公社(現NTT東西)が発足。
- 1953年:6万円の電信電話債券が義務化された。
- 1960年:電話設備費負担金が廃止され、装置料から「設備料」へ改称された。
- 1968年:設備料を30,000円に改定。
- 1971年:設備料を50,000円に改定。
- 1976年:設備料を80,000円に改定。
- 1985年:日本電信電話公社から「日本電信電話株式会社(NTT)」へと民営化し、設備料から「工事負担金」へ改称、金額も72,000円に改定された。
- 1989年:工事負担金から「施設設置負担金」へ改称された。
- 2005年:施設設置負担金を36,000円に改定。
日本が終戦を迎えた1945年から通信設備のインフラが本格化され、進捗状況に比例するように加入権の金額も増加しているのが分かります。
その後、ある程度のインフラが整い一般家庭での普及率が高止まりを迎えた1980年代中盤からは、価値の低下と共に金額も目減りしていったのです。
2021年時点では、1985年から長年にわたって維持されていた72,000円に対し、半額の36,000円まで値下がりしています。
電話加入権の売却・譲渡は可能?
結論から言うと、電話加入権は相続財産ですから「売却・譲渡・承継」の全てが可能です。
「改称」による名義変更も出来ますので、一人暮らしを始める子供への譲渡はもちろん、結婚や離婚を機に氏名が変更になる場合でも対応することができます。
まずは、NTT東西から新規で加入権を購入する際の価格を押えておきましょう。
▼正規の価格(税別)
- 電話加入権(施設設置負担金):36,000円
- 契約料:800円
ただし、ひかり回線や携帯電話の普及によって電話加入権の価値は低下の一途を辿っており、NTTでも正規の値段で買い取ってくれません。
特に、総務省とNTTが施設設置負担金の廃止を検討していると報道されて以降は、約30~10%まで価値が低下しているのが実情です。
手持ちの加入権を売却する場合は、「どこに売るべきか」相場を踏まえたうえで決定しましょう。
なお、「親から相続したが利用する予定がない」「携帯だけで十分」という場合が転売先として、または「災害時も安定的に使える回線を確保しておきたい」という場合は買取先として、下記の3つが主な選択肢となります。
▼電話加入権の売買先と売却相場
- 専門の買取サイト:1,500円~3,000円
- 金券ショップ:1,500円~3,000円
- ネットオークション:6,000円~8,000円
一方、新たに買い取る場合の相場は上記の売却相場の10~20%増しが平均的。
NTT東西で新規購入するよりも、はるかにお得です。
固定電話は利用休止・一時中断も可能
利用中、もしくは保有中の加入権が不要だからと言って、今すぐ売却することが最善の方法とは限りません。
売却や譲渡の他に、3種類の選択肢が用意されているのです。
▼不要になった電話加入権の対処法
- 解約:権利が消失する完全解約
- 利用休止:最大10年間、権利を残すことができる
- 一時中断:期限の制限なく、権利を残すことができる
解約・利用休止・一時中断の違いについては、下記の記事で詳しく解説しております。
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そもそも固定電話番号は必要?取得するメリット5つ
携帯の保有率が高まるにつれて、「固定電話は不要では?」「月額料金を節約したい」と思われる方が増えているようです。
それでも尚ご自宅や職場のオフィスに固定電話を設置している人がいるのは、下記のようなメリットがあるからでしょう。
▼固定電話番号を取得するメリット
- フリーランス、個人事業主、法人にとっては社会的信用に繋がる
- 停電中でも利用できるので「災害時でも安心」
- 携帯よりも通信料金が安い
- ネットに繋がっていない分、ウイルスなどに侵されやすいスマホより「防犯性が高い」
- 年代を問わず「無理なく使える」
実際、東日本大震災が発生して以降は固定電話の安全性が再び注目されるようになり、解約率が低下したと報道されていました。
電話加入権不要!固定電話料を安く抑えたい方は03plus
ソフトバンクやKDDIが提供している直収電話が次々と終了し、ついにNTT東日本・西日本も既存サービスの廃止を決定しました。
▼NTTによるサービス廃止のアナウンス
- ディジタル通信モード(ISDNサービス・INSネット):2024年に廃止すると発表
- フレッツ・ADSL(光サービス提供エリアのみ):2023年に廃止すると発表
加入電話については言明されていないものの、同じアナログ回線を活用したインターネット(ADSL)が廃止になることからも、メタル回線から光ファイバー回線への移行が本格化していると考えるべきでしょう。
つまり、新たに固定電話番号を取得する場合は「加入電話」以外の選択肢を検討すべきなのです。
加入電話の代替えとしては「光電話」が有力候補ですが、停電時に使えなかったり発信できない番号があったりと、少なからず弱点もあります。
そんな光電話のデメリットをカバーできると注目されているのが、「CITVPlus」という固定電話番号取得アプリです。
▼「03plus」が向いている人
- できるだけ安く市外局番つきの固定電話を取得したい方
- スマホで固定電話番号の発着信をしたい方
- 今すぐ取得したい方(最短10分)
- 面倒な手続きを避けたい方
加入権が不要なのはもちろん、スマホだけで契約が完了するうえ市販の置き型電話機での利用も可能です。
なお、「03plus」の特徴や実際に使っている方の感想については、下記のコラムをご一読ください。
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まとめ
加入権の資産価値が低下しているのは事実ですが、回線インフラの整備という役割を全うした結果とも言えます。
「使っていない加入権を売却したい!」という人にとってはかなりの損失になる反面、「これから新規で固定電話番号を取得したい!」という人にとっては有利な状況です。
固定電話の番号は、加入権や既存の回線を使わなくても取得できる時代になっていますので、より条件の良い方法を選択して下さい。