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IP電話の料金比較2026|クラウドPBX7社の月額・初期費用
※本記事は2026年08月時点の情報に基づいています。
IP電話の料金は、初期費用0円〜数万円、月額1,000円〜3,000円程度が相場で、NTTの加入電話(初期費用40,480円・月額2,000円超)と比べると初年度で3万円以上安く抑えられます。ただし「安さ」だけで選ぶと、2035年のメタル回線廃止や番号引き継ぎで失敗するリスクがあります。
この記事の要点
- IP電話の料金相場は初期費用0円〜数万円・月額1ユーザー数千円〜、通話料は固定電話宛約8円/3分・携帯電話宛16〜18円/1分です
- 2026年4月1日からNTT東西の加入電話基本料が値上げされ、事務用は月額330円増(年間3,960円増)、住宅用は月額220円増(年間2,640円増)となりました
- NTT東西はメタル回線を用いた固定電話を2035年頃までに段階的に終了する方針で、乗り換え先の検討は「いつか」ではなく今の課題です
- 2025年1月14日開始の「双方向番号ポータビリティ」により、0AB-J番号(03などの市外局番から始まる番号)を変えずに他社へ乗り換えられるようになりました
- 「デジタル化・AI導入補助金」を使えばクラウドPBX導入費用の最大1/2〜3/4が補助され、実質負担を大きく圧縮できます
IP電話の料金相場はいくら?初期費用・月額・通話料の3軸で比較

IP電話の料金相場は、初期費用0円〜数万円、月額基本料1ユーザーあたり数千円〜、通話料は固定電話宛約8.8円/3分・携帯電話宛約16〜18円/1分です。従来の加入電話(初期費用40,480円)と比べると、導入時点で数万円単位の差が生まれます。
料金を比較するときは、必ず次の3軸を分けて考えてください。1つの軸だけを見ると、判断を誤ります。
以下の表で、IP電話であるクラウドPBX・ひかり電話とNTT加入電話の料金構造を比較します。
| 比較項目 | クラウドPBX | ひかり電話 | 加入電話(メタル回線) |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜数万円 | 契約料880円+工事費約25,000円 | 電話加入権39,600円+契約料880円=40,480円 |
| 月額基本料 | 1ユーザー数千円〜 | 550円〜+光回線費用 | 住宅用2,090円〜/事務用3,135円〜 |
| 固定電話宛通話料 | 8.8円/3分 | 8.8円/3分 | 9.35円/3分 |
| 携帯電話宛通話料 | 約16〜18円/1分 | 17.6円/1分 | 17.6円/1分 |
| 内線通話 | 無料(拠点間も無料) | 有料 | 有料 |
| スマホ内線化 | 標準対応 | 別途オプション | 非対応 |
| 2035年以降 | 影響なし | 影響なし | 廃止対象 |
※加入電話の月額基本料は2026年4月1日の改定を反映した水準です。実際の金額は住所の級局区分により異なります。
同じIP電話といえ、クラウドPBXとひかり電話では初期費用や内線通話にかかる費用が異なります。
見落としやすい「隠れコスト」3つ
料金表に載っている数字だけで比較すると、導入後に想定外の出費が発生します。特に次の3つは、契約前に必ず見積もりに含めてください。
- 1ユーザーごとの課金構造:クラウドPBXの多くは「1ユーザー(1内線)あたり月額◯円」という課金です。5人なら5倍、10人なら10倍になります。「月額1,000円〜」という表示に安心して10人分を契約すると、実際は月額10,000円です
- オプション料金:自動録音の相場は月額2,000円〜3,500円程度、IVR(自動音声応答システム:着信時に自動音声で案内し適切な窓口へ振り分ける機能)は月額2,000円〜5,000円程度が相場です。標準搭載か有料オプションかで、月額が数千円変わります
- 番号ポータビリティ手数料:既存番号を引き継ぐ場合、事業者への手数料と工事費が別途かかります。数千円〜1万円程度を見込んでおきましょう
判断のコツ:見積書を受け取ったら、「初期費用の合計」「月額×利用人数×12ヶ月」「想定通話時間×通話料」を足した初年度総額で比較してください。月額の安さだけで選ぶと、初期費用や必須オプションで逆転するケースが珍しくありません。
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そもそもIP電話とは?0AB-J番号・050番号・クラウドPBXの違い
IP電話とは、インターネット回線を使って音声をやり取りする電話の総称です。電話線や交換機といった専用設備に依存しないため、従来のアナログ電話より低コストで運用できます。
ただし「IP電話」という言葉が指す範囲は広く、種類によって通話品質・社会的信用度・料金がまったく異なります。まずここを整理しておきましょう。
以下の表で、IP電話の3タイプの違いを比較します。
| 種類 | 番号の形式 | 通話品質基準 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 0AB-J番号 | 03・06など市外局番から始まる10桁 | 総務省の厳格な品質基準を満たす | 法人の代表番号、店舗 |
| 050番号 | 050+事業者識別番号+加入者番号の11桁 | 厳格な基準なし | 個人事業主、サブ回線 |
| 番号不要型 | 電話番号を使わない | 厳格な基準なし | 社内連絡、Web会議 |
なお、IP電話の主要なサービスとしてクラウドPBXとひかり電話があります。クラウドPBXはサービスを選べば0AB-J番号・050番号の両方が取得可能。ひかり電話は契約するプロパイダが提供するIP電話サービスを併用すれば、両方の番号を使用できます。
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0AB-J番号が法人に選ばれる3つの理由
0AB-J番号(03や06など市外局番から始まる10桁の固定電話番号)は、法人が選ぶべき第一候補です。理由は次の3点に集約されます。
- 通話品質が総務省基準で担保されている:0AB-J番号を提供するには、遅延・音質・接続率などの厳格な技術基準をクリアする必要があります。050番号にはこの縛りがありません
- 社会的信用度が高い:市外局番付きの番号は「その地域に実在する事業所」という印象を与えます。取引先の与信審査や、法人口座開設、不動産賃貸の審査などで有利に働く場面があります
- 既存番号を引き継げる:後述する双方向番号ポータビリティの対象は0AB-J番号のみです。050番号は現時点で対象外のため、他社への引き継ぎができません
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クラウドPBXとは?従来のビジネスフォンとの決定的な違い
クラウドPBXとはIP電話の一種で、インターネット上に設置されたPBX(構内交換機)を利用して、スマートフォンやパソコンで通話を行うシステムです。従来は「主装置」と呼ばれる物理機器をオフィスに設置し、有線で電話機を繋ぐ必要がありました。
決定的な違いは、物理的な設置場所に縛られないという点です。従来のビジネスフォンでは、オフィスの机の上にある電話機でしか会社の番号を使えませんでした。クラウドPBXなら、社員のスマートフォンにアプリを入れるだけで、外出先でも自宅でも会社の代表番号で発着信できます。
この違いが料金にも直結します。主装置の購入費(数十万円)が不要になり、拠点を増やすときの工事も不要です。複数拠点間の内線通話も無料になるため、拠点が多いほどコスト削減効果は大きくなります。
2026年4月のNTT値上げでいくら増える?年間コストシミュレーション

2026年4月1日より、NTT東日本・NTT西日本のメタル回線を利用した「加入電話」「加入電話・ライトプラン」の基本料金が値上げされました。事務用は月額330円増、住宅用は月額220円増です(出典:NTT東日本 プレスリリース)。
月額数百円と聞くと小さく感じますが、回線数と年数を掛け合わせると無視できない金額になります。以下の表で、回線数別の年間コスト増をシミュレーションします。
| 回線数 | 事務用(月330円増) | 住宅用(月220円増) |
|---|---|---|
| 1回線 | 年間3,960円増 | 年間2,640円増 |
| 3回線 | 年間11,880円増 | 年間7,920円増 |
| 5回線 | 年間19,800円増 | 年間13,200円増 |
| 10回線 | 年間39,600円増 | 年間26,400円増 |
5回線を持つ事務所なら、年間19,800円の負担増です。仮に2035年のメタル回線廃止まで9年間使い続けると、値上げ分だけで178,200円になります。しかも今回の値上げが最後という保証はありません。
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なぜNTTは値上げしたのか?構造的な背景
背景にあるのは、固定電話の契約数減少です。総務省とNTTの統計によれば、固定電話の契約数は1997年の約6,322万件をピークに減少を続け、2025年6月には1,130万件まで落ち込んでいます。ピーク時の約18%です。
利用者が5分の1以下になっても、メタル回線という物理インフラの維持費は比例して減りません。電柱、銅線、局内設備の保守コストを、減り続ける利用者で負担する構造になっています。これが値上げの根本原因であり、今後も値上げが続く可能性が高いと考えるべき理由です。
なお、ひかり電話は今回の値上げ対象外です。光回線を使うサービスであり、メタル回線の維持コストとは無関係だからです。すでにひかり電話を使っている方は、この値上げの影響を受けません。
2035年のメタル回線廃止で固定電話はどうなる?
NTT東日本・NTT西日本は、メタル回線を用いた固定電話サービスを2035年頃までに段階的に終了し、光回線やモバイル回線へ移行する方針を正式に発表しました。2025年9月29日の発表です。
ここで多くの方が混乱するのが、「2024年に固定電話は廃止されたのでは?」という点です。2024年1月に完了したのは、NTT局内の交換機をIP対応ルーターに置き換える「IP網移行」であり、各家庭・各オフィスまで引かれている物理的なメタル回線(銅線を用いた従来のアナログ電話回線)はそのまま残っています。この物理回線が、2035年頃までに撤去・移行されるのです。
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2024年と2035年の違いを整理
以下の表で、2つの出来事の違いを比較します。
| 項目 | 2024年1月のIP網移行 | 2035年頃のメタル回線廃止 |
|---|---|---|
| 対象 | NTT局内の交換機 | 各家庭・オフィスまでの銅線 |
| 利用者の手続き | 不要 | 必要(代替サービスへ移行) |
| 電話機の交換 | 不要 | 原則不要(環境による) |
| 通話料への影響 | 全国一律料金に変更 | サービスにより変動 |
| 番号 | 変更なし | 変更なし(移行すれば継続利用可) |
すでに移行は始まっている
「2035年ならまだ先」と考えるのは危険です。2026年4月から、NTT西日本は一部地域で代替サービスへの先行移行を開始しています。段階的な移行のため、地域によっては数年以内に切り替えの案内が届く可能性があります。
移行の案内が届いてから慌てて業者を探すと、選択肢が限られ、条件の悪い契約を結ばされるリスクがあります。値上げが始まった2026年の今が、腰を据えて比較検討できる最後のタイミングと考えてよいでしょう。
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双方向番号ポータビリティとは?今の番号のまま乗り換える方法

2025年1月14日より「双方向番号ポータビリティ」の受付が開始され、NTT東西以外の事業者間でも0AB-J番号をそのまま引き継げるようになりました。これは番号を変えずにコスト削減したい事業者にとって、決定的に重要な制度変更です。
何がどう変わったのか
制度開始前は、番号の持ち運びが「NTT東西から他社へ」という一方通行に限られていました。一度他社へ移すと、そこからさらに別の事業者へ移すことも、NTT東西へ戻すこともできませんでした。
2025年1月14日以降は、事業者間を双方向に移行できるようになりました。以下の表で、制度前後の違いを比較します。
| 移行パターン | 2025年1月14日より前 | 現在 |
|---|---|---|
| NTT東西 → 他社 | 可能 | 可能 |
| 他社 → NTT東西 | 不可 | 可能 |
| 他社A → 他社B | 不可 | 可能 |
| 050番号の移行 | 不可 | 不可(対象外) |
実務上のインパクトは大きく、たとえば「A社のクラウドPBXを導入したが機能が合わなかった」という場合でも、番号を維持したままB社へ乗り換えられるようになりました。事業者選びの失敗が致命傷にならなくなったのです。
050番号は対象外である点に注意
重要な注意点として、双方向番号ポータビリティの対象は0AB-J番号のみで、050番号は現時点では対象外です。050番号を使っている場合、他社へ乗り換えると番号が変わります。
名刺・Webサイト・Googleビジネスプロフィール・請求書・契約書に050番号を記載している場合、乗り換え時にすべて変更が必要になります。これから番号を新規取得する法人は、この一点だけを理由にしても0AB-J番号を選ぶ価値があります。
番号を引き継ぐ手続きの流れ
番号ポータビリティを使う場合、手続きの主導権は乗り換え先の事業者にあります。実務の流れは次のとおりです。
- 乗り換え先のサービスを決定し、番号ポータビリティ対応か確認する:申込フォームや見積依頼時に「現在使用中の0AB-J番号を引き継ぎたい」と明示します。対応可否は事業者によって異なります
- 現在の契約情報を揃える:契約者名義、契約住所、電話番号、お客様番号(NTTの請求書に記載)を手元に用意します。名義が旧社名や個人名のままだと手続きが止まるため、事前に確認してください
- 乗り換え先に手続きを依頼する:多くの場合、乗り換え先の事業者が現在の契約先への手続きを代行します
- 開通工事・設定を行う:クラウドPBXの場合は物理工事が不要なケースが多く、アプリのインストールと設定で完了します
- 旧回線の解約を確認する:ポータビリティ完了後、旧回線が自動解約されるか、自分で解約手続きが必要かを必ず確認します。二重課金の最も多い原因がここです
特に2の名義確認は、実務で最も詰まりやすいポイントです。会社設立から年数が経っている場合、契約者が創業者個人のままだったり、旧社名のままだったりします。この場合、先に名義変更手続きが必要になり、1〜2ヶ月の遅延が生じることがあります。
クラウドPBX主要サービスの料金比較|特徴別に7社
クラウドPBXは提供各社で強みが明確に分かれています。「安さ」だけで選ぶより、「自社が必要とする機能が標準搭載か」で選ぶほうが総額は安くなります。オプション料金の積み上げで逆転するためです。
以下の表で、主要サービスの特徴と料金の考え方を比較します。
| サービス名 | 提供会社 | 主な強み | 料金の目安 |
|---|---|---|---|
| MOT/TEL(モッテル) | 株式会社バルテック | スマホ内線化に強み | 月額5,980円(20内線まで)のスタンダードプラン |
| ひかりクラウドPBX | NTT東日本/NTT西日本 | 既存のひかり電話番号をそのままスマホで利用可能 | 初期費用8,520円~、11,000円(10IDパックプラン)~(ひかり電話オフィスAの費用も必要) |
| トビラフォン Cloud | トビラシステムズ株式会社 | 迷惑電話フィルタ機能が標準搭載 | 月3,000円+通話料(0ABJ番号はオプション料金) |
| INNOVERA(イノベラ) | 株式会社プロディライト | 全通話自動録音機能が標準装備 | 工事費用5,500円、月額1,100円/チャンネル |
| BIZTEL ビジネスフォン | 株式会社リンク・ブライシス株式会社 | コールセンター向け機能、高品質インフラ | 初期費用50,000円・月額21,000円~ |
| テレワープ | 株式会社テレワープ | 既存回線に専用機器を繋ぐだけで導入可能 | 初期費用3,300円、月額2,222円~ |
| 03plus | 株式会社グラントン | 050番号・0AB-J番号をアプリで取得 | 初期費用5,000円、基本料金1,280円~ |
※料金は変動するため、必ず各社の公式サイトまたは見積もりで最新金額をご確認ください。
タイプ別・どのサービスを選ぶべきか
スペックの羅列では判断できないため、状況別の選び方を整理します。
少人数でコストを抑えたい(5〜20名規模)→ MOT/TEL(モッテル)
MOT/TELのスタンダードプランは月額5,980円で20内線まで利用できます。1ユーザー課金のサービスと比較してください。1ユーザー月額1,500円のサービスで10人使うと月額15,000円ですが、MOT/TELなら20人まで定額です。人数が増えるほど有利になる料金構造です。
今のひかり電話番号をそのまま使いたい → ひかりクラウドPBX
NTT東日本・NTT西日本が提供する「ひかりクラウドPBX」は、既存のひかり電話番号をそのままスマートフォンで利用できます。番号ポータビリティの手続きすら不要なケースがあり、移行リスクを最小化したい企業向けです。NTT提供という安心感を重視する経営層への説明もしやすいでしょう。
営業電話・迷惑電話に悩んでいる → トビラフォン Cloud
トビラシステムズ株式会社の「トビラフォン Cloud」は、迷惑電話フィルタ機能が標準搭載されています。少人数の事業所ほど、営業電話1本の対応コストは相対的に重くなります。電話対応の人的コストを削りたい場合、月額差以上のリターンがあります。
通話内容の記録が必須 → INNOVERA(イノベラ)
株式会社プロディライトの「INNOVERA」は、全通話自動録音機能が標準装備です。前述のとおり自動録音のオプション相場は月額2,000円〜3,500円程度なので、録音が必須要件なら標準装備のサービスを選ぶだけで月額数千円の差が出ます。金融・不動産・人材など、言った言わないのトラブルが業務リスクに直結する業種は必須要件と考えてよいでしょう。
コールセンター・インバウンド対応が中心 → BIZTEL ビジネスフォン
株式会社リンクの「BIZTEL ビジネスフォン」は、コールセンター向け機能と高品質なインフラに強みがあります。着信数が多く、オペレーターの稼働管理やモニタリングが必要な業務向けです。一般的な事務所の代表電話用途にはオーバースペックになりがちなので、着信件数が業務の中心かどうかで判断してください。
既存の電話機・電話環境を変えたくない → テレワープ
株式会社テレワープの「テレワープ」は、既存の固定電話回線に専用機器を繋ぐだけでスマホ内線化が可能です。電話機の入れ替えやアプリの全社展開に抵抗がある職場、ITリテラシーにばらつきがある職場で導入しやすい方式です。
▼テレワープの基本情報
個人事業主・小規模で番号だけ欲しい → 03plus
03plusは、アプリで0AB-J番号や050番号を取得できるサービスです。オフィスを持たない個人事業主や、開業直後で固定電話番号だけ確保したいケースに向いています。
▼03plusの基本情報
デジタル化・AI導入補助金でいくら安くなる?実質負担額シミュレーション

クラウドPBXの導入費用は、「デジタル化・AI導入補助金」を活用することで最大1/2〜3/4が補助されます(出典:デジタル化・AI導入補助金2026 )。この制度は2026年度にIT導入補助金から名称変更・制度改定されたもので、中小企業のDXやAIツール導入を支援する経済産業省の補助金制度です。
補助率別の実質負担額
以下の表で、導入費用別の実質負担額をシミュレーションします。
| 導入費用(総額) | 補助率1/2の場合の実質負担 | 補助率3/4の場合の実質負担 |
|---|---|---|
| 20万円 | 10万円 | 5万円 |
| 50万円 | 25万円 | 12.5万円 |
| 100万円 | 50万円 | 25万円 |
| 150万円 | 75万円 | 37.5万円 |
※補助率・補助上限額は申請枠や事業者の規模によって異なります。最新の要件は必ず公式ポータルサイトでご確認ください。
申請で失敗しないための3つの注意点
補助金は「申請すればもらえる」ものではありません。実務で押さえるべきポイントは次の3つです。
- 導入するサービスが「IT導入支援事業者」に登録されているか確認する:補助金の対象となるのは、事務局に登録されたITツールのみです。導入したいクラウドPBXが対象外だと、そもそも申請できません。問い合わせ時に「デジタル化・AI導入補助金の対象ツールですか」と直接確認してください
- 契約・発注は交付決定後に行う:交付決定前に契約や支払いを済ませてしまうと、補助対象外になります。これは補助金全般に共通する最も多い失敗パターンです。「先に契約して、後から申請」は通りません
- gBizIDプライムの取得に時間がかかる:申請には法人・個人事業主向けの共通認証システム「gBizIDプライム」のアカウントが必要です。取得には書類審査があり、時間を要します。導入を検討し始めた段階で先にアカウント申請を進めておくのが実務上の鉄則です
補助金の公募には締切があり、複数回に分けて実施されます。締切直前は申請が集中するため、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
クラウドPBXでスマホを内線化するメリットは?
スマホ内線化とは、社員のスマートフォンをオフィスの内線電話として使えるようにする仕組みです。クラウドPBXを導入すれば、専用アプリを入れるだけで実現できます。
コスト面だけでなく、業務のあり方そのものを変える効果があります。
- 会社の代表番号で外出先から発信できる:営業担当が個人のスマートフォンから客先へ折り返す際、相手の画面には会社の代表番号が表示されます。個人番号を教える必要がなく、担当者交代時のトラブルも防げます
- 拠点間・社員間の内線通話が無料:拠点が離れていても、海外にいても内線扱いです。複数拠点を運営する企業ほど、通話料削減額は大きくなります
- 電話の取り次ぎが不要になる:オフィスの固定電話に着信 → 担当者の携帯へ転送、という二重の通話料が発生しません。転送のたびに発生していた通話料がゼロになります
- テレワークでも会社番号で応対できる:自宅から会社の代表番号で発着信できるため、「電話番のために出社する」という状況を解消できます
- オフィス移転・拠点追加が容易:物理的な主装置がないため、移転時の電話工事が不要です。番号もそのまま引き継げます
導入前に知っておくべきデメリット
メリットだけを並べるのはフェアではありません。導入前に必ず確認すべき弱点もあります。
- インターネット回線の品質に通話品質が左右される:オフィスのWi-Fiが混雑していると、音声が途切れることがあります。導入前に、実際に使う場所で無料トライアルを実施し、通話品質を確認してください。特に会議室や倉庫など電波が弱い場所は要チェックです
- 停電・通信障害時に使えなくなる:メタル回線の固定電話は局給電で停電時も通話できましたが、クラウドPBXはインターネットと電源が前提です。BCP(事業継続計画)上、緊急連絡手段を別に用意する必要があります
- 緊急通報(110・119)の扱いを確認する:サービスによって緊急通報の可否や条件が異なります。契約前に必ず確認してください
- 個人スマホ利用時のルール整備が必要:私物端末を業務利用する場合、退職時のアカウント削除手順や通信費負担のルールを事前に決めておかないと、後でトラブルになります
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IP電話の通話料はなぜ安い?料金の仕組みを理解する

IP電話の通話料が安い理由は、音声をデジタルデータ化してインターネット経由で送るため、距離に応じた交換設備を経由する必要がないからです。従来の電話は距離に応じてコストが増える構造でしたが、IP電話にはその概念がありません。
以下の表で、サービス種別ごとの通話料を比較します。
| 宛先 | クラウドPBX | ひかり電話 | 加入電話 |
|---|---|---|---|
| 固定電話宛 | 約8円/3分 | 8.8円/3分 | 9.35円/3分 |
| 携帯電話宛 | 約16〜18円/1分 | 17.6円/1分 | 17.6円/1分 |
| 内線通話 | 無料 | 有料 | 有料 |
通話料の削減効果が最も大きいのは「内線化」
表を見ると、外線の通話料差はわずかです。固定電話宛で3分あたり1円強の差しかありません。月100回発信しても数百円の差です。
コスト削減の本命は内線通話の無料化にあります。たとえば、本社と支店の間で1日30分の通話がある企業を考えてください。加入電話で拠点間通話をすれば、月20営業日で600分。固定電話宛9.35円/3分なら月額1,870円です。クラウドPBXならこれがゼロになります。
さらに大きいのが、携帯電話への転送料金の消滅です。オフィスの固定電話に着信し、外出中の担当者の携帯へ転送するケースでは、転送分の通話料(携帯宛17.6円/1分)が会社負担になります。1日60分の転送があれば、月20営業日で1,200分=月額21,120円です。スマホ内線化すれば、この費用が丸ごと不要になります。
自社の削減額を試算するには、直近の請求明細で「携帯電話宛の通話料」と「転送料金」の項目を確認してください。ここが大きい企業ほど、クラウドPBX移行の効果が出ます。
自社に合うIP電話はどう選ぶ?判断軸5つ
サービス選びで迷ったら、次の5つの判断軸を順番に確認してください。この順序で絞り込むのが、失敗の少ない進め方です。
- 番号をどうするか(最優先):既存の0AB-J番号を引き継ぐなら、双方向番号ポータビリティ対応を必須条件にします。050番号を使っている場合は引き継げないため、番号変更の周知コストも見積もりに入れてください
- 利用人数と課金構造の相性:1ユーザー課金か、定額で複数内線かで総額が大きく変わります。現在の人数ではなく、2〜3年後の想定人数で試算してください
- 必須機能が標準搭載か:録音、IVR、迷惑電話対策など、必須要件をリストアップし、標準搭載のサービスを優先します。オプション追加は月額数千円単位で効いてきます
- 通話品質とサポート体制:無料トライアルで実際の環境の通話品質を確認します。障害時の連絡先と対応時間も契約前に確認してください
- 補助金の対象ツールか:デジタル化・AI導入補助金の対象なら、実質負担が半分以下になる可能性があります
規模・状況別の推奨パターン
以下の表で、事業規模別におすすめの選択肢を整理します。
| 状況 | 推奨する選択肢 | 理由 |
|---|---|---|
| 起業・開業直後(1〜3名) | 03plusなどのアプリ型 | 初期費用が低く、オフィスなしで0AB-J番号を取得できる |
| 小規模法人(5〜20名) | MOT/TEL | 20内線まで定額で、人数が増えても月額が変わらない |
| ひかり電話を利用中 | ひかりクラウドPBX | 既存番号をそのまま使え、移行リスクが最小 |
| 複数拠点運営 | クラウドPBX全般 | 拠点間の内線通話が無料になり、削減効果が大きい |
| 加入電話を継続中 | 早急にクラウドPBXへ移行 | 2026年値上げと2035年廃止の二重リスク |
| 着信対応が業務の中心 | BIZTEL | コールセンター機能とインフラ品質 |
IP電話への乗り換え手順は?5ステップで解説
乗り換えは、現状把握 → 要件定義 → 比較 → トライアル → 移行の5ステップで進めます。順番を飛ばすと、契約後に「機能が足りない」「思ったより高い」という事態になります。
ステップ1:現在の請求明細を確認する
NTTなどの請求書を3ヶ月分用意し、「基本料」「通話料(宛先別)」「オプション料」「転送料金」を項目ごとに書き出します。ここで携帯電話宛の通話料と転送料金が大きければ、削減余地が大きいと判断できます。回線数と契約者名義もこの時点で確認してください。
ステップ2:必要な機能を書き出す
「録音は必要か」「IVRで受付を自動化したいか」「同時に何本の通話が発生するか」を整理します。特に同時通話数(チャネル数)は見落としやすく、足りないと話し中になります。ピーク時の同時着信数を把握してください。
ステップ3:3社以上から見積もりを取る
初期費用・月額(人数分)・オプション・通話料を含めた初年度総額で比較します。見積もり依頼時には「現在の0AB-J番号を引き継ぎたい」「デジタル化・AI導入補助金の対象か」の2点を必ず質問に含めてください。
ステップ4:無料トライアルで通話品質を検証する
実際に業務で使う場所(オフィス、会議室、倉庫、自宅など)で通話品質を確認します。Wi-Fiとモバイル回線の両方で試すのが重要です。片方だけの検証では、導入後に問題が発覚します。
ステップ5:番号ポータビリティと並行して移行する
番号引き継ぎには時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組みます。旧回線の解約タイミングを間違えると番号を失うリスクがあるため、必ず新サービス側の担当者と手順を確認してから解約してください。
よくある質問(FAQ)
2024年に固定電話は廃止されたのではないですか?
いいえ、廃止されていません。2024年1月に完了したのは、NTT局内の交換機をIP網へ切り替える工事です。各家庭・オフィスまでの物理的なメタル回線は残っており、こちらの廃止は2035年頃までに行われます。
2035年になると固定電話は全く使えなくなりますか?
いいえ、使えます。廃止されるのはメタル回線という設備であり、光回線やモバイル回線を用いた代替サービスへ移行すれば、同じ電話番号を使い続けられます。移行手続きは必要ですが、番号が消えるわけではありません。
クラウドPBXにすると今の電話番号は変わりますか?
多くのケースで変わりません。2025年1月14日に開始された「双方向番号ポータビリティ」により、現在使用中の0AB-J番号をそのまま引き継げます。ただし事業者によって対応状況が異なるため、申込前に確認してください。
050番号も双方向番号ポータビリティで他社に引き継げますか?
いいえ、引き継げません。050番号は現時点で双方向番号ポータビリティの対象外です。050番号を使っている場合、他社へ乗り換えると番号が変わるため、名刺やWebサイトの変更コストも見込む必要があります。
NTTの固定電話は値上げされたのですか?
はい、2026年4月1日から値上げされました。メタル回線の加入電話・加入電話ライトプランの基本料が、事務用は月額330円、住宅用は月額220円上がっています。なお、ひかり電話は値上げの対象外です。
クラウドPBXの初期費用はいくらかかりますか?
初期費用の相場は0円〜数万円です。従来の加入電話が初期費用39,600円+契約料880円の合計40,480円かかることと比べると、大幅に安く導入できます。
クラウドPBXの導入に補助金は使えますか?
使えるケースがあります。「デジタル化・AI導入補助金」の対象ツールに登録されているクラウドPBXであれば、導入費用の最大1/2〜3/4が補助されます。契約前に交付決定を受ける必要があるため、申請スケジュールにご注意ください。
スマホ内線化すると個人の携帯番号は相手に知られますか?
知られません。クラウドPBXの専用アプリから発信すれば、相手の着信画面には会社の電話番号が表示されます。個人のスマートフォンを使っていても、個人番号が通知されることはありません。
まとめ:2026年のIP電話選びで押さえるべきポイント
IP電話の料金は、初期費用0円〜数万円、月額1ユーザー数千円〜が相場です。従来の加入電話(初期費用40,480円)と比べれば、導入時点で明確な差があります。
しかし2026年の今、より重要なのは料金の絶対額よりも「このまま加入電話を維持し続けるリスク」です。2026年4月の値上げ(事務用月330円増)は始まりに過ぎず、固定電話契約数が1997年のピーク6,322万件から2025年6月の1,130万件まで減少している以上、維持コストの利用者負担は今後も増える構造にあります。そして2035年頃には、メタル回線そのものが廃止されます。
一方で、追い風も揃っています。2025年1月14日開始の双方向番号ポータビリティにより、0AB-J番号を維持したまま自由に事業者を選べるようになりました。デジタル化・AI導入補助金を使えば、導入費用の最大3/4が補助されます。
今日からできる第一歩は、直近3ヶ月の電話料金請求書を手元に出し、「基本料」「携帯電話宛通話料」「転送料金」の3項目を確認することです。この3つの合計が月1万円を超えているなら、クラウドPBXへの移行で年間10万円以上の削減が視野に入ります。移行案内が届いてから慌てるのではなく、選択肢が豊富な今のうちに比較検討を進めてください。










