「スマホが固定電話として使えたら、便利で費用も節約できるのに…」と思っていませんか?
確かに、個人・法人を問わず置き型の電話機を利用するシーンが減っているのは周知の事実。
その反面、市外局番つきの電話番号を手放して後悔している方も少なくありません。
そこで今回は、スマホを固定電話の子機として持ち歩けるようになる新しい通信サービスについて解説します。
固定電話は今後も必要?
スマホが普及してからすでに10年以上が経過していますが、その一方で固定電話の必要性が疑問視されています。
自宅やオフィスに電話回線を引いてはいるが、「あまり使っていない…」「ほとんどスマホだけ」という方の多くは、固定電話の維持費をもったいないと思われているようです。
とはいえ、安易に固定電話を解約して市外局番付きの電話番号を手放すのはおすすめできません。
固定電話のニーズが低下しているのは事実ですが、残しておくメリットは未だに健在なのです。
▼固定電話番号の必要性
- 大規模停電や地震など、災害時でも繋がりやすい
- 公私ともに、携帯電話の番号を公開しなくて済む
- 年配の親類など、連絡先としてスマホが不適切な方もいる
- 社会的信頼性の証明になる
- 法人用の銀行口座を開設する際に有利
そこで新たに登場したが、加入電話よりも割安なうえスマホが固定電話の子機代わりになる「固定電話アプリ」です。
固定電話は家の中でしか使えないという時代は終わりを告げ、今では外出先からでもスマホを使って市外局番付きの電話番号で発信したり受信したりすることが可能になっています。
固定電話VSスマホ!メリット・デメリットを比較
ここでは、下記7項目について、固定電話とスマートフォンを比較してみました。
項目 | 固定電話 | スマートフォン |
---|---|---|
導入方法 | × 工事が必要 | ◎ 工事が不要で即日OK |
社会的信用 | ◎ 所在地が担保されている分、高い | × 所在地の確証がない分低い |
災害時 | ○ 電源さえ確保できれば繋がり易い | △ 回線が混み合っていると繋がりにくい |
利便性 | × 屋内でしか使えない | ◎ 場所を問わず使える |
固定費 | × 利用頻度に対して割高 | ◎ 全ての機能を踏まえると割安 |
通話料金 | × 距離が遠くなるほど高額になる | ◎ 無料のプランあり |
迷惑電話 | × 営業や詐欺などに狙われやすい | ◎ ターゲットになりにくい |
上記の結果から、スマホの方が固定電話よりメリットが多いのは一目瞭然。
言い換えれば、スマホで固定電話が操作できれば全ての問題は解決するのです。
携帯番号はビジネスに不適切?5つのリスクとは?
結論から言うと、固定電話の必要性は家庭用よりも法人の方が高いのが実情です。
その理由として下記の6点が挙げられます。
▼携帯番号をビジネス利用するリスク
- クライアントや取引先から信用され難い
- 携帯番号で法人口座が開設できる金融機関は、ほぼ無い
- 事業拡大につき後から固定電話を追加すると、登記変更が面倒
- 個人情報の漏えい
- 就業時間外の対応を余儀なくされる
- スタッフ間の通話が有料になる
起業時には固定電話を引かずスマホだけで対応していたものの、上記のような問題に直面した結果、後から固定電話番号を取得したという方も珍しくありません。
固定電話のデメリットを解決するサービスとは?
固定電話には下記のようなデメリットがありますが、その全てを解決してくれるのが「クラウドPBX」です。
▼固定電話のデメリット
- 初期工事が必須で、導入費の負担が大きい
- 留守番している子供や高齢者が、セールスや詐欺のリスクに晒される
- 受付やデスクなど、設置場所に配置する人件費がかかる
- 取り次ぎ、折り返し時にミスが起こりやすい
- 留守中に電話を取り逃がすと、ビジネスチャンスが低減する
- 転送電話の月額オプション料、通話料金の負担が大きい
クラウドPBXが登場した当初は、仕組みが複雑で素人向きとは言えないサービスもありました。
今では、ITが苦手な方でも扱いやすいよう操作方法がシンプル化され、ダウンロードするだけで使用できるようになった「固定電話アプリ」が主流になっています。
▼代表的な固定電話アプリ
- 03plus
- クラコール
- CITVPlus
- ナイセンクラウド
- GoodLine
固定電話アプリにできること
固定電話アプリとは、手持ちのスマホが置き型電話機の代わりになる新しい通話サービス、クラウドPBXの一種です。
導入すると具体的にどのようなことができるようになるのか、代表的な7つのメリットをピックアップしてみました。
▼固定電話アプリのメリット
- スマホだけで市外局番つきの電話番号が取得できる
- スマホで固定電話番号の発着信が可能
- スマートフォンは従来通り使える
- アプリをダウンロードするだけ
- 1つの番号を複数端末で共有できる
- 海外からでも割安で使える
- ビジネスフォン並みの機能
スマホだけで市外局番つきの電話番号が取得できる
最大のメリットは、何と言ってもスマホしか持っていない人でも市外局番つきの固定電話番号を新たに取得できる、という点でしょう。
メジャーな固定電話アプリなら番号ポータビリティーにも対応していますので、手持ちの電話番号を変更する必要もありません。
ただし、サービスの提供エリアは「首都圏特化型」から「全国網羅型」まで、アプリによって異なっています。
出勤スタイルからリモートワークに移行したように、変化する働き方に合わせて柔軟に対応するには全国シェアの固定電話アプリが最もおすすめです。
スマホで固定電話番号の発着信が可能
利便性が向上する最大の要因は、たとえ外出中でもスマホで固定電話番号の発着信ができるという点でしょう。
スマホを固定電話のコードレス子機として持ち歩く、と言った方がイメージしやすいかもしれません。
ダイレクトに受信できるので「取り次ぎのミスが減った!」「折り返す手間が省ける分、業務効率がアップした!」と利用者の評判も上々です。
こちらから発信すると相手のディスプレイに市外局番つきの電話番号が表示されるので、携帯番号のように「架空オフィスでは?」と不信がられる心配もありません。
1人暮らしの就活生にとっても、応募した企業からの連絡を逃すリスクが避けられるのは、大きな安心材料になります。
スマートフォンは従来通り使える
スマホで固定電話番号を扱えるようにした後も、携帯番号は従来通りに使用することができます。
固定電話が利用できる機能がスマホにプラスされるイメージです。
本来のスマホ機能を保ちつつ固定電話番号での通話が可能になるので、2台持ちの煩わしさから解放されるのも魅力の1つ。
手作業で切り替え設定をしなくても、自動で携帯番号と固定電話番号が1台のスマホで使い分けられるようになっています。
もちろん、呼び出し音の使い分けも可能です。
アプリをダウンロードするだけ
始め方はとても簡単で、サービスを提供している企業が開発したアプリをダウンロードして簡単な設定を済ませるだけ。
特別な付属品を購入する必要はありませんので、お使いのスマホがあれば手軽に導入・利用できるのはもちろん、不要なコストもかかりません。
しかも、サービスによっては申し込み手続きが最短10分で完了するため、その日から使用できるようになります。
面倒な工事、および複雑な設定などは一切ありません。
1つの番号を複数端末で共有できる
5つ目のメリットは、1つの電話番号を複数かつ多種多用なデバイスで共有できるという点です。
スマホはもちろん置き型電話機・タブレット・PC、サービスによってはFAXや複合機と連動させることもできます。
▼固定電話アプリの導入例
- 大規模コールセンター:複数の端末で、一斉に呼び鈴を鳴らす
- テレワーク:当番日ごとに、各スタッフが自宅で会社の代表電話を受信する
さらに、Zoomやスカイプのように「1対多数」での通話も可能になりますので、クライアントとの打ち合わせやグループミーティング、社内会議など複数人での会話が必要な際に便利です。
ちなみに、後述しますが登録済みの端末同士で通話する際は、無料の内線扱いになります。
海外からでも割安で使える
固定電話アプリでは端末同士の通話が内線として扱われるため、通話料金が発生しません。
しかも、一部のアプリに限っては国内に限らず「海外」も無料内線の対象に含まれています。
一例として、「03plus」の通話料金について見てみましょう。
▼「03plus」の通話料金
- 登録済みの端末同士(国内から国内へ発信):無料
- 登録済みの端末同士(海外から国内へ発信):無料
- 登録済みの端末から第三者への発信(国内から国内へ発信):ひかり電話の国内料金と同じ
- 登録済みの端末から第三者への発信(海外から国内へ発信):ひかり電話の国内料金と同じ
「個人輸入業者」や「海外に支社を構えている企業」の多くが、固定電話アプリを導入した目的として国際電話の費用削減を挙げています。
ビジネスフォン並みの機能
なぜ固定電話アプリは個人宅だけでなく法人でもシェアを伸ばしているのか、その理由は「ビジネスフォン並みの機能」を備えているからです。
▼固定電話アプリで使える機能の一例
- 転送ミスを防ぐ「パーク保留」
- 営業時間や休日を告知する「時間外アナウンス」
- データによる「FAXの送受信」
- 在宅勤務に最適な「労務管理システム」
これだけの機能が利用できるのですから、フリーランスや個人事業主はもちろん大規模コールセンターで固定電話アプリが導入されているのも当然かもしれません。
転送サービスとの違い
外出先でも対応できるという共通点から、「固定電話アプリ」と「転送サービス」を混同されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、下記の通り両者には明確な違いがあるのです。
▼「固定電話アプリ」と「転送サービス」の違い
- 転送料金が発生しない
- 固定電話番号で折り返せる
- 機能のオンオフ設定が不要
- 複数端末に転送できる
転送料金が発生しない
決定的な違いは、「固定電話で受信してから切れるまでの通話料金」です。
転送サービスの場合は、たとえセールスや間違い電話であっても通話料金が発生し、加入者が支払い義務を負います。
一方、固定電話アプリには「転送」という概念がありません。
たとえ第三者からの受信でもあくまで「無料の内線」扱いとなるため、加入者が支払うべき通話料金は発生しないのです。
ちなみに、NTT東西が提供しているボイスワープのような転送サービスは月額オプション料金が発生しますが、固定電話アプリは基本機能に含まれているので固定費も発生しません。
固定電話番号で折り返せる
転送サービスの利用者が外出先から折り返し電話をする際、相手のディスプレイに通知されるのはスマホの電話番号です。
一方、固定電話アプリの場合は、たとえスマホからでも固定電話番号を使って折り返すことができるので、社会的信用を疑われるリスクがありません。
機能のオンオフ設定が不要
転送サービスでは、転送機能のオンオフ設定を手動で切り替える必要があります。
一日中社内にいて仕事をされている方は切り替えの必要はあまりないのですが、営業職の方などは外出の度に切り替える手間があり、「うっかり忘れて大事な電話に出られなかった!」という失敗談も珍しくありません。
固定電話アプリには切り替え作業がありませんので、いつでもかかってきた電話に対応することができます。
複数端末に転送できる
転送サービスの場合は、1つの携帯電話にしか転送できません。
その点、固定電話アプリなら、たとえスタッフが異なる場所に居ようとかかってきた電話を複数のスマホで同時に受電することが可能です。
おすすめのサービスを紹介!
長らく「固定電話=屋内限定」という方程式が常識となっていましたが、通信サービスは多様化の時代を迎えています。
その背景に存在しているのが、「固定電話が持ち歩けたら便利なのに…」「スマホに同等の機能を搭載させたい!」というユーザーニーズです。
スマホを使って固定電話番号を利用できるサービスを紹介しますので、サービスの比較・検討にぜひお役立てください。