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災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法8選!

災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法を、いくつご存じですか?

何の前触れなく発生する災害時、スマホは自分と家族を守ってくれる切り札になる存在です。

しかし、肝心の充電が切れてしまっては救助を要請することも家族の安否を確認することもままなりません。

そこで今回は、災害時にスマホの充電を節約しつつ長持ちさせる方法についてまとめました。

停電時に携帯端末の電源が足りなかった人は32.3%

Panasonicは、2021年に1,000名を対象にした「防災意識調査」を実施しました。

同調査によると、停電時にスマホなどの携帯端末の電源が足りなかったと回答した人は、全体の32.3%にものぼっています。

出典:Panasonic 防災意識を調査! 災害停電経験者から災害時の備えのヒントを学ぶ ―もしもの備え白書―

スマホやタブレットといったモバイル端末は、災害に伴う停電時においてまさに命綱とも言える存在です。

現状把握のための「情報収集」はもちろん「救援要請」や「安否確認」などにも役立つスマホは、自身だけでなく大切な家族や友人の安全を守る切り札になります。

たしかにモバイルバッテリーを常備していれば一時しのぎにはなりますが、ある日突然発生する地震やゲリラ豪雨によって停電した際に手元になければ意味がありません。

だからこそ、災害時に1台で何役もこなすスマホが充電切れにならないよう、バッテリーを長持ちさせるノウハウを習得しておくべきなのです。

ちなみに、台風や地震といった災害時のスマホ活用術については以下の記事で詳しく解説しておりますので、あわせて参考にしてください。

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停電時に準備・所持しておけばよかったと後悔したもの

過去の事例から学びを得ることも、有効な災害対策です。

そこで、同調査の「長時間の停電時に準備・所持しておけばよかったと後悔したものは?」という質問に対する回答をご覧ください。

出典:Panasonic 防災意識を調査! 災害停電経験者から災害時の備えのヒントを学ぶ ―もしもの備え白書―

こちらの調査は停電を経験したことのある1,000人を対象に実施され、備えていなくて後悔したモノ第1位は19.7%のモバイルバッテリーという結果でした。

  • 第1位:モバイルバッテリー(19.7%)
  • 第2位:発電グッズ(17.0%)
  • 第3位:生活用水(12.8%)

上記の結果から、いかにスマホが停電時のマストアイテムなのかが分かります。

災害時にスマホの充電を長持ちさせる(節約する)方法8選!

この章では、災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法として、以下8つのノウハウをご紹介します。

  • 省エネモードに設定する
  • 液晶画面をできるだけ暗くする設定にする
  • 画面ロックの時間を最短にする
  • 通知をオフにする
  • 位置情報サービスをオフにする
  • 圏外では機内モードにする
  • スマホを使わない時は電波送受信の設定をオフにする
  • スマホを冷やしすぎ・温めすぎない

では早速、上記8つのノウハウについて個別に解説していきます。

①省エネモードに設定する

災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法として、最も基本となるのが省エネモードへの設定変更です。

通常モードから省エネモードへ切り替えることでCPUへの負荷が軽減されるため、バッテリーの消費量を抑えられます。

ただし、Androidの場合は機種によって省エネモードの呼称が異なっているため、以下を参考にお手持ちのスマホで試してみましょう。

  • Android:「省エネモード」「標準省電力モード」「バッテリーセーバー」など
  • iPhone:「低電力モード」

②液晶画面をできるだけ暗くする設定にする

液晶画面の明度をできるだけ暗くするのも、災害時にスマホの充電を長持ちさせる代表的な方法です。

ほとんどのスマホは、以下の手順で液晶画面の明度を変更できます。

  1. 「設定」をタップ
  2. 「画面の明るさ」をタップ
  3. スライドバーを「暗」方向へ下げる

スマホの明度を最低の明るさにし、なおかつ暗い場所で使用することでバッテリーの保ちが大幅に延びます。

③画面ロックの時間を最短にする

災害時にスマホの充電を長持ちさせるには、もっとも電力を消費する「液晶画面の表示頻度」を、いかに減らせるかにかかっています。

そこでおすすめしたいのが、「画面ロック」の設定時間を最短にする方法です。

「画面ロック」の点灯時間を最短にしておけば、画面が自動的かつ素早く暗くなる分、スマホの充電が長持ちします。

④通知をオフにする

アプリの通知がオンの状態だと、通知が届く度に液晶画面が点灯するため、その分バッテリーが消耗してしまいます。

以下のように災害時の必須アプリだけを残し、不要なアプリの通知はすべてオフ設定にしておきましょう。

  • 地域の災害用アプリ
  • X(旧Twitter)やLINEなど、安否情報などが流れてくるSNS

⑤位置情報サービスをオフにする

位置情報サービスも、スマホの充電をムダに消費する要因です。

家族全員の安否確認が取れるまではオンに、確認が取れた後はオフに切り替えておきましょう。

⑥圏外になったら機内モードにする

圏外になったら機内モードにするのも、災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法として有効な手段です。

停電を伴う災害時には、携帯電話サービス自体が停止されてしまうケースも少なくありません。

携帯電話サービスが停止して「圏外」になると、スマホは最大出力で電波を探す仕組みになっているため、バッテリーが大幅に消費されてしまうのです。

⑦スマホを使わない時は電波送受信の設定をオフにする

スマホを使わない時は、不要な電波を送受信する設定をオフにしておくのが鉄則です。

たとえば、以下のような不要な電波設定をオフにしておくことで、スマホのバッテリー消費を防げます。

  • 停電時に拾えない「有料Wi-Fi」をオフにする
  • 接続していない状態でも電力を消費する「Bluetooth」をオフにする
  • 家族全員の安否確認が取れた後は、「GPS(位置情報)」をオフにする
  • 長時間停電で携帯基地局がダウンしている場合は、機内モードにして「携帯電波」をオフにする

とくにWi-FiやBluetoothは、たとえ接続していない状態でも電波を発する仕組みになっているため、気づかない内にスマホの充電が消費されないよう、使用しない時は設定をオフにしておいた方がよいでしょう。

⑧スマホを冷やしすぎ・温めすぎない

スマホを冷やしすぎたり温めすぎたりしないように工夫するのも、災害時にスマホの充電を長持ちさせる方法です。

ほとんどのスマホに使われているリチウムイオン電池は20℃前後が適温と言われており、0℃~35℃の範囲を超える環境下ではバッテリーの保ちが悪くなる傾向があります。

事実、スマホが冷えすぎると自動的に以下のような保護プログラムが始動するする仕組みになっているほどです。

  • 5℃以下の低温環境:電池が劣化しないよう、自動的に電池を保護するために電力の供給が小さくなる
  • 0℃程度の低温環境:電池容量そのものが小さくなる

とくに冬の災害時にはスマホが冷えすぎて充電の消費スピードが加速する可能性が高いため、衣類のポケットに入れておく、あるいは人肌で温めるなどの工夫が必要です。

ただし、冷えたスマホを急激に温めると結露の影響でショートして故障するリスクがあるため、ゆっくりと適温に戻しましょう。

一方、夏場の災害時には直射日光を避けて日陰で管理するのが、スマホの温度上昇を抑えるコツです。

災害時のリスク管理!スマホ充電に関する備え

最後に、災害時のリスク管理としてスマホの充電に関する備えについてご紹介します。

  • スマホのバッテリー交換は2~3年に1度
  • モバイルバッテリーを常備する
  • モバイルバッテリーの充電は週1回のペースで行う

では早速、順番に見てきましょう。

スマホのバッテリー交換は2~3年に1度

スマホのバッテリーは、2~3年に1度のペースで交換するのが理想的と言われています。

なぜなら、ほとんどのスマホは経年劣化によって充電量が減少していく「リチウムイオン電池」をバッテリーとして採用しているからです。

ただし、充電の仕方や使用する環境によってはリチウムイオン電池の劣化速度が早まるケースもあるため、スマホのバッテリーが長持ちしなくなってきたのであれば、たとえ1年ほどしか経っていなくても交換を検討した方がよいでしょう。

モバイルバッテリーを常備する

日頃から、モバイルバッテリーを予備電源として常備しておくのも、災害時のリスク管理としておすすめです。

モバイルバッテリーの容量は多いに超したことはありませんが、少なくともスマホを2、3回ほどフル充電できるタイプを常備しておきましょう。

モバイルバッテリーの充電は週1回のペースで行う

スマホ本体と同じく、ほとんどのモバイルバッテリーには「自然放電」するリチウムイオン電池が使われています。

自然放電の影響を踏まえると、モバイルバッテリーの充電は週1回のペースで行うのが理想的です。

自家用車をお持ちの方は、スマホをはじめとするUSB機器を車内で充電できる「シガープラグ」を装備しておくと良いでしょう。

まとめ

災害時にスマホを取り扱う時は、動画やゲームといった充電の消費量が大きい娯楽アプリは使わないようにし、そのうえで充電を長持ちさせる方法を試してください。

スマホの充電をもっとも消費するのは、なんと言っても液晶画面の表示です。

いかに液晶画面を点灯させる頻度を減らせるかが、勝負の分かれ道と言っても過言ではありません。

スマホを使用する時間を短縮し、さらに液晶を暗くすることでスマホの充電は劇的に長持ちするのです。

突然の災害時に備えて、あらかじめスマホの充電を節約する方法を把握しておきましょう。