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固定電話の番号ポータビリティを徹底解説!できる・できないの具体例を紹介
携帯電話と同じく、固定電話番号も番号ポータビリティを行うことが可能です。
この記事では、固定電話番号の番号ポータビリティとはどのようなサービスなのかを踏まえたうえで、「できるケース」と「できないケース」の具体例をご紹介していきます。
料金の目安や手続きの手順についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
固定電話番号の番号ポータビリティ(LNP)とは?
固定電話番号の番号ポータビリティ(LNP:Local Number Portability)とは、現在使用中の固定電話番号を別の電話会社に変更した後も使い続けられるようにするためのサービスです。
法人やフリーランスの場合、仕事用の固定電話番号を変更することで以下のようにさまざまな情報を書き換えなければなりません。
- 名刺
- 社用封筒
- 請求書・領収書・見積書・納品書など
- ホームページ
- メールフォーム
その点、番号ポータビリティを行えば現状の固定電話番号をそのまま使用できるため、煩雑な手間をまるごと省くことができます。
ちなみに、以下はすべて番号ポータビリティの別名です。
- ナンバーポータビリティ
- 同番移行
- 番号持ち運び制度
LNPとMNPの違い
LNPとMNPはサービスの性質が似ていることから混同されがちですが、以下のように明確な違いがあります。
- LNP(Local Number Portability):固定電話番号を変えずに、固定電話キャリアを変更する場合の手続き
- MNP(Mobile Number Portability):携帯番号を変えずに、携帯キャリアを変更する場合の手続き
番号ポータビリティできる固定電話番号の条件
東京03や大阪06といった市外局番から始まる固定電話番号は、大きく以下の3種類に分けられます。
- NTT東西の加入電話、またはISDN電話として取得した固定電話番号
- NTTのひかり電話、または光コラボのひかり電話として取得した固定電話番号
- NTT以外の通信キャリアで取得した固定電話番号
上記の内、番号ポータビリティが可能な固定電話番号は、1番に該当する以下の2種類のみです。
- NTT東日本・西日本の「加入電話」として取得した固定電話番号→番号ポータビリティOK
- NTT東日本・西日本の「ISDN電話」として取得した固定電話番号→番号ポータビリティOK
2番のNTTまたは光コラボの「ひかり電話」として取得した固定電話番号は、「ひかり電話以外のサービス」および「別キャリアへの移行」はできないものの、以下は可能です。
- NTTから光コラボへ転用→番号ポータビリティOK
- 光コラボ事業者間の乗り換え→番号ポータビリティOK
一方、3番のNTT以外で取得した固定電話番号は、そもそも別キャリアへ移行すること自体ができません。
また、大前提として市外局番が変わるエリアにオフィスを移転する場合は、番号ポータビリティの対象外となります。
番号ポータビリティができるケース5選
以下に該当する場合は番号ポータビリティが可能なため、通信キャリアを乗り換えた後も現状の固定電話番号を保持できます。
- NTT東西の加入電話 → NTTひかり電話
- NTT東西の加入電話 → KDDIのauひかり電話
- NTT東西の加入電話 → Softbankのおとくライン
- NTTのひかり電話 → 光コラボひかり電話
- 光コラボひかり電話A社 → 光コラボひかり電話B社
ちなみに、2019年7月1日以降は「アナログ戻し」をせずに光コラボの乗り換えが可能になりました。
アナログ戻しについては次の章で詳しく解説します。
「アナログ戻し」とは?
アナログ戻しとは、ひかり電話へ移行した後にもう一度NTTのアナログ回線として契約を戻す手続きを指します。
一般加入電話の復活・再開が可能ではあるものの、アナログ戻しには以下の注意点があることも把握しておきましょう。
- NTT東日本・西日本にて2,000円~10,000円の工事費が発生する
- NTTの収容局が異なるエリアに引っ越しする場合は、番号が変更になる
番号ポータビリティができないケース
一方、以下に該当する場合は番号ポータビリティが認められていないため、通信キャリアを乗り換えると現状の固定電話番号は使えなくなります。
- NTTのひかり電話 → KDDIのauひかり電話
- NTTのひかり電話 → Softbankのおとくライン
- KDDIのauひかり電話 → NTTのひかり電話
- KDDIのauひかり電話 → Softbankのおとくライン
- Softbankのおとくライン → NTTのひかり電話
- Softbankのおとくライン → KDDIのauひかり電話
- 050から始まるIP電話番号 → 従来の固定電話や光電話
近年では、050から始まるIP電話を導入している企業が増えていますが、従来の固定電話や光電話への番号ポータビリティは認められていません。
むしろ長い目で見ると、市外局番つきの固定電話番号が取得でき、なおかつ番号ポータビリティにもフレキシブルに対応しているクラウドPBXがおすすめです。
番号ポータビリティの料金
番号ポータビリティの料金は、乗り換え先の通信キャリアによって定められています。
以下は番号ポータビリティ料金の一例です。
- 他社の光電話 → NTTのアナログ電話(アナログ戻し):2,000~10,000円
- NTT東西の加入電話 → KDDIのauひかり電話:2,200円
- NTT東西の加入電話 → Softbankのおとくライン(アナログ):7,600円
ただし、番号ポータビリティの料金は工事が必要な範囲によって影響を受けるため、あらかじめ乗り換え先の通信キャリアにて確認が必要です。
また、NTTから別の通信キャリアへ乗り換える際に番号ポータビリティを行う場合、NTTの電話回線は利用休止という扱いになるため、以下の注意点について把握しておきましょう。
- 利用休止の手続きは、移行先の通信キャリアが行う
- NTTから回線休止工事費として、1番号あたり2,000円が請求される
- 工事完了前に移行元で電話番号を解約すると、番号ポータビリティが行えない
- 別キャリアに乗り換え後は、電話番号に紐付いていた関連サービスが基本的に自動解約される
番号ポータビリティを行う方法
この章では、番号ポータビリティを行う方法について、以下の4項目に分けて解説していきます。
- 手続きに必要な情報
- 番号ポータビリティの手順
- 各キャリアの問い合わせ先
では、順番に見ていきましょう。
手続きに必要な情報
番号ポータビリティの手続きには、あらかじめ以下の情報をそろえておきましょう。
- 固定電話番号
- 契約者の名義
- 設置場所の住所
- 現在の通信会社
- 現在および乗り換え後に希望する回線の種類
- 使用中の通信サービス
- 契約状況(子番号の有無など)
番号ポータビリティの手順
番号ポータビリティの手順は通信キャリアによって多少の違いはあるものの、以下の4ステップが基本となっています。
- 乗り換え先の通信キャリアに申し込む
- 番号ポータビリティの「可否通知」が書面で届く(申し込みから2~3営業日程度)
- 番号ポータビリティが可能な場合、「実施日時」を決定する
- 通信事業者の切り替え工事を行う(可否連絡から6~10営業日程度)
各キャリアの問い合わせ先
番号ポータビリティの申し込み先は元の通信キャリアではなく、乗り換え先の通信キャリアです。
以下を参考に、乗り換え先の通信キャリアへ問い合わせてみましょう。
- NTT加入電話:https://web116.jp/shop/annai/sin/sinki_00.html
- NTTひかり電話(東日本):https://flets.com/hikaridenwa/
- NTTひかり電話(西日本):https://flets-w.com/opt/hikaridenwa/
- KDDI auひかり電話:https://www.kddi.com/phone/au-hikariphone/
- Softbankおとくライン:https://www.softbank.jp/biz/voice/otoku/
まとめ
この記事では、固定電話の番号ポータビリティについて解説してきました。
番号ポータビリティは、通信キャリアを乗り換えた後でも「現状の固定電話番号」を使い続けることができる便利なサービスです。
とくに法人が固定電話番号を変更すると、取引き先への衆知をはじめさまざまな印刷物の差し替えなど、煩雑な対処を迫られます。
番号ポータビリティを行う際は、ぜひ本記事でご紹介した情報をお役立てください。