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フリーランス新法と下請法の違いは3つ!発注者の対策も解説
2024年11月1日にフリーランス新法が施行されましたが、従来の下請法との違いを理解していないと思わぬトラブルに発展しかねません。
なぜなら、これまで下請法の規制対象に含まれていなかった企業が、フリーランス新法の規制対象に含まれているからです。
そこで今回は、フリーランス新法と下請法の違いについてまとめてみました。
発注者側が講じておくべきフリーランス新法の対策についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
フリーランス新法とは?
通称フリーランス新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)とは、個人事業主が「適正な取引条件および就業環境」で働けるよう保護するために、2024年11月1日付けで施行された法律です。
フリーランス保護新法とも呼ばれており、取引内容を書面またはメールやPDFなどの電磁的方法で明示するよう、法的に定められています。
取引内容の明示義務が課せられているのは特定業務委託事業者、つまり規制対象である依頼主側で、違反すると以下のような罰則が科せられるため注意が必要です。
- 公正取引委員会・中小企業庁長官・厚生労働大臣などによる助言・指導・勧告
- 勧告に従わない場合は、命令・企業名の公表
- 命令に従わない場合は、50万円以下の罰金が科される可能性がある
フリーランス新法については以下の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせてご一読ください。
下請法とは?
一方、下請法(正式名称:下請代金支払遅延等防止法)とは、個人事業主や中小企業といった下請事業者が不利益を被らないように保護するために、1956年に制定された法律です。
主に以下のような不利益を防止する目的で施行されています。
- 代金の支払遅延
- 代金の減額
- 返品
なお、下請事業者とは個人で仕事を請け負っているフリーランスだけでなく、中小企業も含まれています。
フリーランス新法と下請法の3つの違い
フリーランス新法と下請法は混同されがちですが、以下3つの明確な違いがあります。
- 保護対象者(目的)の違い
- 規制対象の違い
- 就業環境の整備に関する規定の有無
ここからは、上記3つの違いについて個別に解説していきます。
保護対象者(目的)の違い
フリーランス新法と下請法の最大の違いは、保護対象者の範囲が異なる点です。
1956年に制定された下請法は、「発注元よりも立場が弱い下請業者」を保護する目的で施行されていました。
これに対し、フリーランス新法は従来の下請業者の中でもっとも法的な立場が弱い「個人」を、集中的に保護することが目的です。
- フリーランス新法:従業員を雇用していない個人事業主 (フリーランス)
- 下請法:資本金1,000万円以下の下請事業者
規制対象の違い
フリーランス新法と下請法の2つ目の違いは、規制対象が異なる点です。
- フリーランス新法:フリーランスに発注する、従業員を雇用しているすべての事業者
- 下請法:資本金1,000万円以上かつ、従業員を雇用している事業者
フリーランス新法では資本金の程度を問わず、フリーランスに業務を委託するすべての事業者が規制の対象です。
つまり、これまで下請法では規制対象に含まれていなかった資本金1,000万円以下の企業にも適用されるため、事前の対策が必要となります。
就業環境の整備に関する規定の有無
フリーランス新法と下請法の3つ目の違いは、就業環境の整備に係る規定の有無です。
以下の通り、フリーランス新法には下請法にはなかった就業環境の整備に関する規定が追加されています。
- 募集条件の明示
- 中途解除などの事前予告、および理由開示
- 育児と業務の両立に対する配慮
- 介護と業務の両立に対する配慮
- ハラスメント対策に関する体制の整備
企業(発注者)側の「フリーランス新法」対策7選!
この章では、発注者側が講じるべきフリーランス新法の対策について解説していきます。
主な対策は、以下の7つです。
- 書類などによる契約条件の明示
- 報酬の⽀払期⽇設定と期⽇内の⽀払い
- 7つの禁止事項を守る
- 募集情報を正確に表示する
- 中途解除などの事前予告と理由開示
- 育児や介護などと業務の両立に対する配慮
- ハラスメント対策に関する体制整備
書類などによる契約条件の明示
フリーランス新法では特定業務委託事業者、つまり規制対象である発注事業者に対し、契約条件および取引内容を書類またはメールやPDFなどの電磁的方法で明示するよう、義務付けられています。
明示すべき具体的な項目は、以下の通りです。
- 発注事業者名
- フリーランスの名称
- 業務委託日
- 業務内容
- 給与の受領や役務提供を受ける日、および方法
- 検査完了日
- 報酬額
- 支払期日
- 報酬の支払い方法に関する必要事項(現金・振り込みなど)
つまり、どのような条件で仕事を発注したのかを「証拠」として残しておかなければならないのです。
報酬の⽀払期⽇設定と期⽇内の⽀払い
発注事業者は、フリーランスに対する報酬の支払期日を「成果物受領または役務提供後60日以内」に設定しなければなりません。
さらに末締め翌月20日払いなど、できる限り短い期間で設定するよう求められています。
ちなみに、支払期日が明示されていない場合は「成果物受領日」が、60日を超える期日が設定されている場合は「60日目」が、自動的に支払期日とみなされるため注意が必要です。
7つの禁止事項を守る
フリーランス新法では、発注事業者に対して以下7つの禁止事項を設けています。
- 受領拒否
- 報酬の減額
- 物品・成果物の返品
- 低すぎる報酬設定
- 物品購入やサービス利用の強制
- 不当な利益提供を要請する
- 不当な給与内容の変更およびやり直し
発注事業者が上記の禁止事項に違反した場合は、フリーランスの利益を不当に害したとみなされて、50万円以下の罰金や企業名の公表といった罰則の対象となります。
募集情報を正確に表示する
募集情報を正確に表示するのも、発注者側が講じるべきフリーランス新法の対策です。
とくに、求人サイトやクラウドソーシングといった「不特定多数が閲覧できる媒体」を活用してフリーランサーを募集する際は、条件や業務内容などを正確に表示しなければなりません。
以下は、代表的なNG例です。
- 虚偽の情報
- あいまいな表現
- 誤解を招くような表現や誇張
中途解除などの事前予告と理由開示
発注事業者は、6か月以上の業務を委託しているフリーランスに対し、正当な理由もなしに中途解除したり契約更新を停止したりすることはできません。
事前の予告が必須なのはもちろん、予告した日~契約満了までにフリーランスから理由の開示を請求された場合は、正当な事由があることを速やかに開示するよう、義務付けられています。
▼契約を途中解除・契約更新停止する際のルール
- 予告のタイミング:原則30日前まで
- 理由の開示方法:書面、FAX、電子メールなど
育児や介護などと業務の両立に対する配慮
育児や介護などと業務が両立しやすいように配慮するのも、発注事業者が講じるべきフリーランス新法の代表的な対策です。
ルール上は6か月以上にわたって継続的な業務委託契約を結んでいるフリーランスが対象ではあるものの、たとえ短期または単発の契約を結んでいる場合であっても、一定の配慮が求められます。
以下は、具体的な配慮の例です。
- 妊婦健診がある日は就業時間を短縮したり、打ち合わせの時間を調整したりする
- 産後は子育てに支障が出ないよう、リモートワークをメインにする
- 日中に介護や通院の付き添いをする日は、フレックス制を適用する
ハラスメント対策に関する体制整備
フリーランス新法では、発注事業者に対してハラスメント対策に関する体制を整備するよう、義務付けています。
以下は、ハラスメント対策に関する体制整備の一例です。
- 自社の従業員を対象に、ハラスメントを防止するための研修を行う
- 社外にハラスメントに関する相談窓口を設ける
- 外部の機関に相談・対応業務を委託する
実際にハラスメントが発生した際に、事実関係を迅速かつ正確に把握できるよう、あらかじめ上記のような対策を講じておきましょう。
03plusの全通話録音で徹底対策!
フリーランス新法で取引内容を記録する方法として基本となるのは「書面」または「電磁的方法」ですが、加えて「通話録音」も有効です。
なぜなら、取引内容の概要はあらかじめ契約書などに明示するのが前提ではあるものの、細かいやり取りは電話で行うケースが多いからです。
たとえば、市街局番付きの固定電話番号がスマホのみで取得できる「03plus」なら、全通話録音機能が備わっているため、口約束ではなく「証拠」として記録しておくことができます。
03plusの全通話録音機能には以下のような強みがあり、フリーランス新法の対策として大いに役立ちます。
- 録音機器やスマホのストレージがなくても、すべての通話が自動で録音される
- データ容量や通話の長さに制限がない
- 録音データは30日間クラウドサーバ上に保管される
- 録音データは通話終了から約15分後に、管理ページに反映される
- データのダウンロードや不要データの一括削除ができる
03plusの特徴については以下の記事にて詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では、フリーランス新法と下請法との違いについて解説してきました。
フリーランス新法は、保護対象である個人事業主の視点で語られることが多いですが、実際に対策をメインで講じるべきは発注者側です。
発注事業者は、業務を依頼したフリーランサーと取引内容について常に共通認識が保てるよう、対策を講じておかなければなりません。
とくに電話での細かいやり取りは記録し難いため、後々トラブルに発展しないよう、すべての通話を録音しておくことをおすすめします。