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固定電話の解約・利用休止・一時中断の違い|3大キャリアの手続き方法

固定電話の解約方法とリスクについて!再開する賢い方法とは?

「ほとんど使わなくなった固定電話を見直して、毎月の通信費を減らしたい」と感じている方は少なくありません。

しかし、いざ解約を検討し始めると、「どんな手続きが必要?」「本当にやめても大丈夫?」と不安が出てくるのも当然です。

NTTの固定電話サービスには、完全に契約を終了する“解約”のほか、一時的に番号を保管しておける“利用休止”や“中断”といった制度があり、目的にあわせて選べる仕組みになっています。

本記事では、固定電話の「解約・利用休止・一時中断」の違いと、それぞれを選ぶ際の判断基準をわかりやすく整理しました。

さらに後半では、SoftBankやKDDIの固定回線を手放す場合の手続き方法や、市外局番付きの番号を残しつつ固定費を抑えるための選択肢についても紹介します。

住宅用・会社の固定電話を解約するメリット

以下は、固定電話を解約することでご家庭や会社が得られる代表的なメリットです。

  • 固定費を削減できる
  • 詐欺・セールス・迷惑電話の軽減に繋がる
  • オレオレ詐欺などの犯罪リスクが低下する
  • 固定電話機および設置スペースが不要になる

とくに魅力的なのが、コストを大幅に削減できることです。

一般家庭なら年間で2万円ほど、法人なら3万円以上も固定費を節約することができます。

なお、固定電話を解約するメリット・デメリットについては下記の記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご一読ください。

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住宅用の固定電話を解約するデメリット

一方、家庭用の固定電話を解約した場合の代表的なデメリットとして、以下の3つがあげられます。

  • FAXが使えなくなる
  • 固定電話のみで繋がっている相手への対応が必要
  • 携帯電話の番号を周知するリスク

なかでも見落としがちなのが、固定電話のみで繋がっている相手への対応です。

とくにご年配の方は携帯電話番号に抵抗を覚える方も多く、昔ながらの固定電話番号の方が使い慣れています。

ご年配の方に固定電話の代りにスマホの電話番号を衆知する際は、「桁数は増えるがきちんと繋がる」や「仕事中の電話は控えて欲しい」など、一言添えた方がよいでしょう。

会社の固定電話を解約するデメリット

会社の固定電話を解約するデメリットは、家庭用に加えて以下の5つが挙げられます。

  1. 法人口座開設の際に不利になる
  2. 社会的信頼が低下する
  3. 固定電話番号を印刷している名刺などを修正する必要がある
  4. 通話料金が高くなる可能性がある
  5. 携帯番号を代替えにすると公私の区別が難しくなる

ほとんどの金融機関は、法人口座の開設に固定電話番号を必須条件に含めています。

カードローンであれば個人・法人を問わず携帯電話番号だけで申請できるところもありますが、法人口座の開設には固定電話番号を手放すと不利になることを覚えておきましょう。

また、名刺・請求書・領収書など固定電話番号を記載している印刷物を修正する際に、相応の手間とコストが発生するのも企業が固定電話番号を解約する大きなデメリットです。

【比較表】固定電話の解約・利用休止・一時中断の違い

利用中の固定電話回線を止めるための手続きは、解約・利用休止・一時中断の3種類から選べます。

3種類の手続きにはどのような違いがあるのか、一覧表にまとめてみました。

解約 利用休止 一時中断
特徴 再利用する予定がなく、電話加入権を放棄しても構わない人が対象 最長10年間は電話加入権を保持できるが、再開時に固定電話番号が変更になる 電話加入権も固定電話番号も維持できるが、停止中も毎月の回線使用料を支払い続ける必要がある
電話加入権の扱い 放棄
※再加入時は新規購入が必要
保持
※再開時に再購入は不要
保持
※再開時に再購入は不要
対象回線 ・加入電話
・加入電話/ライトプラン
・INSネット64
・INSネット64/ライト
・加入電話
・INSネット64
・加入電話
・加入電話/ライトプラン
・INSネット64
・INSネット64/ライト
休止・中断できる期間 最長10年間
※5年ごとの更新が必要
無期限
※毎月、回線使用料の支払いが必要
再利用時の
同番号利用
電話番号が変わる 同じ電話番号が利用できる
※異なる住所で再開する場合は、固定電話番号が変更になることもある
休止・中断の
回線使用料
支払い不要 支払い不要 支払いが必要
電話を止める
工事費
3,300円 3,300円
電話を再開する
工事費
3,300円~22,000円程度 3,300円~22,000円程度

電話加入権を完全に手放しても問題ないなら「解約」、保持したまま期間限定で停止したいなら「利用休止」か「一時中断」が選択肢になります。

また、停止中に月額料金が発生しない「利用休止」は、電話加入権だけは維持したいが固定電話番号は変更になっても構わない人が、停止中も毎月の回線使用料が必要となる「一時中断」は、電話加入権と固定電話番号の両方を維持したい人が対象です。

「解約」が向いている人

固定電話の「解約」は、利用休止や一時中断とは違い電話加入権が放棄扱いになるため、工事費用が発生しません。

固定電話の解約は、下記のような方におすすめの方法です。

▼固定電話の「解約」が向いている方

  • 電話の加入権を手放してもいい方
  • 利用中の電話番号を手放してもいい方
  • 工事費をかけずに手続きしたい方

「利用休止」が向いている人

固定電話の「利用休止」は解約とは違い、「一定期間、電話加入権が残せる」一方で「工事費が発生する」ため、下記のような方に選ばれています。

▼固定電話の「利用休止」が向いている方

  • 将来、固定電話が必要になるかも…と思っている方
  • 高額だった加入権を手放したくない、と思っている方
  • 多少の工事費は気にならない、と思える方

「一時中断」が向いている人

固定電話の「一時中断」とは、文字通りあくまで一時的に使用を停止する手続きです。

使用中の固定電話回線に対して一時中断の手続きをしても毎月の回線使用料が今まで通り発生するため、固定費の削減には繋がりません。

よって、「一時中断」の手続きは下記のような方に向いています。

▼固定電話の「一時中断」が向いている方

  • コスト削減が目的ではない方
  • 利用中の電話番号を手放したくない方
  • 電話の加入権を、無期限で手放したくない方

目的がコスト削減なら「解約」か「利用中止」がおすすめ!

「固定電話をやめようかな…」と思っている人の多くが、費用の削減を目的に挙げています。

なかでも大きなウエイトを占めているのが、使用頻度に関わらず必ず発生する月額基本料金でしょう。

ただし、固定電話を「一時中断」する手続きを行っても、固定費のメインである回線使用料は支払い続けなければなりません。

つまり、固定電話を止める目的がコストの削減なら「解約」または「利用休止」を選択すべきなのです。

【NTT】固定電話を解約・利用休止・一時中断する方法

ここからは、NTTの固定電話を解約・利用休止・一時中断する方法について、下記の4項目に分けて解説していきます。

  • NTT東日本の固定電話を「解約」する方法
  • NTT西日本の固定電話を「解約」する方法
  • NTTの固定電話を「利用休止」する方法
  • NTTの固定電話を「一時中断」する方法

なお、ひかり電話を解約する方法については以下の記事で詳しく解説しております。

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NTT東日本の固定電話を「解約」する方法

固定電話を解約すると、保持している「電話の加入権」と「電話番号の使用権」が消失します。

利用中の固定電話が同じ条件下で二度と使えなくなる「完全解約」と言った方がイメージしやすいかもしれません。

NTT東日本の固定電話を解約する方法・窓口は、下記の通りです。

対象地域 北海道、青森県、岩手県、
秋田県、宮城県、山形県、
福島県、茨城県、栃木県、
群馬県、埼玉県、千葉県、
東京都、神奈川県、山梨県、
長野県、新潟県
下記の回線を解約する方法
・加入電話
・加入電話/ライトプラン
・INSネット64
・INSネット64/ライト
①インターネットの解約窓口
https://web116.jp/shop/a_line/cancel.html
②電話での解約窓口
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0120-116-000受付時間 9:00~17:00(土日祝日もOK)
ひかり電話の契約を
解約する方法
電話での解約依頼
0120-116116受付時間 9:00~17:00(土日祝日もOK)
解約に必要な情報 ・電話番号
・契約者名
・電話を利用している住所
・料金の支払情報
・本人確認書類

NTT西日本の固定電話を「解約」する方法

一方、NTT西日本の固定電話を解約する方法・窓口は、下記の通りです。

対象地域 富山県、石川県、福井県、
岐阜県、静岡県、愛知県、
三重県、滋賀県、京都府、
大阪府、兵庫県、奈良県、
和歌山県、鳥取県、島根県、
岡山県、広島県、山口県、
徳島県、香川県、愛媛県、
高知県、福岡県、佐賀県、
長崎県、熊本県、大分県、
宮崎県、鹿児島県、沖縄県
※行政区域とNTT西日本の県域が異なるため、長野県の一部地域も含まれます。
下記の回線を解約する方法
・加入電話
・加入電話/ライトプラン
・INSネット64
・INSネット64/ライト
①インターネットの解約窓口
https://www.ntt-west.co.jp/denwa/tetsuduki/stop/kaiyaku.html
②電話での解約窓口
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0800-2000116受付時間 9:00~17:00(土日祝日もOK)
ひかり電話の契約を
解約する方法
電話での解約依頼
0120-116116受付時間 9:00~17:00(土日祝日もOK)
解約に必要な情報 ・電話番号
・契約者名
・電話を利用している住所
・料金の支払情報
・本人確認書類

NTTの固定電話を「利用休止」する方法

NTTの固定電話に対して「利用休止」の手続きを行う方法・窓口は、下記の通りです。

あらかじめメリット・デメリットを比較したうえで、手続きを行ってください。

下記の回線を解約する方法
・加入電話
・INSネット64
※ライトプランを除く
▼NTT東日本
①インターネットからの申し込み
https://web116.jp/shop/a_line/cancel.html
②電話での申し込み
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0120-116-000
▼NTT西日本
①インターネットからの申し込み
https://www.ntt-west.co.jp/denwa/tetsuduki/stop/kaiyaku.html
②電話での申し込み
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0800-2000116
利用休止の最大継続期間 最大10年間
※5年ごとの更新が必要
費用 ・電話停止時 3,300円
・電話再開時 3,300円~22,000円程度
メリット ・電話加入権(施設設置負担金)を、最大10年間残せる
・休止から10年間であれば、加入権を購入しなくても固定電話が再開できる
デメリット ・固定電話を再度利用する際、同じ電話番号が使えない

NTTの固定電話を「一時中断」する方法

NTTの固定電話に対して「一時中断」の手続きを行う方法・窓口は、下記の通りです。

下記の回線を一時中断する方法
・加入電話
・加入電話/ライトプラン
・INSネット64
・INSネット64/ライト
▼NTT東日本
①インターネットからの申し込み
https://web116.jp/shop/a_line/cancel.html
②電話での申し込み
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0120-116-000
▼NTT西日本
①インターネットからの申し込み
https://www.ntt-west.co.jp/denwa/tetsuduki/stop/kaiyaku.html
②電話での申し込み
固定電話から:局番なし116
携帯電話から:0800-2000116
一時中断の最大継続期間 無制限
費用 ・電話停止時 2,200円
・電話再開時 2,200円~11,000円程度
メリット ・期限の制限がなく、電話の加入権が残る
・将来的に固定電話を再開する際、同じ電話番号が使える
デメリット ・中断中も、毎月の回線使用料を支払い続ける必要がある

【SoftBank】おとくラインを「解約」または「一時中断」する方法

元々「電話加入権」が不要なSoftBankのおとくラインを止める方法は、完全に契約を切る「解約」と停止中も毎月の回線使用料が発生する「一時中断」の2択になっており、「利用休止」という方法はありません。

  • SoftBankのおとくラインを「解約」する方法
  • SoftBankのおとくラインを「一時中断」する方法

SoftBankのおとくラインを「解約」する方法

SoftBankの固定電話をやめる場合は、電話連絡にて「おとくライン回線の番号廃止手続き」を行います。

▼おとくラインの解約

  • 連絡先:おとくラインカスタマーセンター(0088-221-221/0120-917-221)
  • 受付時間:平日10:00~17:00(年末年始を除く)

なお、ご利用状況によって解約の際に発生する費用が異なりますので、あらかじめコールセンターに確認しておきましょう。

▼おとくラインの注意点

  • おとくライン交換機等工事費:回線ごとに1,100円(税込)が発生する
  • 番号ポータビリティをしている:工事費1,650円(税込)が発生する
  • 割引サービスを利用している場合:利用期間によっては違約金が発生する

SoftBankのおとくラインを「一時中断」する方法

おとくラインを一時中断する場合、窓口は電話のみになっています。

受付け窓口 ▼ 「おとくライン」カスタマーセンター
0088-221-221/0120-917-221
(年末年始を除く平日10:00~17:00/通話料無料)
中断中のアナウンス 「お客さまがおかけになった電話番号は、現在、おつなぎすることができません。」
工事費 1,100円(税込)
注意点 中断中も基本料金や付加サービスなどの月額料金が発生する

【KDDI】固定電話を「解約」または「一時的に止める」方法

この章では、KDDIの固定電話サービスを止める方法について、以下の2項目に分けて解説していきます。

  • KDDIの固定電話を「解約」する方法
  • KDDIの固定電話を「一時的に止める」方法

ちなみに、KDDIでは複数の固定電話サービスを提供しており、その総称を「auおうち電話」と言います。

また、停止する手続きの名称がサービスによって異なるのもKDDIが提供している固定電話の特徴です。

KDDIの固定電話を「解約」する方法

KDDIの固定電話と言えばメタルプラスが有名ですが、こちらは2016年6月30日付けでサービスの提供を終了しています。

ただし、現在でも以下のような固定電話を提供しており、サービスの種類ごとに解約の窓口が異なるのが特徴です。

▼KDDI電話の連絡先

  • ホームプラス電話:お客さまセンターに電話、または「My au」
  • ケーブルプラス電話:契約しているケーブルテレビ会社
  • ホーム電話:契約しているケーブルテレビ会社
  • KDDI-IP電話:契約しているプロバイダ
  • auひかり電話(au one netでプロバイダ契約):KDDIお客さまセンター
  • auひかり電話(au one net以外のプロバイダ):契約しているプロバイダ

ご利用のサービスによって解約手続きの方法が微妙に異なりますので、詳しくはKDDIの公式サイトを参照して下さい。

KDDIの固定電話を「一時的に止める」方法

KDDIの固定電話を一時的に止める際の窓口は基本的に解約時と同じですが、「手続きの名称」と「費用」はサービスによって異なります。

なかには3,850円の契約事務手数料や情報保管料として409円の月額使用料、あるいは月額料金が全額発生するサービスもあるため、あらかじめKDDIの公式サイトで確認してみましょう。

解約に迷ったら固定電話アプリ「03plus」がおすすめ!

03plus

「固定電話を解約したら後悔しそうで迷っている」、または手続き後に「やっぱり固定電話番号は必要だったかも…」と感じている場合は、固定電話アプリという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

固定電話アプリなら加入権が不要なのはもちろん、毎月の基本料金が従来の回線よりも格安なうえ、スマホのみで市外局番つきの電話番号を取得することができるのです。

たとえば固定電話アプリの代表格である「03plus」は、以下のような強みから個人宅・法人・地方自治体などさまざまなクライアントに選ばれており、継続率97%を誇っています。

  • 初期費用:5,000円(年払いなら3,800円)
  • 月額料金:1,280円~
  • 取得できる市外局番の種類:03、06、011など全国46局番
  • 市外局番付きの番号取得にかかる時間:最短10分
  • 共有できる端末数:基本的に無制限(端末毎に追加IDの契約が必要)
  • グループ間の通話料金:無料
  • お試しプラン:0円スタートプランあり(最大31日間)
  • 基本プランに含まれるサービス:パーク保留、不在着信通知、非通知着信拒否、番号指定着信拒否など
  • ビジネス向けのオプション:クラウドFAX、時間外アナウンス、全通話録音、IVR(自動音声応答)など

03plusの詳細については、以下の記事を参照してください。

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固定電話の解約・利用休止・一時中断は目的に合わせて選択しよう!

スマートフォンの普及が拡大するにつれて、固定電話のニーズは右肩下がりに低下しています。

とくに個人の住宅では、ほとんど使われていないケースも珍しくありません。

たしかに固定電話を「解約」または「利用休止」すれば個人住宅で2万円ほど、法人なら3万円以上も年間の固定費を削減することができるのですから、検討の余地は十分にあるでしょう。

その一方で、「一時中断」を選択した場合は停止中も毎月の回線使用料が発生するため、固定費を削減することはできません。

なにより、固定電話番号を手放すリスクも軽視できないのが実情です。

「支払いは減らしたいけど解約するのは不安…」または「市外局番付きの電話番号を格安料金で維持したい」という場合は、従来プランから固定電話アプリへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。