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NTTの2024年問題!終了する固定電話サービスの種類・影響度・今後の選択肢
「NTTが2024年1月1日に固定電話サービスの一部を終了する」といったニュアンスの報道を受け、「今後の通話手段はスマホのみになるのか?」と不安に感じている方も多いようです。
そこで本記事では、具体的にどのような影響を受けるのか、注意点や今後の選択肢について解説します。
目次
【結論】NTTの固定電話は2024年以降も使える!
結論から言うと、確かにNTTは従来のアナログ回線を廃止して全面的にIP網へと切り替えますが、固定電話は2024年1月1日以降も今まで通り問題なく使用できます。
ここでは、多くの方が気になっている2つのポイントについて見ていきましょう。
▼2024年までに知っておくべきポイント
- 手続きや手数料は不要!
- 廃止・終了・仕様変更するサービス一覧
手続きや手数料は不要!
アナログ回線からIP回線への切り替えは、基本的にNTTの局内設備が対象です。
したがって、個人であろうと企業であろうと契約者がNTTに対して何等かの手続きをしたり、契約変更の手数料を支払ったりする必要はありません。
工事が不要なのはもちろん、手持ちの市外局番つき固定電話番号もそのまま使用することができます。
「工事をしないと固定電話が使えなくなる!」「有料で新しい電話番号を取得しないとIP電話に移行できない!」など、NTTを騙った「振り込め詐欺」には十分注意しましょう。
廃止・終了・仕様変更するサービス一覧
2024年1月1日付けでNTTが実施する固定電話の変更点は、大きく分けて下記の4点です。
▼4つの変更点
- 「アナログ回線」と「ISDN回線」が廃止され、全面的に「IP回線網」へ移行する
- マイラインなど、固定電話サービスの一部が終了する
- ナンバー・リクエストなど、固定電話サービスの一部の仕様が変更される
- 固定電話同士の通話料金が、全国一律になる
変更点①:アナログ回線からIP網へ移行
1つ目の変更点は、アナログ回線からIP網への移行です。
ここからは、具体的にどのような影響があるのか、3つの項目に分けて解説していきます。
- 廃止されるのは「アナログ回線」と「ISDN回線」
- IP網へ移行する理由
- 固定電話とIP電話の違い
廃止されるのは「アナログ回線」と「ISDN回線」
NTTの固定電話回線は、2024年1月1日からIP回線のみに統一されます。
これに伴い、同日づけで廃止されるのは「アナログ回線」と「ISDN回線」の2種類です。
ただし、詳しくは後述しますがISDN回線に付随している「INSネット(ディジタル通信モード)」については、2027年ごろに代替サービスを提供する見通しだと発表されています。
ちなみに、NTTのひかり電話はIP回線に含まれるため、これまで通り現状維持で問題ありません。
IP網へ移行する理由
そもそも、なぜNTTはアナログ回線やISDN回線のサービス提供を終了し、IP網へと移行するのでしょうか?
その理由として、下記の2点が挙げられます。
▼IP網へ移行する背景
- 固定電話の契約者数が激減し、必要経費に充てる収益が確保できない
- 従来回線は中継交換機など設備が老朽化している
総務省の「電気通信サービスの提供状況・利用状況」によると、従来タイプの固定電話に対し契約者数の推移を調査した結果、2006年から2017年までの11年間でマイナス60%以下まで激減していました。
▼固定電話の契約者数の推移
- 2006年:5,515万件
- 2017年:2,135万件
上記の調査結果から、導入費用や通話料金などが割高なアナログ回線のニーズが低下し、従来設備を維持・管理するために必要な収益が見込めないことが分かります。
ここで問題となるのが、既存の「中継交換機」や「信号交換機」の老朽化です。
アナログ回線やISDN回線の局内設備は、2025年に寿命を迎えるほど老朽化が進んでいると言われており、全国の拠点で設備を修復するには莫大な経費がかかってしまいます。
そこでNTTは、高額な交換機を安価なルーターなどに置き換えることで通信できるようになる、IP網への移行を決定したのです。
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アナログ電話とIP電話の違い
アナログ電話とIP電話の最大の違いは、使用する「電話回線」と「中継設備」の種類です。
▼電話回線と中継設備の違い
- アナログ電話:「メタル(銅線)回線」を通り、「交換機」を介して通話する
- IP電話:「インターネット回線」を通り、「中継ルーター」を介して通話する
ちなみに、IP電話の通話品質がアナログ回線よりはるかに劣っていたのは、一昔前の話です。
5Gなどの技術革新が進み、現在ではアナログ回線と同レベルの通話品質を備えたIP電話も登場しています。
なお、通話料金やオプションサービスなどの違いについては、本記事の後半で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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変更点②:固定電話サービスの一部が提供終了
下記のサービスは、2024年1月1日から使用できなくなります。
中にはIP網で提供されている類似サービスもありますので、「使えなくなると困る!」という方は事前にリサーチしておきましょう。
▼提供が終了するサービス
- 既存の電話回線に紐づく割引サービス
- ビル電話
- 支店代行電話
- 着信用電話
- 有線放送電話接続電話
- 短縮ダイヤル
- キャッチホン・ディスプレイ
- ナンバー・アナウンス
- でんわばん
- トーキー案内
- 発着信専用機能
- ノーリンギング通信
- 二重番号サービス
- トリオホン
- なりわけサービス
- 114(お話し中調べ)
- 空いたらお知らせ159
- ナンバーお知らせ136
一方、下記のサービスは2024年1月から「段階的」に提供が終了します。
ただし、サービスの提供が終了する時期は地域によって異なるため、最寄りのNTTに確認した方が良いでしょう。
▼地域によって終了する時期が異なるサービス
- INSネット(ディジタル通信モード)
- マイライン/マイラインプラス
- フレッツADSL/フレッツISDN
- フレッツADSL、フレッツISDNのマイラインプラスセット割引
変更点③:固定電話サービスの一部が仕様変更
2024年1月1日から仕様が変更になるサービスは、下記の9種類です。
- 117(時報):時報通知後に通話が切断するタイミングが短縮
- ナンバー・リクエスト:自動応答メッセージで着信者の電話番号が案内されなくなる
- 迷惑電話おことわりサービス: 一部、自動応答メッセージの確認が必須になる
- 代表取扱いサービス(A/I混在代表):一部のケースで、子番号の変更が必要になる
- 硬貨収納等信号送出機能(ピンク電話):全国一律料金に変更
- フレックスホン:通信中転送機能が終了
- 料金情報通知機能:一部、通信料金が非表示になる
- 通信中機器移動:「中断」「再開」が通知されなくなる
- ユーザ間情報通知:使用料が無料になる
変更点④:通話料金の変更
利用者にとって最も嬉しいのが、通話料金の引き下げです。
これまでは市内通話よりも県外通話の方が割高でしたが、今後はひかり電話と同じく「全国・全時間帯で一律9.35円(税込)/3分」となります。
▼通話料金の違い
- 既存の電話回線:夜間の発信、および発信者と受信者の距離が離れているほど単価が高い
- IP電話:距離や時間帯を問わず、全国一律になる
2024年以降の選択肢3つ
NTTが固定電話サービスの一部を変更した後の選択肢は、大きく分けて下記の3種類です。
- そのまま現状維持
- 固定電話を解約してスマホのみにする
- 既存の固定電話からクラウドPBXに乗り換える
そのまま現状維持
「今の状態に不満はない!」「スマホ以外にも予備の通話手段を確保しておきたい!」という方は、一番シンプルで手間のかからない現状維持が良いでしょう。
NTTがサービスの一部を終了・変更したからと言って、工事・手続き・設定変更・費用負担などは一切必要ありません。
固定電話を解約してスマホのみにする
下記すべての項目に当てはまる場合は、固定電話を解約してスマホのみにするのも選択肢の1つです。
▼固定電話を解約する前のチェック項目
- 家庭用として使っている
- 仕事もプライベートも、すべての連絡はスマホのみで行っている
- 年配の親類など、固定電話でしか通話できない相手がいない
- 面接中の企業など、対外的に信頼性が求められる相手と通話する予定がない
- 置き型のFAXは、使えなくなっても構わない
- 固定電話番号が必須の書類を提出する可能性がない
- 固定電話のランニングコストを節約したい
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既存の固定電話からクラウドPBXに乗り換える
一方、下記の中で1つでも当てはまる項目がある方は、スマホだけで市外局番つきの固定電話番号が取得できるクラウドPBX(固定電話アプリ)への乗り換えがおすすめです。
▼クラウドPBX(固定電話アプリ)に向いている人
- 法人として社会的信用を保つため、市外局番つきの固定電話番号を維持しておきたい人
- プライベートとビジネス関連の通話を、1台のスマホで使い分けたい人
- スマホから市外局番つきの固定電話番号で発信したり、受信したりしたい人
- FAX本体は持っていないが、スマホでPDFデータとして送受信したい人
- スマホにビジネスフォンと同等の機能を搭載したい人
- 新たに会社の代表番号を取得したいが、導入費用はかけたくない人
- テレワーク中のスタッフが、自宅でオフィスの電話に対応できるようにしたい人
市外局番つきの固定電話番号は、もはや有線回線だけの特権ではありません。
スマホさえ持っていれば最短10分で新しい番号が取得できるうえ、番号ポータビリティによって手持ちの電話番号を継続して使うことも可能です。
あらかじめ複数のスマホを登録しておけば、在宅スタッフ同士の通話が無料の内線扱いになるのも、固定電話から電話アプリに乗り換える人が増えている理由なのかもしれません。
なお、手持ちの固定電話回線を解約する前に、下記のリクスについても把握しておきましょう。
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IP網への移行に伴う注意点
家庭用の固定電話を現状維持のまま2024年以降も使い続ける場合、とくに注意点はありません。
これに対し、廃止が決定しているISDN回線でINSネット(ディジタル通信モード)を活用している「法人」は、今後の対応策が必要です。
▼INSネット(ディジタル通信モード)の用途の一例
- POSレジ(販売情報管理システム)
- CCT/CAT(信用照会端末)
- EDI(電子商取引)
- 企業のEB(電子バンキング)
- 銀行ATM
- 警備会社との連携システム
- G4FAX(コンビニのマルチコピー複合機など)
なお、INSネットは「2024年1月から地域ごとに段階的に終了するサービス」に分類されており、断定はできないものの、2027年ころまでは使用できる見通しです。
INSネットの「通話モード」は引き続きご利用いただけますが、「ディジタル通信モード」は、2024年1月から地域ごとに段階的にサービスを終了いたします。
ご利用されている場合は、計画的な準備をお願いいたします。
「ディジタル通信モード」のサービス終了に合わせて、「切替後のINSネット上のデータ通信(補完策)」を2027年ごろまでを目途に提供させていただく予定です。
クラウドPBXのおすすめ2選
「種類が多くて選べない…」という方に向けて、おすすめのクラウドPBXを法人・個人宅に分けてご紹介します。
▼おすすめのクラウドPBX(固定電話アプリ)
- 法人に人気の固定電話アプリ:03plus
- 個人宅に人気の固定電話アプリ:CITVPlus
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法人に人気の固定電話アプリ:03plus
なぜ03plusは多くの法人で導入されているのか、その理由はビジネスフォン並みの高機能タイプだからです。
機能の豊富さは類似サービスの中でも群を抜いており、テレワークを導入している企業をはじめ、大手コールセンターからフリーランスのSOHOまで幅広い事業規模に対応しています。
「契約前に使用感を試したい!」という方は、「0円スタートプラン」を検討してみてはいかがでしょうか。
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個人宅に人気の固定電話アプリ:CITVPlus
家庭用なら、ニーズの高い機能だけを備えている「CITVPlus」がおすすめです。
とくに、「一人暮らしを始めた大学生」や「一時的に固定電話番号が必要になった就活生」にとっては、リーズナブルな価格帯も嬉しいポイント。
料金体系がシンプルで分かりやすいのも、導入しやすい理由です。
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まとめ
IP網への移行に伴い、POSレジなどを使っている法人は、INSネット(ディジタル通信モード)の対応策を2027年までに講じておく必要があります。
一方、家庭用として使用している場合は、工事・手続き・費用負担・番号変更などは必要ありません。
なぜなら、IP網へ移行する際の作業は、基本的にNTT側が局内で行うからです。
とはいえ、日頃から「スマホだけでも困らないのでは?」「もっと便利な固定電話の使い方はないのか?」と疑問に思われているなら、ここのまま有線タイプの固定電話を継続すべきか、検討してみる絶好の機会になるかもしれません。