カテゴリー:メリット・デメリット

クラウドPBXを導入する13のメリットと3つのデメリット

クラウドPBXとは、インターネット上に仮想の主装置を構築することで、手持ちのスマホで固定電話番号の受発信を可能にしている通信システムです。

社員のスマホで操作できるため、これまでオフィス内でしか使えなかったビジネスフォンの機能が、外出先でも扱えるようになります。

ニーズの高さから近年では続々と新しいクラウドPBXが登場して注目を集めている反面、まだ歴史が浅いため正確な特徴を把握していない企業も少なくありません。

そこで今回は、クラウドPBXとは何かを明らかにしたうえで、導入するメリット・デメリット・選び方などについて解説していきます。

クラウドPBXとは?

「クラウドPBX」とは、インターネットが使える環境であれば、どこに居ても社員のスマホを使ってオフィスの電話対応が可能になる新型の通信システムです。

最大の特徴は、主装置と呼ばれる構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)をインターネット(クラウド:Cloud)上に仮想で構築しているところ。

この仕組みによって、クラウドPBXの以下4つの基本機能を可能にしているのです。

▼クラウドPBXの基本機能

  • 1つの固定電話番号を複数のスマホで共有できる
  • 社員のスマホがオフィスのビジネスフォン代わりになる
  • 場所を問わず、社員のスマホで会社の固定電話番号の受発信が可能
  • 住所が異なる拠点間、および社員間の外線通話料金が無料の内線通話になる

最近では、スマホさえあれば格安で市外局番付きの固定電話番号を取得できるクラウドPBXも登場しており、社会的信用度を重視する法人やフリーランスの間でシェアを伸ばしています。

ここからは、よりクラウドPBXへの理解が深まるよう、以下の2項目に分けて解説していきます。

  • 「クラウドPBX」と「従来のビジネスフォン」との違い
  • クラウドPBX・IP-PBX・レガシーPBXの違いを比較

「クラウドPBX」と「従来のビジネスフォン」との違い

「クラウドPBX」と「従来のビジネスフォン」との最大の違いは、複数の電話回線を集約して外線・内線をコントロールしている「主装置の設置場所」です。

そもそもPBXとは、ビジネスフォンの機能を司る構内交換機(通称、主装置)を指し、外線と内線、あるいは内線同士の接続を制御する役割を担っています。

従来のビジネスフォンは、この主装置をオフィスを構えている建物内に設置し、さらに専用の電話機と接続することで、はじめてビジネスフォンの機能が利用できるようになるのです。

言い換えれば、主装置と専用の電話機が電話線(有線)で接続されていない屋外で通話することはできません。

これに対し、クラウドPBXはクラウド上に仮想の主装置を構築しているため、スマホやタブレット、PCなどインターネットを介してアクセスできる端末を使えば、オフィス内外を問わず完全ロケーションフリーで通話することができるのです。

クラウドPBX・IP-PBX・レガシーPBXの違いを比較

この章では、クラウドPBXと混同されがちなIP-PBX、さらに従来型レガシーPBXの3つを比較してみましょう。

クラウドPBX IP-PBX レガシーPBX
特徴 インターネットを介して「オフィス内外」に電話機能を提供 インターネットを介して「オフィス内外」に電話機能を提供 電話線を介して「オフィス内」に電話機能を提供
PBX(主装置)の設置場所 クラウド上に仮想のPBXを設置 オフィス内に物理的なPBXを設置 オフィス内に物理的なPBXを設置
システム形態 クラウド オンプレミス オンプレミス
利用可能な拠点数 複数拠点 複数拠点 単独拠点
コスト ・初期費用が最も安い
・クラウドPBXシステムの月額利用料金が必要
・インターネット回線の月額料金が、拠点ごとに必要
・物理的なPBXが必要な分、初期費用が高い
・電話料金の月額基本料金が必要
・インターネット回線の月額料金が、拠点ごとに必要
・物理的なPBXの代金や設置工事費など、初期費用が高い
・電話料金の月額基本料金が必要
・メンテナンス費用が必要

3種類の中で最も新しいクラウドPBXと2番目に新しいIP-PBXは、どちらもインターネットを介して通話することが可能です。

その一方で、クラウドPBXとIP-PBXには「主装置の設置場所」と「コスト」という大きな違いがあります。

IP-PBXはオフィス内に物理的な主装置を設置する必要があるため、クラウド上に仮想の主装置を設置しているクラウドPBXよりも、初期費用が割高なのです。

クラウドPBXを導入する13のメリット

クラウドPBXを導入するメリットとして、以下の13点が挙げられます。

  • 外出中・リモートワーク中でも会社の固定電話番号の受発信が可能
  • 社員のスマホ同士で無料の内線通話が可能
  • 国内外を問わず離れた拠点間で無料の内線通話が可能
  • 1つの固定電話番号を複数のスマホで共有できて経理作業が簡単
  • 転送不要で通話料金を削減できる
  • CTIやネットFAXなどビジネス向けの機能が使える
  • AIを活用した自動応答や自動予約などが使える
  • スマホ・タブレット・PCなど使える端末の選択肢が多い
  • 導入スピードが早い
  • 導入時の初期費用が安い
  • 小規模からでも導入しやすい
  • レイアウト変更・増設・移設が簡単
  • 災害や緊急時に備えるBCP対策として有効

順番に解説していきます。

外出中・リモートワーク中でも会社の固定電話番号の受発信が可能

クラウドPBXのメリットと言えば、何と言ってもオフィス外でも会社の固定電話番号で受発信できることでしょう。

まず基本機能として、クラウドPBXは1つの固定電話番号を複数のスマホで共有でき、オフィス内外で受発信が可能です。

誰も出社していない会社の代表電話に外線電話がかかってきたとしても、取引先を回っている営業担当や自宅でリモートワーク中のスタッフが手分けをし、対応できるようになります。

したがって、電話対応のためだけに社員が当番制でオフィスに出勤する必要もありません。

同じく、社員のスマホを使えばオフィス外からでも会社の固定電話番号で発信することが可能です。

社員のスマホ同士で無料の内線通話が可能

社員のスマホ同士の通話が無料の内線通話になるのも、クラウドPBXの代表的なメリットです。

在宅ワークを導入している会社の社員はそれぞれ異なる地域で働いているため、通常であれば割高のスマホ間通話料金を支払わなければなりません。

その点クラウドPBXなら、たとえ働いている住所が異なっていても、同じオフィス内で机を並べて働いている時と同じ感覚で、スマホを使って無料の内線通話が可能になるのです。

国内外を問わず離れた拠点間で無料の内線通話が可能

クラウドPBXを導入すれば、離れた拠点間の外線通話が無料の内線扱いになります。

しかも東京本社と神奈川支店といった国内の拠点間だけでなく、国内拠点と海外拠点も無料の内線として通話することができるのです。

働く場所を問わず社員の外線通話料金が一切不要となるクラウドPBXは、複数の拠点を構えている企業はもちろん、とくに海外拠点を設けている企業にとって最適と言えます。

1つの固定電話番号を複数のスマホで共有できて経理作業が簡単

テレワークを導入している場合、個人のスマホ明細から社用通話をピックアックするなど、経理担当者の作業負担が大きな課題となっていました、

これに対し、クラウドPBXなら1つの固定電話番号を複数のスマホで共有しながら受発信できるので、関連する経費は1つの通話明細に集約され、経理的な負担を最小限に抑えることができます。

転送不要で通話料金を削減できる

そもそも、クラウドPBXには「転送」という概念はありません。

一般的な固定電話から携帯電話へ転送した場合、たとえセールス電話であっても通話料金を負担するのは受信側です。

しかし、クラウドPBXなら持ち歩いているスマホでダイレクトに受信できるため、転送自体が不要なのはもちろん、通話料金を負担する必要もありません。

また、足立区で在宅ワーク中のAさんが会社の外線電話を自身のスマホで受信した場合、渋谷区で外回りをしているBさんのスマホに直接まわすこともできます。

まるでビジネスフォンを持ち歩いているような感覚でいったん保留にしてから回せるうえ、伝言ミスも防げます。

CTIやネットFAXなどビジネス向けの機能が使える

クラウドPBXなら、保留転送・通話録音・短縮ダイヤルといった従来のビジネスフォンが備えている基本機能をスマホで操作することが可能です。

他にも、クラウドを利用した以下のようなビジネス向けの機能を使用することができます。

  • CTI:コンピュータシステムと電話やFAXを連動させ、顧客情報や対応履歴を表示される機能
  • ネットFAX:スマホでFAXの送受信やデータ内容の確認ができる機能
  • 勤怠管理:スマホで出退勤時間を入力し、勤怠を管理する機能

AIを活用した自動応答や自動予約などが使える

クラウドPBXで使える機能のうち、近年とくに高いニーズを誇っているのがAIを活用した以下のような機能です。

  • 自動音声応答(IVR)
  • 自動予約
  • 通話内容の分析

クラウドPBXとAIを組み合わせた高度な機能を活用することで、「電話業務の効率化」と「顧客対応の向上」に繋がります。

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スマホ・タブレット・PCなど使える端末の選択肢が多い

スマホ・タブレット・PCなど、デバイスの選択肢が豊富なのもクラウドPBXの代表的なメリットです。

専用のアプリをダウンロードできる端末であれば、持ち歩けるビジネスフォンとして使用することができます。

導入スピードが早い

クラウドPBXユーザーの多くが、導入スピードの早さをメリットにあげています。

サービスによって多少の差はあるものの、基本的に以下の3ステップで導入できるため、最短10分で使えるようになるタイプも登場しています。

  1. サービスの申し込み
  2. 専用アプリをデバイスにダウンロード
  3. 端末の初期設定

機器の購入や回線工事が不要なクラウドPBXは、今すぐ導入したいという企業に選ばれています。

導入時の初期費用が安い

導入時の初期費用が安いのも、クラウドPBXならではの大きなメリットです。

クラウドPBXは、仮想の主装置をインターネット上に構築するため、従来のビジネスフォンとは違いオフィス内に物理的なPBXを設置する必要がありません。

なにより、高額なビジネスフォンを購入しなくても、すでに社員が持っているプライベート用のスマホを活用することができます。

つまり、クラウドPBXなら主装置本体やビジネスフォンの代金はもちろん、設置するために必要な工事費も発生しないのです。

小規模からでも導入しやすい

小規模オフィスから大規模なコールセンターまで、企業の規模を問わず導入しやすいのもクラウドPBXのメリットです。

とくに小規模法人や個人事業主は予算が限られているため、初期費用が高額な従来型のレガシーPBXを導入するのは現実的ではありません。

その点、クラウドPBXならスモールスタートした直後でも安価な初期費用で導入できるうえ、事業規模の変化に応じて端末数を手軽に増減することが可能です。

また、クラウドPBXは回線工事が不要なため、オフィスを移転する際もタイムラグなしで通信を確保することができます。

レイアウト変更・増設・移設が簡単

ビジネスフォンを使っている会社でオフィスのレイアウト変更・増設・移設を行う場合、配線や設定工事を専門家に依頼するのが一般的で、その費用も高額になりがちです。

一方、クラウドPBXなら以下の通りフレキシブルに対応することができるうえ、費用も節約できます。

  • レイアウト変更:電話線もLANケーブルも配線不要
  • 増設:アカウントを追加して、手持ちの端末を登録するだけ
  • 移設:同一の市外局番が使えるエリアなら、そのまま使える

災害や緊急時に備えるBCP対策として有効

地震などの自然災害や大規模停電などの緊急事態が発生すると、オフィスへの出社が難しくなることもあるでしょう。

その点、クラウドPBXならインターネットさえ繋がっていればどこでも仕事ができるので、通常業務が滞る心配はありません。

BCP(事業継続計画)対策としての有効性は、クラウドPBXの隠れたメリットとして注目を集めています。

クラウドPBXを導入する3つのデメリット

一方、クラウドPBXを導入する前に以下のようなデメリットがあることも把握しておきましょう。

  • ネット環境が不安定だと通信品質が低下する
  • 緊急通報など発信できない番号がある
  • 使用中の固定電話番号が維持できるとは限らない

ネット環境が不安定だと通信品質が低下する

クラウドPBXの1つめのデメリットは、ネット環境が不安定だとノイズや途切れなどのトラブルが発生し、通信品質が低下することです。

クラウドPBXは文字通りインターネットを介して繋がる通信システムですから、どうしても通話品質がネット環境に左右されてしまいます。

通話品質の低下を防ぐには、以下のような対策が有効です。

▼通話品質の低下を予防するための対策

  • 通話品質がアナログ回線と同等の0ABJ型のサービスを選ぶ
  • 高速のインターネット回線を利用する

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緊急通報など発信できない番号がある

クラウドPBXの2つ目のデメリットは、発信できない番号があることです。

大前提として、クラウドPBXは大きく以下の2種類に分けられます。

  • ひかり電話タイプ
  • IP電話タイプ

上記の内、IP電話タイプのクラウドPBXは以下の電話番号に発信できないのです。

  • 110:警察への緊急通報
  • 119:消防署への緊急通報
  • 118:海上保安への緊急通報
  • 104:番号案内
  • 113:電話の故障受付
  • 114:話し中調べ
  • 117:時報

また、クラウドPBXは課金システムなどに対応していないため、以下の番号にもかけられません。

  • 020
  • 060
  • 0140
  • 0160
  • 0170
  • 0190
  • 0310
  • 0450
  • 0610
  • 0990
  • 1から始まる番号(141、142、1111を除く)

使用中の固定電話番号が維持できるとは限らない

クラウドPBXの3つ目のデメリットは、必ずしも保有している固定電話番号が使えるとは限らないことです。

たしかに、固定電話サービス提供事業者は2025年1月から双方向番号ポータビリティの受付を開始していますが、現時点ではすべてのクラウドPBXが番号ポータビリティに対応している訳ではありません。

使用中の固定電話番号を継続したい場合は、番号ポータビリティに対応しているか、そもそも自社が拠点を構えているエリアでサービスを提供しているか、この2点を必ず確認しておきましょう。

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クラウドPBXの選び方

クラウドPBXを選ぶ際は、以下のチェックポイントをお役立てください。

  • サービスや機能が自社に合っているか?
  • トライアルで音質や使用感を確認する
  • 費用は予算内か?

サービスや機能が自社に合っているか?

クラウドPBXの選び方でもっとも重要なのが、自社のニーズとサービス内容が自社のニーズを満たしているかどうかです。

具体的には以下のような項目を基準にすると、ある程度希望に沿ったサービスの目星をつけることが可能です。

  • 使用中の固定電話番号は引き継げるか?
  • 全通話録音やCTI、ネットFAXなど必要な機能が備わっているか?
  • 導入までの日数は?
  • トラブル対応など、サポート体制は手厚いか?

とくに最近では、電話によるカスハラ対策として「全通話録音」のニーズが高まっており、クラウドPBXを導入するきっかけになっているようです。

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トライアルで音質や使用感を確認する

トライアルで実際の音質や使用感を確かめてみるのも、最適なクラウドPBXを選ぶ有効な手段です。

口コミや比較サイトでの情報も参考になりますが、実体験に勝るモノはありません。

日常的に電話対応を行っているスタッフに試してもらえば、従来の通話品質と正確に比較することができるでしょう。

ただし、無料のトライアル期間を設けているクラウドPBXは限られているため、あらかじめ確認が必要です。

費用は予算内か?

費用の総額が予算内に収まるか、複数のサービスに見積りを依頼して比較してみましょう。

なかにはID数(登録する端末数)が多いほど割引額が高くなるクラウドPBXもあるため、料金を比較する際は以下4項目の総額で比べるのがコツです。

  • 初期費用
  • 月額料金
  • アカウントの単価とID数
  • 追加したいオプション料金

クラウドPBXなら03plusがおすすめ!

03plus

▼03plusのメリット

  • 最短10分で固定電話番号が取得できる
  • 全国の市外局番つき固定電話番号が取得できる
  • 0円スタートプランを提供
  • 全通話録音やパーク保留など、ビジネス向けの機能が豊富
  • 提供回線数の累計が100,000 を突破(2025年5月時点)

株式会社グラントンが提供している「03plus」は、法人向けの多機能タイプとして高い顧客満足度を誇っているクラウドPBXです。

外出先から送受信できるクラウドFAXをはじめ、スムーズに取り次ぎができるパーク保留やカスハラ対策に役立つ全通話録音など、ニーズの高い法人向けサービスを提供しています。

また、最大31日間にわたって試せる「0円スタートプラン」を設けているので、リアルな使用感をじっくり確かめたい企業におすすめです。

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