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災害時のスマホ活用術!情報収集・安否確認・救援要請の方法
「スマホ=防災グッズ」と認知されている理由は、災害時の安否確認・救助要請・情報収集などに欠かせないツールだからです。
とはいえ、地震や津波が発生した直後は誰もが冷静さを保っていられないでしょう。
そこで今回は、いざという時に慌てず対処できるように「災害時のスマホ活用術」をご紹介していきます。
携帯キャリアのインターネット通信がダウンした時の対処法や、政府が推奨しているICTについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
スマホは身近な防災グッズ
災害に見舞われる機会が多い日本人にとって、スマホは最も身近な「防災グッズ」と言っても過言ではありません。
たった1台のスマホさえあれば、以下のすべてを行うことができます。
▼災害時にスマホでできること
- 安否確認
- 救援要請
- 情報収集
これだけ災害時に役に立つのですから、自身はもちろん家族や友人など大切な人達を守ってくれる防災グッズとして、重宝されているのも当然でしょう。
災害時のスマホ活用法!安否確認の方法
この章では、スマホで安否確認を行う6つの方法についてご紹介していきます。
- 災害用伝言ダイヤル(171)
- スマホキャリアの災害用伝言版
- Google「パーソンファインダー」
- LINEの安否確認
- LINEの位置情報送信機能
- Facebookの災害支援ハブ
では早速、順番に見ていきましょう。
災害用伝言ダイヤル(171)
「災害用伝言ダイヤル(171)」とは、NTTグループが提供・運営している安否確認サービスです。
安否を知らせたい人はメッセージの録音を、安否が知りたい人はメッセージを再生できる仕組みになっており、「阪神・淡路大震災」の教訓を元に開発されました。
「災害用伝言ダイヤル(171)」は誰もが無料で利用でき、以下の通り使い方も非常にシンプルになっています。
▼災害用伝言ダイヤルに録音する方法
- 「171」に電話をかける
- ガイダンスに従って、録音の「1」を入力
- 電話番号を市外局番から入力する(携帯番号でも可)
- 数字の「1」を入力
- 「無事です」「○○にいます」などのメッセージを残す
- 「9」を入力して録音完了
▼災害用伝言ダイヤルを再生する方法
- 「171」に電話をかける
- ガイダンスに従って、再生の「2」を入力
- 相手の電話番号を入力する
- 数字の「1」を入力
- 録音されたメッセージが流れる
スマホキャリアの災害用伝言版
NTTドコモ・ソフトバンク・au(KDDI)など、携帯キャリア各社でも災害用伝言板サービスを提供しています。
キャリアによって多少の違いはありますが、使い方は概ね以下の通りです。
- 災害時に各通信キャリアの公式サイトTOPページに表示される「災害用伝言板の案内」にアクセス
- 「登録」を選択
- 「被災状況」を選択
- コメントを入力
- 再度「登録」を選択
- 登録内容を確認し、「はい」を選択して登録完了
Google「パーソンファインダー」
Google「パーソンファインダー」とは、オンライン上で安否情報の提供・確認が行える無料サービスです。
災害が発生した時にだけ提供されるGoogle「パーソンファインダー」、基本的に以下の3ステップで使いこなせるため、防災訓練に組み込んでいる小学校も増えています。
- ブラウザから検索して「パーソンファインダーの公式ページ」にアクセス
- 表示されている「人を探している」、または「安否情報を提供する」を選択
- 相手の氏名を検索、または自分の氏名を登録する
携帯電話番号はもちろん、たとえ名前の漢字表記が分からなくても「ひらがな」で登録・検索ができるため、被災して身動きがとれない第三者の安否情報を、代行して登録することも可能です。
LINEの安否確認
日本で最も利用率が高いLINEでも、災害時に安否確認ができるサービスが提供されています。
最大の強みは、震度6以上の大規模災害時になると赤枠の「LINE安否確認」が自動的に表示され、ユーザーのアクションを促してくれるところでしょう。
LINEの安否確認の使い方は簡単3ステップになっており、初めてでも迷わず操作することができます。
- ホーム画面上部の「安否確認」バナーから「安否を報告」を選択
- 「無事」または「被害あり」を選択
- メッセージを入力して「公開」を選択
LINEの位置情報送信機能
混乱している災害時に自分が今いる場所を知らせたいときは、LINEの「位置情報送信機能」が便利です。
ただし、以下の通りLINEに対し位置情報の権限を許可しなければ使用できません。
▼現在地を送信する方法
- 設定アプリの「アプリ」から「LINE」を選択
- 「位置情報」の権限を許可する
- トーク画面の「+」マークから 「位置情報」を選択
- 表示された地図上に現在地がピン表示されたら、「送信」をタップ
Facebookの災害支援ハブ
Facebookが提供している「災害支援ハブ」は、プロフィールに登録しておいた居住地または現在地が「被災地域」だった場合、自動的に安否確認の通知が届く仕組みになっています。
使い方は、届いた通知に返信するだけの簡単2ステップです。
▼Facebookの災害支援ハブの使い方
- Facebookから安否を確認する通知が届く
- 「自分の無事を報告」または「影響を受けた地域にはいません」を選択
災害時のスマホ活用法!救援要請の方法
災害時に救援を要請する最も迅速な手段は、消防(119番)や警察(110番)への連絡です。
とはいえ災害時のパニック状態では、日頃から使い慣れているSNSの方をとっさに思い浮かべる人も多いでしょう。
そこでこの章では、各種SNSの中でもとくに拡散力に優れているTwitterで救援要請をツイートする方法についてご紹介します。
Twitter(現X)の救援要請ツイート
拡散力が高いTwitterは、災害時の救援要請ツールとして非常に有効です。
なぜなら、消防署や警察などが災害時の救助活動の一環としてTwitter上で「#救助」を検索しているから。
実際の災害時ではツイートを見た人からの情報提供によって、レスキュー隊が駆けつけて救助された事例も少なくありません。
ただし、救援要請ツイートを送信する際は、できる限り「Twitterライフライン」が推奨している以下のルールに沿って行いましょう。
▼救援要請ツイートの手引き
- ハッシュタグ「#救助」をつける
- 具体的な救援内容を書く(いつどこで、何が起きて、何に困っているのか)
- 写真を添えて、状況を伝える
- 具体的な住所
- 住所がわからない場合は、「位置情報」をつける
上記の項目が満たされているほど救助が早まります。
災害時のスマホ活用法!情報収集の方法
この章では、災害時にスマホを使って情報収集する方法をご紹介していきます。
- #減災リポートwithウェザーニュース
- 災害時に役立つTwitterアカウント8選
- オフラインでも使える防災アプリ2選
- インターネットラジオ3選
では順番に見ていきましょう。
#減災リポートwithウェザーニュース
「#減災リポートwithウェザーニュース」とは、最新の被災情報がリアルタイムで確認できる「ユーザー参加型」のTwitterアカウントです。
運営はTwitter Japan株式会社と株式会社ウェザーニューズが共同で行っていますが、以下の仕組みによって常に最新の被災情報がリアルタイムで更新されます。
- ユーザーが「#減災リポート」のハッシュタグを付けて被災情報をツイートする
- 寄せられたツイートを元に、位置情報と被災情報がマップ上にプロットされる
災害時には河川の氾濫や土砂崩れなどが発生しがちですが、「いつ・どこで・何が起きているのか」が一目で分かれば安全なルートが確保できるため、二次被害を防ぐことができます。
災害時に役立つTwitterアカウント8選
総務省防衛庁や国土交通省などは、災害情報に特化したTwitter公式アカウントを開設しています。
災害時の情報収集がスムーズに行えるよう、以下のようなTwitterアカウントをフォローしておきましょう。
- Twitterライフライン(@TwitterLifeline)
- 内閣府防災(@CAO_BOUSAI)
- 首相官邸(災害・危機管理情報)(@Kantei_Saigai)
- 総務省消防庁(@FDMA_JAPAN)
- 国土交通省(@MLIT_JAPAN)
- NHK生活・防災(@nhk_seikatsu)
- ウェザーニュース(@wni_jp)
- 東京都防災(@tokyo_bousai)
Twitterライフラインでは、47都道府県別に「災害時に使えるアカウントリスト」を提供していますので、ローカル情報の収集に適しています。
また、現地の災害情報を素早く入手するには、最寄りの自治体や報道機関などが開設しているTwitterアカウントもおすすめです。
オフラインでも使える防災アプリ2選
この章では、インターネットがダウンしていてもオフラインで一部の機能が使用できる防災アプリを2つご紹介します。
- 約13万件の避難場所データベーズを元に、現在地から最も近い施設までのナビが表示される
- 地図機能はオフラインでも使用可
- 緊急地震速報・警報・避難勧告・雨雲レーダーなど、現在地と3つの地域をまとめて確認できる
- オフラインでハザードマップが使用できる防災モードあり
ちなみに、goo防災アプリは地図機能がオフラインでも使用できるため好評でしたが、2023年3月31日付けでサービスの提供が終了しています。
インターネットラジオ3選
災害時にテレビが視聴できなくなった場合におすすめしたいのが、スマホで聞ける「インターネットラジオ」での情報収集です。
国内向けの主なインターネットラジオには以下の3種類があり、いずれも「通常の電波」と「インターネット」を使って同時配信されています。
- Radiko(ラジコ):NHKラジオ第1/NHK-FM/コミュニティFM以外の民間放送
- らじる★らじる:NHKのAM・FM
- コミュニティFM局による独自配信:ローカルニュース
インターネットは災害時にどうなる?
高速光回線サービス「NURO(ニューロ) 光」を提供しているソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は、「防災の日」にあたる2023年9月1日に合わせて「災害時のインターネット」についてオンライン調査を実施しました。
その結果、全体の約9割の方が災害時にインターネットがつながらない状態に陥るリスクに対し、以下のように回答していました。
- とても不安を感じると思う
- やや不安を感じると思う
不安を感じる理由として多かったのは、以下のような意見でした。
- 家族や知人、同僚の安否確認ができない
- 災害状況がわからない
- 世の中の状況がわからない
上記の調査結果から、多くの方が「インターネットのダウン=人や情報とのつながりが制限される」、と認識していることが分かります。
無料Wi-Fi「00000JAPAN」の使い方
00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)とは、災害時に被災地で無料開放される「公衆無線LANサービス」です。
どの通信キャリアであろうとWi-Fi接続が可能な機種であれば、外国人観光客を含むすべての被災者が自由にアクセスできる仕組みになっています。
「00000JAPAN」の使い方は以下の通りです。
- スマホやパソコンの設定画面で「Wi-Fi」をONにする
- ネットワーク選択の画面で「00000JAPAN」を選択する
ただし、「00000JAPAN」は大規模災害時にIDやパスワードなどを入力しなくても使えるよう、何より「利便性」と「公共性」を優先しています。
暗号化通信などのセキュリティ面は考慮されていないため、あくまで緊急時の「安否確認」や「情報収集」などに限定して使用するのが鉄則です。
災害発生時に重要なICTとは?
ICT(Information and Communication Technology)とは、迅速かつ正確な情報伝達に欠かせない情報通信技術の一種です。
政府は医療・教育・サイバーセキュリティなどさまざまな分野でICTの活用を推奨しており、防災・減災の分野においては以下の項目が4本柱になっています。
- 緊急速報
- 安否確認
- 被害予測
- 情報収集
たとえば、Jアラート(全国瞬時警報システム)やLアラート(災害情報共有システム)も、防災・減災の分野におけるICTの活用事例です。
まとめ
この記事では、災害時のスマホ活用術についてご紹介してきました。
スマホは安否確認・救援要請・情報収集のすべてにおいて、被災者をサポートしてくれる優秀な防災グッズです。
ほかにも、アラーム音を鳴らしてレスキュー隊に自分の居場所を伝える、あるいは停電中の懐中電灯としても活躍してくれます。
本記事でご紹介したスマホ活用術を参考に、あらかじめ災害への備えを万全にしておきましょう。