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固定電話の引っ越し手続き!アナログ・ひかり電話・IP電話ごとに解説

固定電話の引っ越し手続き!アナログ・ひかり電話・IP電話ごとに解説

引っ越しに伴い、今と同じ固定電話番号が使えるか気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、固定電話の移転手続きについて徹底解説していきます。

引っ越し先でも使える固定電話番号と使えない固定電話番号の違い、加入電話・ひかり電話・NTT以外のIP電話それぞれについて、移転手続きの方法と費用についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

引っ越し先でも今の固定電話番号は使える?

結論から言うと、固定電話番号は一定の条件を満たしていれば引っ越し先でも継続して使用することが可能です。

ここからは、以下の3項目に分けて解説していきます。

  • 引っ越し先でも同じ番号が使える「加入電話(アナログ)」
  • 引っ越し先でも同じ番号が使える「IP電話(ひかり電話)」
  • 異なる収容局エリアで同一番号を使う方法とは?

引っ越し先でも同じ番号が使える「加入電話」

加入電話(アナログ回線)の場合、今使っている市外局番付きの固定電話番号が移転後もそのまま使えるかどうかは、「どこに引っ越しするのか」によって決まります。

以下のうち、どのパターンに当てはまるか確認してみましょう。

▼市街局番付き加入電話の移転パターン4つ

引越し先の住所 電話番号 必要な手続き
①今と同じ市区町村内 一部の例外を除き、同じ番号が使える 移転手続きのみ
②今と同じ都道府県内の別の市区町村 変わる可能性あり 移転手続きのみ
③今とは異なる都道府県
※NTT東西エリアをまたがない
変わる 移転手続きのみ
④今とは異なる都道府県
※NTT東西エリアをまたぐ
変わる 今の契約を解除後、新居で再契約

①の通り、引っ越し先が今と同じ市区町村内であれば、基本的に市外局番は変更されません。

そのため、引っ越し後も100%の確率で今と同じ固定電話番号が使えると思われがちですが、たとえ同じ市区町村内であっても「NTTの収容局」が異なる場合は、固定電話番号が変更される可能性があるため注意が必要です。

引っ越し先でも同じ番号が使える「IP電話」

NTTのひかり電話を含め、すべてのIP電話の移転パターンは以下の2つに分けられます。

▼IP電話の移転パターン2つ

  • 市街局番付きの固定電話番号:収容局が同一であれば、同じ固定電話番号が使える
  • 050から始まる固定電話番号:プロバイダを変更しない限り、原則として同じ固定電話番号が使える

「IP電話=050番号」というイメージが定着していますが、近年では市外局番つきの固定電話番号も提供されています。

とくに法人にとっては社会的信用度が高い市外局番つき固定電話番号のニーズが、未だに高いのが実情です。

固定電話番号を手軽に取得する方法については、以下の記事を参考にしてください。

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異なる収容局エリアで同一番号を使う方法とは?

前述した通り、市外局番付きの固定電話番号の場合、IP電話・加入電話ともに同一市外局番区域内であったとしても「同じ収容局エリア」でなければ、手持ちの電話番号を維持することはできません。

ただし、固定電話アプリの「03plus」をはじめとする一部のサービスでは、同一市外局番区域内に1つの電話局しか存在しない通信システムを採用しているため、東京03区域内であれば100%の確率で引っ越し先でも同一の固定電話番号が使えるのです。

現状、加入電話や一般的なIP電話で市外局番つきの固定電話番号を使用されている方は、03plusのように「引っ越しても番号が変わらないIP電話サービス」へ乗り換えてから移転手続きを行うことで、引っ越し先でも継続して同じ番号を使い続けることができるようになります。

03plusの特徴については、以下の記事を参照してください。

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固定電話の移転手続きに必要な情報

固定電話を移転する際は、以下の情報を契約している通信会社へ申告する必要があります。

  • 使用中の固定電話番号
  • 現在の契約者名義
  • 現在住所と新住所
  • 工事の希望日(工事が必要な場合のみ)
  • クレジットカード番号や口座振替など、電話料金の支払い情報(新規契約の場合のみ)

NTT加入電話(アナログ回線)の移転手続き

この章では、NTTの加入電話(アナログ回線)の引っ越し手続きについて解説していきます。

  • パターン1:同じ市区町村内への引っ越し
  • パターン2:NTT東日本・西日本をまたがない引っ越し
  • パターン3:NTT東日本・西日本をまたぐ引っ越し
  • 加入電話の移転費用

パターン1:同じ市区町村内への引っ越し

現住所と引っ越し先が同じ市区町村の場合、基本的に同じ固定電話番号が使えます。

なぜなら、NTTの収容局が同一である可能性が高いからです。

ただし、NTT東日本または西日本が設けている「固定電話の移転手続き窓口」へ連絡し、引っ越し先の新住所や契約者に関する情報などを伝えなければなりません。

固定電話の具体的な移転手続きについては、後述する「NTT東日本・西日本をまたがない引っ越し」または「NTT東日本・西日本をまたぐ引っ越し」で詳しく解説しておりますので、ご自身の対象エリアを参照してください。

パターン2:NTT東日本・西日本をまたがない引っ越し

現住所と引っ越し先がNTT東日本・西日本をまたがない場合、固定電話の移転手続きを受け付けている窓口は以下の3つから選べます。

移転手続きの手段 NTT東日本 NTT西日本 受付時間
固定電話から 116(局番無し) 116(局番無し) 土日祝日を含む9時~17時
携帯電話やスマホから 0120-116-000 0800-2000-116 土日祝日を含む9時~17時
インターネットから 電話のお引越し 移転のお手続き 24時間365日

電話・インターネット共にガイダンスに従って移転手続きを進めていきますが、あらかじめ前述した申告情報を用意しておくと、手続きがスムーズに進みます。

電話の受付窓口はフリーダイヤルになっているため、通信料金は発生しません。

一方、夜間に手続きを済ませたい方はインターネットが便利です。

なお、NTT東日本・西日本の管轄エリアを確認する際は、以下の一覧表を参考にしてください。

NTT東日本の
管轄エリア
北海道/青森県/岩手県/秋田県/宮城県/山形県/福島県/茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/東京都/神奈川県/山梨県/長野県/新潟県
NTT西日本の
管轄エリア
福井県/石川県/富山県/愛知県/岐阜県/三重県/静岡県/兵庫県/京都府/滋賀県/大阪府/奈良県/和歌山県/島根県/鳥取県/岡山県/山口県/広島県/愛媛県/香川県/高知県/徳島県/福岡県/大分県/宮崎県/佐賀県/長崎県/熊本県/鹿児島県/沖縄県

パターン3:NTT東日本・西日本をまたぐ引っ越し

NTT東日本・西日本をまたいで固定電話の引っ越し手続きを行う場合は、旧住所での契約を解約してから、移転先で新規契約を行う必要があります。

具体的な手順は、以下の3ステップです。

  1. 現住所を管轄するNTT東西どちらかで、現契約を解約する
  2. 新住所を管轄するNTT東西どちらかで、新規契約の手続きと工事日を決定する
  3. 新居へ引っ越し後、電話回線の開通工事を行う

まずは以下の一覧表を参考に、旧住所および新住所の管轄エリアを確認してみましょう。

NTT東日本の
管轄エリア
北海道/青森県/岩手県/秋田県/宮城県/山形県/福島県/茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/東京都/神奈川県/山梨県/長野県/新潟県
NTT西日本の
管轄エリア
福井県/石川県/富山県/愛知県/岐阜県/三重県/静岡県/兵庫県/京都府/滋賀県/大阪府/奈良県/和歌山県/島根県/鳥取県/岡山県/山口県/広島県/愛媛県/香川県/高知県/徳島県/福岡県/大分県/宮崎県/佐賀県/長崎県/熊本県/鹿児島県/沖縄県

あとは以下の一覧表を参考に、旧住所の管轄エリアの窓口で現契約の解約手続きを、新住所の管轄エリアの窓口で新規契約の手続きを行います。

移転手続きの手段 NTT東日本 NTT西日本 受付時間
固定電話から 116(局番無し) 116(局番無し) 土日祝日を含む9時~17時
携帯電話やスマホから 0120-116-000 0800-2000-116 土日祝日を含む9時~17時
インターネットから 電話のお引越し 移転のお手続き 24時間365日

加入電話の移転費用

固定電話の移転費用は作業や工事の種類によって変動するものの、3,300円~22,000円(税込)が目安となります。

  • すでに電話線が引かれている物件:NTT局内工事のみなので、3,300円程度
  • 新たに電話線を引く新築戸建て:作業員の訪問が必要なため、22,000円程度

また、移転費用は引っ越し先で宅内工事が必要かどうかによっても変動するため、NTT東西に申し込みをする際に必ず確認しておきましょう。

NTTの「ひかり電話」の移転手続き

NTTが提供している「ひかり電話」は、契約しているプロバイダを変えない限り、基本的に引っ越し後も同じ固定電話番号が使えます。

ただし、ひかり電話はあくまでフレッツ光のオプションサービスです。

したがって、引っ越し先の物件がフレッツ光に対応していなければ、ひかり電話を継続利用することはできません。

ひかり電話の移転手続きを受け付けている窓口は、以下の通りです。

移転手続きの手段 NTT東日本 NTT西日本 受付時間
電話 0120-116116 0120-116116 9時~17時
※年末年始を除き、土日休日も可
インターネット フレッツ光の
移転手続き
フレッツ光
お引越しのお手続き
24時間365日

以下の通り、ひかり電話の引っ越し作業は加入電話とほぼ同じ手順で行えますが、インターネットごと移転しなければならないため、申し込みから使えるようになるまで2~4週間ほどかかるのが一般的です。

  1. お申し込み
  2. お引越し
  3. 開通工事
  4. 接続設定
  5. 利用開始

ひかり電話を移転する際は、以下の情報を準備しておきましょう。

  • 新居の住所
  • 利用中の電話番号
  • ご契約者名義
  • お客さまID
  • 工事の希望日
  • 引越し予定日

ひかり電話の移転費用

ひかり電話の移転工事は、「引っ越し先」のみで行い、工事費は住居の形態によって異なります。

以下は、ひかり電話をインターネットごと移転した際の費用の目安ですが、加入電話の工事費よりも割高になるケースも珍しくありません。

  • 戸建て:23,100円(税込)
  • 集合住宅:12,760円~23,100円(税込)

また、NTT東日本とNTT西日本の管轄エリアをまたいで引っ越しする場合は、別途プロバイダの違約金として数万円の出費が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

ただし、NTT東西および各プロバイダにて割引プランを提供していますので、あらかじめ確認しておきましょう。

NTT以外のIP電話の移転手続き

NTT以外のIP電話の移転手続きは、サービスを提供しているプロバイダによって多少の違いはあるものの、ほぼ「ひかり電話」と同じです。

ただし、サービスの提供エリア外に引っ越しする場合はプロバイダを乗り換える必要があるため、契約中の通信業者に問い合わせておきましょう。

NTT以外のIP電話の移転費用

インターネットに紐づくIP電話の移転費用は、フレッツ光と同等の工事費が発生します。

ただし、プロバイダによっては万単位の割引キャンペーンを開催しているケースも多いため、まずは現在契約中の通信業者に以下の2点を問い合わせてみましょう。

  • 引っ越し先で同じサービスが受けられるか?
  • 費用の総額はいくらか?

【Q&A】固定電話の引っ越しでよくある質問

最後に、固定電話の引っ越しでよくある質問を3つご紹介していきます。

  • 移転手続きはいつまでに行うべき?
  • 旧番号に電話がかかってきたらどうなる?
  • 新旧両方の電話番号を利用できる?

移転手続きはいつまでに行うべき?

固定電話回線の移転手続きを行うベストなタイミングは、以下の通りです。

  • 固定回線のみ移転する場合:2週間前まで
  • インターネット回線ごと移転する場合:3週間前まで

旧番号に電話がかかってきたらどうなる?

誰かが旧番号に電話をかけてきた場合は、以下の2パターンになります。

  • 第三者が旧電話番号を取得している:間違い電話として着信する
  • 誰にも取得されていない:「現在使われておりません」のアナウンスが流れる

旧番号への着信が想定される場合は、新番号を知らせるアナウンスを設定しておいた方がよいでしょう。

移転の手続きを行う際に申請すると、無料で3か月ほどアナウンスを流すことができます。

新旧両方の電話番号を利用できる?

NTTでは、新旧両方の電話番号を利用できるサービスを提供しています。

ただし、以下の2つをクリアするのが条件です。

  • 引越しから7日間限定
  • 新居への引越し後、利用開始日を1カ月以内に設定する

まとめ

使用頻度が低下しているとはいえ、固定電話が代表的な連絡手段という事実に変わりはありません。

まして、会社や個人事業主、フリーランスにとっては対外的に手放せない重要なツールです。

引っ越しに伴って固定電話番号が変更になってしまうと、名刺や請求書といった印刷物からWebサイトにいたるまで、修正を余儀なくされてしまいます。

使用中の固定電話番号を使い続けることができるのか、どのような手続きが必要なのか、費用はいくらかかるのかなど、引っ越しする前に必ず確認しておきましょう。