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クラウドPBX導入事例&比較7選|2026年NTT値上げ対策
※本記事は2026年08月時点の情報に基づいています。
クラウドPBXは、拠点数が少なく従業員10名以下の小規模事業者なら初期費用0円〜1万円・月額1,000円〜1,500円/ユーザーで固定電話番号のスマホ内線化が可能で、従来型ビジネスフォン(数十万円〜数百万円)と比べて初期投資を大幅に圧縮できます。
2026年4月1日のNTT値上げと2035年頃のメタル回線廃止を踏まえると、既存の固定電話を持つ企業は「いつ移行するか」ではなく「どのサービスに移行するか」を検討する段階に入っています。
この記事の要点
- 2026年4月1日よりNTT東日本・西日本の加入電話基本料金が約30年ぶりに値上げされ、事務用は月額330円(年間3,960円)の負担増となります
- クラウドPBXの費用相場は初期費用0円〜1万円、月額1,000円〜1,500円/ユーザー、固定電話宛通話料3分8.8円程度が一般的な水準です
- 導入事例で最も効果が大きいのは「複数拠点の内線化」と「携帯からフリーダイヤル発信の代替」で、後者は最大約10倍のコスト差が発生します
- 失敗の主因は音質トラブルで、原因はサービスではなくQoS未設定・PoEスイッチの帯域不足といった社内ネットワーク側にあります
- IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金の対象になる場合があり、初期費用と初年度月額を圧縮できます
クラウドPBXとは?仕組みと従来型ビジネスフォンとの3つの違い

クラウドPBXとは、これまで社内に設置していた電話交換機(PBX)の機能を、インターネット上のクラウドサーバーで提供するサービスです。主装置という物理機器を買わなくなるため、初期費用と設置工事が消えるのが最大の違いです。
PBX(Private Branch eXchange)とは、企業構内に設置され、内線同士や外線と内線の接続を行う電話交換機のことです。従来のビジネスフォンでは、このPBXを「主装置」として社内に置き、そこから各デスクの電話機まで配線を這わせる必要がありました。株式会社バルテックなど各社の公開情報や市場調査データによれば、従来のビジネスフォン導入には主装置の購入と設置工事で数十万円〜数百万円の初期費用がかかる場合があります。
クラウドPBXでは、この主装置がクラウド上のサーバーに置き換わります。各社員のスマートフォンやPCに専用アプリをインストールし、インターネット経由でクラウドサーバーに接続する構成です。以下の表で、従来型ビジネスフォンとクラウドPBXの違いを比較します。
| 比較項目 | 従来型ビジネスフォン | クラウドPBX |
|---|---|---|
| 初期費用 | 数十万円〜数百万円 | 0円〜1万円程度 |
| 主装置 | 社内設置が必要 | 不要(クラウド) |
| 配線工事 | 必要 | 不要 |
| 内線可能な範囲 | 同一拠点内のみ | 全国・海外どこでも |
| 利用端末 | 専用電話機 | スマホ・PC・IP電話機 |
| 増設リード | 工事日程の調整が必要 | 管理画面で即日 |
| 拠点間内線通話料 | 外線扱いで課金 | 無料 |
| 移転時の費用 | 再工事費が発生 | 原則不要 |
実務上とくに効いてくるのは、表の下2行です。従来型では拠点間の通話は外線扱いになり、本社と支店で電話するだけで通話料が発生していました。クラウドPBXは全拠点が同一のクラウドサーバーにつながるため、東京本社と大阪支店の通話も、在宅勤務中の社員への取り次ぎも、すべて内線=無料になります。
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スマホ内線化とは何を意味するのか
スマホ内線化とは、社員個人または会社支給のスマートフォンに、会社の内線番号と代表電話番号の発着信機能を持たせることです。単に転送するのではなく、スマホそのものが内線電話機になります。
具体的には、社員のスマホに専用アプリを入れると「内線201」のような番号が割り当てられ、代表番号への着信をそのスマホで受けられます。発信時も、アプリから架電すれば相手には会社の代表番号(03などの0AB-J番号)が表示されます。0AB-J番号とは、03や06など地域を特定できる市外局番から始まる10桁の電話番号のことです。
BYOD(従業員が個人所有するスマートフォンやPCなどの情報端末を業務に利用すること)で運用する場合、社員の私物スマホから会社番号で発信できるため、社用携帯を配らずに済みます。この点は、社用携帯の端末代と回線料を丸ごと削減できるため、10名規模でも年間数十万円のインパクトになります。
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なぜ今クラウドPBXへの移行が急がれるのか?2026年と2035年の2つの期限

2026年4月1日のNTT基本料金値上げと、2035年頃のメタル回線を用いた固定電話維持が困難になる見通しという2つの動きが重なり、固定電話を「そのまま維持する」選択肢のコストと将来リスクが上がっています。
固定電話の利用実態は、この20年で劇的に縮小しました。総務省の統計によれば、固定電話の契約者数はピーク時である1998年度から約80%減少しています。通話時間はさらに落ち込みが激しく、ピーク時の2000年度から約96%の減少です。それでも2024年度末時点で約1,100万件の契約が残存しており、この1,100万件が今後10年で移行先を探すことになります。
2026年4月のNTT値上げで年間コストはどう変わるか
2026年4月1日より、NTT東日本・西日本の加入電話基本料金が約30年ぶりに値上げされます。事務用が月額330円、住宅用が月額220円の値上げです。具体的には、3級取扱所・事務用プッシュ回線の回線使用料が月額2,750円から3,080円になります。
金額だけ見ると月330円ですが、回線数を掛けると意味が変わってきます。以下の表で、保有回線数ごとの年間コストインパクトを試算します。
| 保有回線数 | 値上げ前(年額) | 値上げ後(年額) | 年間増加額 |
|---|---|---|---|
| 1回線 | 33,000円 | 36,960円 | 3,960円 |
| 3回線 | 99,000円 | 110,880円 | 11,880円 |
| 5回線 | 165,000円 | 184,800円 | 19,800円 |
| 10回線 | 330,000円 | 369,600円 | 39,600円 |
| 20回線 | 660,000円 | 739,200円 | 79,200円 |
※3級取扱所・事務用プッシュ回線(月額2,750円→3,080円)で算出。通話料・付加サービス料は含みません。
10回線を保有する企業なら年間39,600円の純増です。ここで比較すべきは、クラウドPBXの月額相場である1ユーザー1,000円〜1,500円という水準です。仮に10ユーザーで月額1,200円なら月12,000円・年144,000円ですが、これは10人分の内線・外線機能と全拠点内線無料を含んだ金額です。一方の固定電話10回線・年369,600円には、内線機能を実現する主装置の保守費が別途乗ります。
さらに見落としやすいのが、NTT回線を維持しながら別途社用携帯を持たせている企業のケースです。固定電話の基本料と社用携帯の回線料を二重に払っている状態なので、クラウドPBXでスマホ内線化すれば、固定電話側の回線数を代表番号1本に絞り込める余地があります。
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2035年メタル回線廃止に向けた総務省の最新動向
NTT東日本・西日本は、2035年頃までにメタル回線を用いた固定電話の維持が困難になる見通しを発表しています。メタル回線とは、銅線を用いた通信回線のことで、従来のアナログ固定電話やISDNで利用されているものです。
この移行を制度面から整えるため、総務省は2025年10月3日、「固定電話サービスの円滑な移行の在り方」について情報通信審議会に諮問しました(出典:固定電話サービスの円滑な移行の在り方│総務省)。諮問という手続きは、総務省が専門家会議に対して制度設計の検討を正式に依頼するもので、ここでの議論が今後の移行スケジュールやユーザー保護のルールに反映されます。
背景として、総務省は「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」の最終答申もまとめており、メタル回線の縮退を含む通信政策全体の方向性が示されています(出典:市場環境の変化に対応した通信政策の在り方 最終答申|総務省)。
実務担当者が押さえるべきポイントは、「2035年に電話が使えなくなる」わけではないという点です。縮退の対象はメタル回線という物理設備であり、光回線やモバイル回線へ移行すれば、電話番号と通話機能はそのまま継続利用できます。ただし移行作業そのものは各企業が自社で行う必要があり、2030年代前半に全国1,100万件が一斉に動けば、工事枠と業者リソースの逼迫は避けられません。
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ISDN・おとくラインなど周辺サービスの終了スケジュール
メタル回線廃止に先行して、関連サービスの終了時期が既に確定しています。自社が該当する回線を使っている場合、2035年より早い対応が必要です。
| サービス | 新規受付終了 | サービス終了 | 影響を受ける用途 |
|---|---|---|---|
| ISDN(ディジタル通信モード) | 受付終了済 | 2028年末予定 | EDI・FAX一斉送信・POS |
| おとくライン(ソフトバンク) | 2026年3月末 | 2030年3月末 | 直加入電話の代替回線 |
| 加入電話(メタル) | 継続中 | 2035年頃に維持困難 | アナログ固定電話全般 |
ISDN回線(ディジタル通信モード)は2028年末までにサービス終了予定です。ISDNのディジタル通信モードを使ったEDI(企業間電子データ交換)やFAX一斉送信を運用している企業は、電話の移行と併せてデータ通信側の移行計画も必要になります。
ソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」は、2026年3月末に新規受付を終了し、2030年3月末でサービスを終了する予定です。NTTの値上げ回避策として「おとくライン」を検討していた企業にとって、この選択肢は実質的に消えました。
新規受付終了が2026年3月末、つまりNTT値上げの直前であることを踏まえると、コスト削減目的の乗り換え先はクラウドPBXなどのIP系サービスに絞られます。
クラウドPBXの料金相場はいくら?初期費用・月額料金・通話料の内訳
クラウドPBXの費用相場は、初期費用0円〜1万円程度、月額料金1ユーザーあたり1,000円〜1,500円程度、通話料は固定電話宛で3分8.8円程度です。従来型ビジネスフォンの数十万円〜数百万円という初期費用と比べると、導入時の資金負担がほぼ発生しません。
見積もりを取る際は、以下の4つの費用項目に分けて確認してください。サービスによって「どこまで月額に含まれるか」の線引きが違うため、月額単価だけで比較すると失敗します。
| 費用項目 | 相場 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜1万円 | 番号取得料・設定代行費が別か |
| 月額基本料 | 0円〜数千円 | ユーザー課金と別に基本料があるか |
| 月額ユーザー料 | 1,000円〜1,500円/ID | 最低契約ID数の下限 |
| 通話料 | 固定電話宛3分8.8円 | 携帯宛・内線・海外の単価 |
とくに注意したいのが「最低契約ID数」です。月額1,000円/IDと表示されていても最低5IDからという条件なら、実質の月額下限は5,000円になります。従業員3名で使いたい場合、単価が高くても最低ID数のないサービスの方が安く済みます。見積書を受け取ったら、単価欄ではなく「合計月額」と「最低利用期間」を先に見る癖をつけてください。
携帯からフリーダイヤル発信のコストが約10倍になる問題
市場調査データによれば、携帯電話からフリーダイヤルへの発信は、固定電話からの発信に比べて約10倍のコストがかかる場合があります。これは着信側であるフリーダイヤル契約企業が負担する料金で、発信元が携帯かどうかで単価が大きく変わる仕組みです。
自社がフリーダイヤルを運用しており、かつ営業担当が社用携帯から自社のフリーダイヤルに架電する運用がある場合、この差額が積み上がります。クラウドPBXでスマホを内線化すると、社員からの着信は内線扱いになるためフリーダイヤル料金が発生しません。コールセンターや修理受付を持つ企業では、この項目だけで導入コストを回収できる場合があります。
自社が該当するかを確認する手順はシンプルです。フリーダイヤルの請求明細を開き、発信元種別ごとの内訳(携帯発・固定発)を見てください。携帯発の比率が高く、その一部が自社社員からの架電であれば、内線化の効果が直接効きます。
IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金は使えるか
クラウドPBXは業務効率化を目的としたITツールに該当するため、IT導入補助金の対象となる場合があります。対象になるのは、IT導入支援事業者として登録された事業者が提供し、かつ事務局に登録されたITツールとして認定されているサービスです(出典:IT導入補助金 公式サイト)。
小規模事業者の場合は、小規模事業者持続化補助金も候補になります(出典:小規模事業者持続化補助金 公式サイト)。こちらは販路開拓や業務効率化の取り組みを幅広く対象とするもので、電話環境の整備が事業計画上の位置づけを持つ場合に申請可能です。
実務的な注意点として、補助金は原則「交付決定後に契約・発注したもの」が対象です。先に契約してから補助金を申請しても対象外になるため、活用するなら導入検討の初期段階で公募要領を確認し、スケジュールを逆算してください。
また、補助金申請には各制度が定める事前準備(電子申請アカウントの取得など)が必要で、これに数週間かかることもあります。
クラウドPBX主要7サービスを比較|料金・機能・向いている企業

主要サービスは「低コスト重視型」「高機能型」「電話自動応答特化型」の3タイプに分かれます。従業員数と必要機能で選ぶタイプが決まるため、まず自社がどのタイプに当てはまるかを判断してください。
以下の表で、主要サービスの特徴と提供企業を比較します。
| サービス名 | 提供企業 | 主な特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| MOT/TEL | 株式会社バルテック | 官公庁・上場企業に導入実績、解約率0.6% | 信頼性を重視する中堅・大企業 |
| INNOVERA | 株式会社プロディライト | 全通話録音、細かなルーティング設定 | コールセンター・品質管理重視 |
| トビラフォンCloud | トビラシステムズ株式会社 | 迷惑電話フィルタ標準搭載、設備投資不要 | 迷惑電話対策が課題の企業 |
| 03plus | 株式会社グラントン | スマホで03などの市外局番が使える | 起業・開業予定者、個人事業主 |
| テレワープ | 株式会社テレワープ | 既存固定電話の発着信をスマホで操作 | 既存番号を活かしたい企業 |
| IVRy | 株式会社IVRy | 月額3,317円から、AI・IVR自動応答、最短1分で開始 | 電話対応の一次受けを自動化したい企業 |
| OFFICE110 | 株式会社ビジョン | クラウドPBXの比較・導入支援 | 選定自体に迷っている企業 |
信頼性と実績で選ぶなら:MOT/TEL
MOT/TELは株式会社バルテックが提供するクラウドPBXで、官公庁や上場企業への導入実績を持ちます。スマホアプリとPCソフトの両方で通話でき、マルチデバイス対応が特徴です。
選定材料として注目すべきは、解約率0.6%という数値です。クラウドPBXの解約率はサービスにより異なりますが、優良サービスでは1%未満のものもあり、MOT/TELの0.6%はその水準に入ります。解約率は「導入後に使い続けられているか」の代理指標になるため、カタログスペックでは見えない運用品質を推し量る材料として有効です。
社内稟議で「実績のあるサービスを選んだ」という説明が必要な企業、官公庁との取引がありセキュリティ面の説明責任が生じる企業には、この実績が判断材料になります。
通話録音と細かな着信制御が必要なら:INNOVERA
INNOVERAは株式会社プロディライトが提供するクラウドPBXで、全通話録音機能と細かなルーティング設定を備えています。
全通話録音が標準で使えることの実務的な価値は、クレーム対応と教育です。「言った・言わない」の争いが起きやすい業種(不動産、金融、修理業など)では、録音データが証跡になります。またルーティング設定が細かいと、「1次受けは全員に鳴らし、20秒応答がなければ担当グループへ、それでも取れなければ携帯へ」といった多段の振り分けが組めます。
選定時は、録音データの保存期間と保存容量、そして管理画面から検索・ダウンロードできる範囲を必ず確認してください。録音できても取り出しに手間がかかる仕様では、実務で使えません。
迷惑電話対策を重視するなら:トビラフォンCloud
トビラフォンCloudはトビラシステムズ株式会社が提供するクラウドPBXで、迷惑電話フィルタ機能を標準搭載し、設備投資が不要です。
迷惑電話フィルタが標準で入っている点は、小規模事業者ほど効きます。人員が少ない事業所では、営業電話1本の対応コストが相対的に重くなります。フィルタで自動的に遮断できれば、実務時間が守られます。
なお、迷惑電話フィルタは「業務電話を誤って弾かないか」の確認が重要です。導入初期は遮断ログを定期的に確認し、取引先が誤判定されていないかをチェックする運用を組んでください。
起業・開業時に03番号が欲しいなら:03plus
03plusは株式会社グラントンが提供するサービスで、スマホで03などの市外局番から始まる0AB-J番号が使えます。
起業直後の事業者にとって、03などの市外局番を持てることの意味は信用面にあります。取引先や顧客からすると、050番号や携帯番号だけの事業者より、市外局番を持つ事業者の方が所在の明確な企業として認識されやすい傾向があります。事務所を借りずに事業を始める場合でも、市外局番を取得できる点が実務的な利点です。
ただし0AB-J番号の取得には、その市外局番エリアに事業所や活動実態があることの確認が求められるのが通例です。申込時に必要書類を確認し、実態のあるエリアの番号を選んでください。
▼03plusの詳細
既存の固定電話番号をそのまま活かすなら:テレワープ
テレワープは株式会社テレワープが提供するサービスで、既存の固定電話の発着信をスマホで操作できます。スマホ内線化を目的としたサービスです。
すでに何年も使ってきた固定電話番号があり、名刺・看板・Webサイト・取引先の登録情報すべてに掲載されている企業では、番号を変えないことの価値が非常に大きくなります。番号変更の告知コストと、告知が届かなかった顧客からの機会損失を考えると、既存番号を維持できる方式は検討する価値があります。
▼テレワープの詳細
電話の一次受けを自動化したいなら:IVRy
IVRyは株式会社IVRyが提供するAI・IVR電話自動応答サービスで、月額3,317円から利用でき、最短1分で利用を開始できます。
IVR(Interactive Voice Response)とは、電話着信に対し、録音音声案内やプッシュ操作によるメニュー分岐を自動で行うシステムです。「ご予約の方は1を、その他のお問い合わせは2を」という案内を自動化するもので、人が電話に出る前に用件を振り分けられます。
最短1分で利用開始できるという点は、繁忙期に電話が取りきれない事態への緊急対応として有効です。月額3,317円からという価格帯なら、パート1人分の時給数時間分で電話の一次受けが自動化できる計算になります。
飲食店・クリニック・美容室のような予約中心の業種、また営業電話の一次遮断をしたい小規模事業者に向いています。
▼IVRyの詳細
選定自体を相談したいなら:OFFICE110
OFFICE110は株式会社ビジョンが運営するサービスで、クラウドPBXの比較・導入支援を行っています。
自社の要件が固まっておらず、そもそもどのサービスを比較すべきかわからない段階では、導入支援を受ける選択肢があります。ただし支援を受ける場合も、提案されたサービスについて本記事で挙げた費用4項目(初期費用・月額基本料・月額ユーザー料・通話料)と最低契約ID数を自分で確認してください。判断軸を持って相談に臨むかどうかで、得られる提案の質が変わります。
クラウドPBXの導入事例|規模・業種別の効果と削減額

導入効果が最も大きく出るのは「複数拠点を持つ企業の内線化」「テレワーク企業の取り次ぎ解消」「小規模事業者の主装置廃止」の3パターンです。以下、規模・業種ごとに想定される効果の構造を整理します。
なお、ここで示すのは各社が公開している一般的な導入効果の構造と、本記事で示した費用相場・料金データに基づく試算です。個別企業の削減額は回線数・拠点数・通話量によって変わるため、自社の請求明細で試算してください。
従業員5名以下の小規模法人・個人事業主のケース
最も効果が明確なのは、固定電話1〜2回線と社用携帯を併用している事業者です。この構成では、固定電話の基本料と携帯回線料を二重に払っています。
以下の表で、従業員3名・固定電話2回線・社用携帯3台の事業者を想定した費用構造を比較します。
| 項目 | 移行前(2026年4月以降) | クラウドPBX移行後 |
|---|---|---|
| 固定電話基本料 | 3,080円×2回線=6,160円 | 代表番号のみ、または全面移行 |
| 社用携帯 | 端末代+回線料×3台 | BYOD化で削減可能 |
| 内線機能 | なし(携帯へ都度転送) | 標準機能で無料 |
| 月額ユーザー料 | ─ | 1,000〜1,500円×3ID=3,000〜4,500円 |
| 初期費用 | 主装置ありなら数十万円 | 0円〜1万円 |
小規模事業者が得る最大のメリットは、初期費用です。従来型ビジネスフォンは主装置の購入と設置工事で数十万円〜数百万円かかる場合があり、開業時の資金計画に重くのしかかります。クラウドPBXなら初期費用0円〜1万円程度で、代表番号での発着信と社員間の内線が成立します。
開業予定者が確認すべき実務ポイントは、番号の取得タイミングです。名刺やWebサイトを作る前に電話番号を確定させないと、後から刷り直しになります。0AB-J番号の取得可否と所要日数を、事務所契約の直後に確認してください。
テレワーク導入企業のケース
テレワーク企業で解決される課題は「代表電話の取り次ぎ」です。オフィスに誰かが出社して電話を受け、在宅の担当者へ携帯転送する運用は、出社当番の固定化と転送通話料の発生という二重のコストを生みます。
クラウドPBXでは、代表電話への着信を在宅社員のスマホアプリに直接鳴らせます。複数人に同時に鳴らす設定(同時呼び出し)にすれば、誰かが取れる状態を維持できます。取り次ぎが必要な場合も、内線転送なので通話料は無料です。
総務省の調査(2018年度)によると、日本企業500社のうち70.2%がコミュニケーションに特化したICTを導入しています。この数値は電話・会議・チャットを含むコミュニケーションICT全般の導入率で、テレワーク前提の働き方が広がった現在、電話環境だけがオフィス依存のまま残っているケースが実務上の課題になっています。
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複数拠点運営企業のケース
複数拠点企業でのインパクトは、拠点間通話料の消滅と、主装置の重複投資の解消です。従来型では拠点ごとに主装置が必要で、拠点数×数十万円の初期投資と、拠点数分の保守費が発生していました。
拠点間通話は外線扱いで課金されるため、本社と支店の日常的なやり取りがそのまま通話料になります。クラウドPBXでは全拠点が同一のクラウドサーバーに接続するため、拠点間はすべて内線=通話料0円です。拠点数が多く、拠点間の連絡頻度が高い企業ほど削減額が大きくなります。
新拠点開設時のスピードも変わります。従来型では回線工事と主装置設置の日程調整が必要で、開設日程がインフラ工事に縛られていました。クラウドPBXは管理画面でIDを追加するだけなので、拠点開設と電話の稼働を切り離せます。
固定電話維持費の削減を狙う企業のケース
すでに固定電話を多数保有している企業では、まず「本当に必要な回線数」の棚卸しが効きます。FAX専用、緊急用、使われていない旧部署分など、実際には着信のない回線が残っているケースが少なくありません。
2026年4月以降は1回線あたり年間3,960円の純増となるため、不要回線の削減はそのまま年間コスト削減になります。棚卸しの手順は次の通りです。
- NTTの請求明細を取り寄せ、契約回線をすべてリスト化する
- 各回線の直近6か月の着信・発信件数を確認する
- 着信0件の回線と、FAX・機械警備など特殊用途の回線を分ける
- 代表番号として残す回線を決め、それ以外をクラウドPBXに集約する
- 機械警備・エレベーター非常通報など、メタル回線必須の設備を洗い出す
手順5が重要です。機械警備の通報装置、エレベーターの非常通報、一部の決済端末などはアナログ回線を前提に設計されている場合があり、IP化で動作しなくなることがあります。
回線を解約する前に、各設備のメーカーにIP回線対応の可否を確認してください。この確認を飛ばすと、電話は移行できたが警備システムが止まるという事態になります。
クラウドPBXの導入で失敗するのはなぜ?失敗事例とネットワーク要件
失敗の主因は「音質トラブル」ですが、その原因はクラウドPBXサービス側ではなく、導入企業の社内ネットワーク側にあることが大半です。契約前に自社の回線環境を確認せずに導入すると、通話が途切れる・声が遅れるといった問題が起きます。
クラウドPBXの通話品質は、インターネット回線の品質に直接依存します。安定した光回線やLTE/5Gを利用すれば固定電話と同等の音質になりますが、逆に言えば回線が不安定な環境では音質が落ちます。
ここを理解せずに導入し、「クラウドPBXは音質が悪い」と結論づけてしまうのが典型的な失敗パターンです。
音質トラブルを起こす4つの原因と確認方法
以下の表で、音質トラブルの原因と、契約前に確認すべき項目を整理します。
| 原因 | 症状 | 確認・対策 |
|---|---|---|
| QoS未設定 | 大容量通信中に音が途切れる | ルーターで音声パケット優先設定 |
| 上り帯域の不足 | こちらの声が相手に届きにくい | 上り実測値を測定(下りだけ見ない) |
| 安価なルーター | 同時通話数が増えると劣化 | 同時セッション数の仕様を確認 |
| Wi-Fiの電波品質 | 移動すると音が切れる | アクセスポイント配置と2.4/5GHz設定 |
最初に確認すべきはQoS(Quality of Service)設定です。QoSとは、通信の種類ごとに優先度をつける仕組みで、音声パケットを最優先にする設定を指します。これがないと、社員が大きなファイルをアップロードしている間、通話音声が後回しにされて途切れます。ルーターの管理画面でQoS機能の有無と、音声優先(VoIP優先)設定の項目を確認してください。
次に上り帯域です。回線速度を測るとき、多くの人は下り(ダウンロード)速度だけを見ますが、通話で重要なのは上り(アップロード)です。自分の声を送るのは上り方向だからです。「下りは速いのに相手から声が聞こえにくいと言われる」場合、上りが詰まっている可能性が高いです。回線速度測定を業務時間中の混雑時に実施し、上り実測値を確認してください。
ルーターの同時セッション処理能力も見落としがちです。家庭用の安価なルーターは、同時通話数が増えると処理が追いつかず品質が落ちます。同時に何人が通話する想定かを算出し、その通話数に耐えるルーターかを仕様書で確認してください。
Wi-Fi環境では、アクセスポイントの配置が音質に直結します。フロアの端で電波が弱くなる場所があると、そこに移動した社員の通話が切れます。またPoE(Power over Ethernet)給電のスイッチでIP電話機を使う場合、給電能力と帯域の余裕を確認しないと、端末数を増やした際に不安定になります。
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番号ポータビリティで引き継げないケース
もう一つの失敗パターンは、「既存の電話番号が引き継げると思っていたら引き継げなかった」というケースです。番号ポータビリティ(電話番号を変えずに事業者を変更する制度)で引き継げる場合が多いものの、現在の回線種別と移行先サービスの組み合わせによって可否が変わります。
実務上の対応は明確です。契約する前に、現在の回線種別を正確に把握し、移行先サービスに番号引き継ぎの可否を書面で確認することです。確認すべき情報は以下の通りです。
- 現在の回線種別(NTT加入電話/ひかり電話/直加入/他社の直加入電話など)
- 電話番号の名義(法人名義か個人名義か、旧社名のままでないか)
- 現在の契約に紐づく付加サービス(ボイスワープ、ナンバーディスプレイなど)
- 番号引き継ぎに要する日数と、その期間中の電話の扱い
名義の不一致は実務でよく詰まる箇所です。会社設立時の旧名義や、前任者の個人名義になっている番号は、名義変更手続きを先に済ませないと移行できません。手続き自体に日数がかかるため、移行スケジュールに余裕を持たせてください。
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移行当日に電話が繋がらない期間を作らない段取り
3つ目の失敗は、切り替え当日に電話が不通になることです。番号移行の作業には、旧回線の廃止と新サービスでの開通のタイミング調整が伴います。
実務的な回避策は、移行期間中の暫定転送を用意しておくことです。具体的には、新サービスで先にテスト用番号を開通させて動作確認を済ませ、既存番号の移行は動作確認後に実施します。切り替え日は営業への影響が小さい曜日・時間帯を選び、当日は既存番号への着信を担当者の携帯に転送する設定を事前に入れておきます。
また、社内周知も段取りに含めてください。アプリのインストール、ログイン、内線番号の割り当て、着信音の設定は各社員の端末で行う作業です。切り替え当日に一斉にやると必ず取りこぼしが出るため、1週間前までに全員のアプリ導入とテスト通話を完了させる進め方が安全です。
自社に合うクラウドPBXはどう選ぶ?判断軸6つ

選定の判断軸は「必要ID数と最低契約数」「番号引き継ぎの可否」「必要機能の有無」「通話料単価」「サポート体制」「解約条件」の6つです。この順に確認すれば、後戻りのない選定ができます。
以下の表で、6つの判断軸と確認すべき具体的な項目を整理します。
| 判断軸 | 確認すること | 見落とすと起きること |
|---|---|---|
| 必要ID数 | 最低契約ID数と単価 | 少人数なのに最低5ID分を支払う |
| 番号引き継ぎ | 現回線種別での可否 | 番号変更で告知コストが発生 |
| 必要機能 | 録音・IVR・CTI等の標準/オプション | オプション積み増しで月額倍増 |
| 通話料単価 | 固定宛・携帯宛・内線の単価 | 通話量の多い部署で赤字化 |
| サポート | 障害時の連絡窓口と対応時間 | 業務時間中の障害に対応できない |
| 解約条件 | 最低利用期間と違約金 | 合わないのに解約できない |
機能要件は「標準搭載かオプションか」で判断する
機能名だけを見て比較すると、実際の月額が読めません。同じ「通話録音対応」でも、標準搭載のサービスとオプション課金のサービスがあります。
必要になりやすい機能は次の通りです。自社に必要なものだけを選び、それが標準搭載か有料オプションかを見積書で確認してください。
- 通話録音:クレーム対応の証跡、新人教育に使用。INNOVERAは全通話録音を特徴とします
- IVR(自動音声応答):一次受けの自動振り分け。IVRyのように自動応答専業のサービスもあります
- CTI:電話やFAXとコンピューターシステムを統合し、着信時に顧客情報をPC表示する技術。顧客管理システムとの連携が前提
- 迷惑電話フィルタ:営業電話の自動遮断。トビラフォンCloudは標準搭載です
- 多段ルーティング:時間帯・グループ別の着信振り分け
- 通話明細レポート:部署別の通話量把握、コスト管理
CTI連携を検討する場合は、自社が使っている顧客管理システムとの連携実績を確認してください。「CTI対応」と書かれていても、連携できるシステムは限られます。連携方式(API連携か画面ポップアップのみか)まで踏み込んで聞くのが実務的です。
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解約率という指標の使い方
サービス選定で見落とされがちなのが解約率です。クラウドPBXの解約率はサービスにより異なりますが、優良サービスでは1%未満のものもあり、MOT/TELは0.6%という数値を公開しています。
解約率が低いことは、導入企業が継続利用できている=運用が回っていることを示します。カタログの機能一覧では判別できない「実際に使えるか」に近い指標です。公開されている場合は選定材料に加えてください。
ただし解約率は算定期間や算定方法が事業者ごとに異なるため、単純な数値比較には限界があります。あくまで補助的な指標として扱い、主軸は自社要件との適合で判断してください。
導入前に必ずやるべき3つのアクション
契約書にサインする前に、次の3つを済ませてください。どれも無料または低コストで実施でき、失敗リスクを大きく下げます。
- 上り回線速度の実測:業務時間中の混雑時に測定し、想定同時通話数に耐えるかを確認する
- 無料トライアルでの通話テスト:オフィス内の複数の場所(フロア端、会議室、階が違う場所)で実際に通話し、音質を確認する
- 番号引き継ぎ可否の書面確認:現回線種別を伝えた上で、移行可否と所要日数を書面で回答してもらう
トライアルでの通話テストは、必ず複数の場所で行ってください。管理者のデスクだけで試すと、Wi-Fi電波の弱い場所の問題を見逃します。また、社内で通話が集中する時間帯(始業直後、昼休み明け)にテストすると、実運用に近い条件で確認できます。
クラウドPBXはどう導入する?手順を6ステップで
導入は「要件整理→比較検討→トライアル→契約→設定→運用開始」の6ステップです。物理的な主装置や配線工事が不要なため、ネット環境と端末があれば最短即日〜数日で利用開始できます。
以下、各ステップで実際に行う作業を整理します。
ステップ1:現状の棚卸しと要件整理(1〜2週間)
NTTの請求明細から契約回線をリスト化し、必要ID数、必要機能、既存番号の引き継ぎ有無を決めます。機械警備やエレベーター非常通報など、メタル回線必須の設備をこの段階で洗い出します。
ステップ2:サービス比較と見積取得(1〜2週間)
候補を3社程度に絞り、初期費用・月額基本料・月額ユーザー料・通話料・最低契約ID数・最低利用期間を同じフォーマットで比較します。見積は「合計月額」で並べてください。
ステップ3:無料トライアルと通話テスト(1〜2週間)
上り回線速度を実測し、オフィスの複数箇所で通話テストを実施します。同時に、想定する着信ルーティングが設定できるかを管理画面で確認します。
ステップ4:契約と番号手続き(数日〜数週間)
番号引き継ぎを行う場合は、名義確認と必要書類の準備に時間がかかります。名義が旧社名や個人名義になっている場合は、名義変更を先に済ませます。
ステップ5:初期設定と社内展開(1週間)
管理画面で内線番号を割り当て、着信ルーティングを設定します。並行して全社員にアプリをインストールさせ、ログインとテスト通話を完了させます。切り替え当日ではなく、1週間前までに完了させてください。
ステップ6:切り替えと運用開始
影響の小さい曜日・時間帯に切り替えます。当日は既存番号への着信を担当者携帯に転送する設定を保険として入れておきます。切り替え後1週間は着信ログを毎日確認し、取りこぼしがないかをチェックします。
補助金を活用する場合は、ステップ2の前に公募要領の確認と申請準備が入ります。交付決定前に契約すると対象外になるため、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金を使う場合は全体スケジュールを2〜3か月前倒しで組んでください。
よくある質問
今使っている会社の電話番号はそのままクラウドPBXで使えますか?
番号ポータビリティにより引き継げる場合が多いですが、現在の回線種別と移行先サービスによって可否が異なります。NTT加入電話、ひかり電話、他社の直加入電話など、契約中の回線種別を確認し、移行先サービスに書面で可否を確認してください。
クラウドPBXは通話音質が悪いのですか?
音質はインターネット回線の品質に依存します。安定した光回線やLTE/5Gを利用すれば固定電話と同等の音質になります。逆に上り帯域が不足している環境やQoS未設定のルーターでは音が途切れるため、契約前に上り速度の実測と通話テストを行ってください。
停電時にクラウドPBXは使えますか?
社内のWi-Fiが使えなくなっても、スマートフォンがモバイルデータ通信につながっていれば、アプリで発着信できます。オフィスの電源に依存する固定電話機と比べ、停電時の継続性はむしろ高くなります。
クラウドPBXの導入には大掛かりな工事が必要ですか?
物理的な主装置の設置や配線工事は不要です。インターネット環境とスマートフォン・PCがあれば、最短即日〜数日で利用開始できます。ただし番号を引き継ぐ場合は、名義確認や書類手続きに数日〜数週間かかります。
2035年に固定電話は使えなくなるのですか?
使えなくなるのはメタル回線という物理設備で、電話番号と通話機能は光回線やモバイル回線への移行により継続利用できます。NTT東日本・西日本は2035年頃までにメタル回線を用いた固定電話の維持が困難になる見通しを示していますが、移行すれば同じ番号を使い続けられます。
クラウドPBXの月額料金はいくらですか?
月額料金の相場は1ユーザーあたり1,000円〜1,500円程度、初期費用は0円〜1万円程度です。通話料は固定電話宛で3分8.8円程度が一般的です。最低契約ID数がある場合は、単価×最低ID数が実質の月額下限になります。
2026年4月のNTT値上げはいくらですか?
2026年4月1日より、NTT東日本・西日本の加入電話基本料金が事務用は月額330円、住宅用は月額220円値上げされます。3級取扱所・事務用プッシュ回線の回線使用料は月額2,750円から3,080円になり、1回線あたり年間3,960円の負担増です。
FAXや機械警備の回線もクラウドPBXに移行できますか?
機械警備の通報装置、エレベーター非常通報、一部の決済端末はアナログ回線を前提に設計されている場合があり、IP化で動作しないことがあります。回線を解約する前に、各設備のメーカーにIP回線対応の可否を確認してください。
まとめ:2026年の値上げ前に検討を始めるべき理由
クラウドPBXへの移行判断は、2026年4月1日のNTT値上げと2035年頃のメタル回線縮退という2つの期限から逆算すべきです。1回線あたり年間3,960円の増加は単体では小さく見えますが、10回線なら年間39,600円、20回線なら年間79,200円の純増になります。
移行を検討する際の実務的な優先順位は次の通りです。
- 請求明細で現状の回線数と用途を棚卸しする(着信0件の回線を洗い出す)
- メタル回線必須の設備を特定する(機械警備・エレベーター・決済端末)
- 上り回線速度を実測する(音質トラブルの最大の原因)
- 候補3社で合計月額を比較する(単価ではなく最低ID数込みの合計額)
- 番号引き継ぎ可否を書面で確認する(名義の不一致に注意)
サービス選定の指針としては、実績と信頼性を重視するならMOT/TEL、通話録音と細かな着信制御が必要ならINNOVERA、迷惑電話対策が課題ならトビラフォンCloud、起業時に03番号が欲しいなら03plus、既存番号をそのまま活かしたいならテレワープ、電話の一次受けを自動化したいならIVRy、選定自体に迷っているならOFFICE110の導入支援という整理になります。
固定電話の契約者数はピーク時の1998年度から約80%、通話時間は2000年度から約96%減少しました。それでも2024年度末時点で約1,100万件が残存しており、総務省は2025年10月3日に「固定電話サービスの円滑な移行の在り方」を情報通信審議会に諮問しています。
残存している固定電話契約の1,100万件が2030年代前半に一斉に移行を始めれば、工事枠と業者リソースは確実に逼迫します。値上げが実施される2026年のうちに現状の棚卸しとトライアルを済ませておくことが、コストとリスクの両面で合理的な判断です。














