固定電話の安心感をスマートフォンの気軽さで
- 固定電話の発着信をスマホで操作できるサービスを比較!
- > コラム一覧
- > IP電話の料金って本当に安いのか徹底比較してみた!
IP電話の料金って本当に安いのか徹底比較してみた!

IP電話とは、インターネット回線を使って会話する電話の総称です。
従来のアナログ回線とは違い、電柱・電話線・基地局などの設備が不要なため、低コストで利用することができます。
ただし、IP電話にはさまざまな種類があり、通話品質のレベルに大きな差があるのはもちろん、料金も統一されていません。
そこで今回は、IP電話の特徴を踏まえたうえで、初期費用・月額基本料金・通話料金などについて解説していきます。
目次
IP電話とは?
IP電話(Internet Protcol:インターネット・プロトコル)とは、インターネット回線によって繋がる通信システムのことです。
インターネット回線さえあれば、「固定電話」であろうと「スマホ」であろうと、どちらでも取得することができます。
ちなみに、これまでのIP電話は「050」から始まる電話番号が主流でしたが、最近では「市外局番・市内局番・加入者番号」という、従来の固定電話と同じ構成の電話番号が取得できるサービスも登場しています。
050番号から始まるIP電話については以下の記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご一読ください。
▼関連記事
IP電話の種類と特徴の比較
IP電話は大きく以下の3種類に分けられ、とくに「電話番号の構成」と「通話品質」が明確に異なります。
電話番号の構成 | 通話品質 | |
---|---|---|
0ABJ番号 | 「03」などの市外局番から始まる | 総務省が定めた厳しい通話品質基準を満たしている |
050番号 | 「050・事業者の識別番号・加入者番号」で構成される、11桁の電話番号 | 通話品質について厳しい条件はない |
電話番号不要型 | LINEなど、電話番号なしで通話できる | 通話品質について厳しい条件はない |
とくに法人の場合は「社会的信用度の高さ」や「通話品質の優秀さ」が重要なため、市外局番付きの0ABJ番号が選ばれています。
また、すでに取得している固定電話番号がそのまま使えるのも、0ABJ番号のIP電話が多くの企業に選ばれている理由です。
詳しくは、以下の記事を参照してください。
▼関連記事
IP電話が取得できる端末
取得できる端末の選択肢が多いのも、IP電話ならではの特徴です。
IP電話は、以下すべての端末で取得することができます。
- 固定電話
- スマートフォン
- タブレット
- PC
さらに、共通の電話番号を複数のデバイスで共有することも可能です。
2024年以降は従来の固定電話もIP電話料金に!
NTT東日本・西日本の固定電話は、2024年1月1日をもってアナログ回線が廃止され、全面的にIP網へと移行されました。
これまで、アナログ回線の固定電話とIP電話とでは通話料金に大きな差がありました。
従来のアナログ回線では、距離に応じて通話料金が割高になる仕組みでしたが、現在はIP電話と同じく距離に関係なく全国一律料金になっています。
ただし、月額基本料金はIP網への移行後も一般的なIP電話サービスよりも割高なのが実情です。
IP網への移行については、以下の記事で詳しく解説しております。
▼関連記事
IP電話の料金
IP電話のニーズが高い最大の理由は、なんと言っても料金の安さです。
この章では、IP電話の料金について以下の5項目に分けて解説していきます。
- IP電話の初期費用
- IP電話の月額基本料
- IP電話の通話料金
- IP電話の通話料金が無料になるケース
- IP電話のFAX料金
IP電話の初期費用
IP電話の初期費用は、0円~3,000円ほどが相場になっています。
従来の加入電話では、新規で3万5,000円前後の電話加入権(施設設置負担金)を購入する必要があったため、比較するとかなりリーズナブルなのが実情です。
ちなみに、2024年以降にNTTで固定電話を新規申し込みできるのは、「加入電話・ライトプラン」と「ひかり電話」の2種類で、初期費用は以下のようになっています。
- 加入電話・ライトプラン:契約料880円+工事費3,300円(施設設置負担金は不要)
- ひかり電話: 契約料880円+フレッツ光の初期工事費22,000円+ひかり電話交換機等工事費3,300円
つまりNTTがIP網へ移行した今でも、初期費用はプロバイダやクラウドPBXなどが提供しているIP電話サービスの方が、各段に格安なのです。
IP電話の月額基本料
IP電話の月額基本料は、数百円程度~2,000円ほどが相場になっており、ランニングコストをかけたくない人におすすめです。
050電話番号に特化している場合は、初期費用が無料になっているケースも見受けられます。
以下の通り、NTT東西の月額基本料金と比べると明らかにお得なのが分かります。
- 加入電話・ライトプラン:住宅用1,870円~/事務用2,805円~
- ひかり電話:550円~+フレッツ光の月額利用料5,000円前後
IP電話の通話料金
以下の一覧表は、4種類の電話を使った際の通話料金を比較した結果です。
IP電話サービス | ひかり電話 | IP網へ移行後の NTT |
従来のNTT | |
---|---|---|---|---|
固定電話宛 | 8円〜/3分 | 8.8 円/3分 | 9.35円/3分 | 9.35円~44円/3分 |
携帯電話宛 | 18円〜/1分 | 17.6円/1分 | 17.6円/1分 | 17.6円/1分 |
国際電話 | 8円〜/1分 | 9円〜/1分 | 9円~/1分 | 9円~/1分 |
IP電話はサービスの提供元によって多少の差はあるものの、従来のアナログ電話に比べると特に固定電話宛と国際電話が突出して割安になっているのが分かります。
IP電話の通話料金が無料になるケース
IP電話は、一定の条件を満たすことで通話料金が発生しません。
たとえば、以下のような場合は通話料金が無料になるケースが多いのです。
- 050で始まる電話番号同士
- 自社で取得した電話番号を共有している端末同士
- プロバイダなど、同じ提供元のサービスを利用している
- 提携しているサービス同士
ただし、通話料金が無料になる条件はサービスによって異なるため、あらかじめ確認が必要です。
IP電話のFAX料金
インターネットFAXサービスの送信料金は、1枚あたり10円~15円ほどが相場です。
つまり、ひと月に500枚FAXした場合の送信料金は、5,000円〜7,500円となります。
ただし、すべてのIP電話サービスがFAXに対応している訳ではないうえ、月額オプション料金が発生するケースもあるため、事前の確認は必須です。
IP電話が安い理由
なぜIP電話の料金は従来の固定電話や携帯電話よりも安いのか、その理由は通信システムの仕組みが違うからです。
たとえば、従来型のアナログ回線を介する固定電話は、電話線や基地局を経由して音声を送受信していました。
携帯電話の場合も、キャリアが設置した基地局を経由しなければなりません。
これに対し、IP電話はデジタル化した音声をインターネット経由で送受信するため、設備の維持管理費が発生しない分、料金が割安になっているのです。
IP電話サービスを提供しているプロバイダの中には基本料金を設けていない、あるいは数百円程度の料金に留めているところも少なくありません。
IP電話を取得する方法
IP電話は、以下のような企業が提供しています。
- IP網へ移行した固定電話キャリア:NTT東西など
- 光回線のキャリア:ソフトバンク光など
- オンライン通話サービス:Microsoft Teams(旧skype)など
- スマホキャリア:楽天モバイルなど
- プロバイダ:ocnなど
- IP電話アプリ:03plusなど
日本人にとって馴染み深いLINE電話もIP電話の一種でが、通話品質を重視する場合は少なくとも有料、もしくは0ABJ番号を提供しているIP電話がおすすめです。
IP電話の料金事例
この章では、人気の高いIP電話を7つピックアップしたうえで、それぞれの具体的な料金をご紹介していきます。
- NTTのIP電話料金
- ソフトバンク光のIP電話料金
- 楽天モバイルのIP電話料金
- いつでも電話のIP電話料金
- Microsoft Teams(旧skype)のIP電話料金
- ocnのIP電話料金
- 03plusのIP電話料金
なお、どのIP電話にすべきかお悩みの場合は、以下の記事も参考にしてください。
▼関連記事
NTTのIP電話料金
IP網へ移行した現在、NTTが提供しているIP電話サービスは大きく「ひかり電話」と「加入電話・ライトプラン」に分けられ、料金は以下の通りです。
費用項目 | ひかり電話 | 加入電話・ライトプラン |
---|---|---|
初期費用 | ・契約料880円 ・フレッツ光の初期工事費22,000円 ・ひかり電話交換機等工事費3,300円 |
・契約料880円 ・工事費3,300円 ※施設設置負担金は不要 |
月額基本料金 | ・550円~ ・フレッツ光の5,000円前後 |
・住宅用1,870円~ ・事務用2,805円~ |
通話料金 | ・固定電話宛:8.8円〜/3分 ・携帯電話宛:17.6円〜/1分 ・国際電話:9円〜/1分 |
・固定電話宛:9.35円/3分 ・携帯電話宛:17.6円/1分 ・国際電話:9円~/1分 |
ひかり電話にはオフィスタイプもあるため、ビジネス向けのオプションが必要な企業におすすめです。
ソフトバンク光のIP電話料金
ソフトバンク光に加入している場合は、050から始まる「BBフォン」というIP電話を申し込むことができ、税込料金は以下の通りです。
初期費用 | ・交換機などの工事費:1,100円 |
---|---|
月額基本料金 | ・基本プラン:513円 ・基本プランα:1,037円 ・だれとでも定額for光電話:1,551円 |
通話料金(有料) | ・国内の固定電話/他社IP電話あて:全国一律 8.789円/3分 ・ソフトバンク以外の携帯電話あて:17.6円/1分 ・PHS:17.6円/1分 ・国際電話:アメリカ 7.99円/3分 |
通話料金(無料) | ホワイト光電話/おうちのでんわ/BBフォン/ケーブルライン/ひかりdeトークS/NURO 光 でんわ/ソフトバンク携帯電話あて(ホワイトコール24のお申し込みが必要) |
ソフトバンク光のIP電話は、通話料金が無料になる範囲が広いのが最大の強みです。
ちなみに、「基本プランα」と「だれとでも定額for光電話」は「基本プラン」よりも月額基本料金が割高になっている分、番号表示サービス440円や着信転送サービス550円などのオプション料金が含まれているうえ、通話料金も優遇されています。
楽天モバイルのIP電話料金
楽天モバイルを契約している場合は、050から始まるIP電話を利用することができ、税別の料金は以下の通りです。
初期費用 | ・500円 |
---|---|
月額基本料金 | ・380円(同時に2通話が可能) |
通話料金(有料) | ・固定電話あて:8円/3分 ・他社の携帯電話あて:15.9円/1分 ・国際電話:アメリカ8円/1分 |
通話料金 (有料のIP電話) |
NTTコミュニケーションズ/ソフトバンク/KDDI/アルテリア・ネットワークス/ZIP Telecom/NTTドコモ/Coltテクノロジーサービス/アイ・ピー・エス/メディアアドベンチャー/ハイスタンダード/コムスクエア |
通話料金 (無料のIP電話) |
楽天モバイル/東北インテリジェント通信株式会社<TOHKnet>/中部テレコミュニケーション株式会社<CTC>/株式会社オプテージ/株式会社 STNet/株式会社 エネルギア・コミュニケーションズ/株式会社Qtnet |
また、楽天モバイルのIP電話サービスでは「フリーボイス」というオプションを提供しており、通常のフリーダイヤルよりも割安な月額900円で0120や0800から始まる電話番号を取得することが可能です。
LINE MOBILE「いつでも電話」のIP電話料金
LINE MOBILEでは、「いつでも電話」というIP電話を提供しています。
すでにLINEモバイルの音声通話SIMを契約している方が対象で、特別な申し込みをしなくてもアプリをインストールするだけで使える仕組みになっており、料金は以下の通りです。
初期費用 | ・SIMカード発行手数料:440円 |
---|---|
月額基本料金 | ・無料 |
通話料金 | ・固定電話あて:10円/30秒 ・IP電話あて:10円/30秒 ・携帯電話あて:10円/30秒 ・PHSあて:10円/30秒 ・国際電話:通話不可 |
通話料金(無料) | ・LINEに登録済みの相手に、LINEアプリの音声通話機能を使って発信した場合 |
なお、10分電話かけ放題を使用する場合は月額880円(税別)のオプション料金が別途必要です。
Microsoft Teams(旧skype)のIP電話料金
電話番号なしで使えるIP電話のパイオニア「skype」は、無料版・有料版ともに2025年5月5日付けで廃止されました。
代替えサービスとして「Microsoft Teams Free」の提供がスタートしており、無料プランまたは有料プランから選べます。
有料プランは月額750円 (税別)になっており、無料プランにはない「会議のレコーディング」や「24 時間年中無休の電話/Web サポート」といったオプションが含まれているのが特徴です。
ocnのIP電話料金
「OCNドットフォン300」は、2024年4月30日時点で新規の申込み受付を終了しており、2025年5月31日をもってサービスの提供を終了すると告知されています。
おなじく、「050あんしんナンバー for OCN」もすでに2024年4月30日付けで新規の申込み受付が終了しており、2025年8月31日をもってサービスの提供を終了すると発表されています。
03plusのIP電話料金
IP電話アプリの「03plus」とはビジネス向けクラウドPBXの一種で、東京03をはじめ主要46の市外局番付き固定電話番号を取得できるのが最大の強みです。
単純にIP電話番号が取得できるというだけでなく、ビジネスフォン並の機能がスマホで使えるようになるうえ、契約している端末同士の通話料金が国内外を問わず無料の内線扱いになるのも、大きなアドバンテージと言えるでしょう。
初期費用 | ・基本料金プラン(契約番号付き):月払い5,000円/年払い3,800 円 ・10分かけ放題プラン(契約番号付き):月払い5,000円/年払い3,800 円 |
---|---|
月額基本料金 | ・基本料金プラン:月払い1,280円/年払い15,360円 ・10分かけ放題プラン:月払い2,280円/年払い21,360円 |
通話料金 | ・国内のスマホ→国内の第三者が保有するスマホ:20円/30秒 ・国内の固定電話→国内の第三者が保有する固定電話:8円/3分 ・海外のスマホ→国内の第三者が保有するスマホ:20円/30秒 ・海外の固定電話→国内の第三者が保有する固定電話:8円/3分 ・国内のスマホ→海外の第三者が保有するスマホ:発信そのものができない |
同じ番号を共有する 端末同士の通話料金 |
・国内→国内:無料 ・国内→海外:無料 ・海外→国内:無料 |
オプション料金の一例 | ・留守番電話:380円/月 ・時間外アナウンス:1,000円/月 ・クラウドFAX:650円/月 ・Web電話帳:350円/月 ・通話録音:4,000円/月 ・IVR:3,800円/月 ・受付アプリ:650円/月 |
03plusのIP電話料金については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
▼関連記事
IP電話は「月額基本料金」も「通話料金」もお得!
IP電話は、従来のアナログ電話よりも格安料金で使えるのが最大の魅力です。
たしかに、NTTがIP網へ移行して以降は通話料金がIP電話と同等になりましたが、月額料金は従来のまま値下がりしていません。
まして、ビジネス向けのオプションを追加する場合は、ランニングコストが大きな負担になるのは避けられないでしょう。
何より、一口にIP電話と言ってもサービス内容は多様化しているのが実情です。
市外局番付きのIP電話番号を取得するなら、全国規模のメジャーなIP電話アプリが有力候補となります。
IP電話を選ぶ際は、ぜひ本記事でご紹介した情報をお役立てください。